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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29
ダイハツ ムーヴvsスズキ ワゴンRどっちが勝ちか? 最終決着!!
劇的に変わった新型ムーヴ

メーターをダッシュボード中央上から運転席前に移動。2トーンの明るい印象
【本記事は2013年2月にベストカーに掲載された記事となります。】ダイハツがフルモデルチェンジ並みのマイナーチェンジをムーヴに実施した。JC08モード燃費は先代より2km/Lも向上し、ワゴンRより0.2km/L上回る29.0km/Lを達成! またフロントマスクは厚みを増して存在感を強め、インパネも刷新してメーターを中央部からハンドルの奥側に移した。これほど劇的に変わった新型ムーヴは宿敵ワゴンRに勝つことができるのか?
エンジン冷却水の熱を利用したサーモコントローラー

CVTサーモコントローラーでエンジンとCVTの温度を最適化し、燃焼効率、動力伝達機能を高め燃費向上に結びつけている
低燃費技術の筆頭は、CVT(無段変速AT)のサーモコントローラーだ。エンジン冷却水の熱を利用して、CVTのフルードを早期に暖める。45度になるまでの時間は従来の20分から10分に短縮され、65度まで上昇。フルードの低粘度化も行なった。点火時期は気筒ごとに制御され、アイドリングストップの作動速度は時速7kmから9kmに高めた。
新たなスマートアシストも高機能

約20km/h以下で衝突回避を体感。ピピピッという警告音が鳴り、障害物手前で無事に止まった
新たなスマートアシストも高機能。レーザーレーダーが前方を監視して、時速4~30kmの範囲で車両などに衝突する危険が迫ると、ドライバーに警報を発する。反応しない時は緊急ブレーキも作動し、対象物との速度差が20km/h以下であれば衝突回避も可能だ。壁などに向けた誤発進の抑制制御も備わる。価格は横滑り防止装置とセットで5万円と安い。レーザーレーダーは実質2万円程度だ。
迎え撃つのワゴンR

わずか0.2km/L 負けたワゴンR
迎え撃つのはワゴンR。減速時を中心に発電機を作動させるエネチャージなどを採用し、JC08モード燃費は28.8km/L。ムーヴはマイチェンで0.2km/Lリードした。ワゴンRに衝突回避の支援機能はなく、横滑り防止装置もスティングレーのオプション設定のみ。安全性能ではムーヴが優位に立つ。
動力性能はワゴンRの勝ち

最大70kgもの軽量化を果たし、車両重量は780kg(ワゴンR FX 2WD)と軽ワゴンで一番軽い
■動力性能はワゴンRの勝ちノーマルエンジンの場合、ムーヴはミライースの低燃費技術を投入して、最大トルクは6.1kgm(5200回転)。実用域の駆動力が不足して、停止状態から時速25km前後までの到達時間が長引く。大きな交差点の右折では注意が必要だ。速度が高まりにくく、対向車が接近する心配がある。その点、ワゴンRは6.4kgm(4000回転)で多少の余裕がある。
ハンドリングはムーヴの勝ち

エクステリアも大幅に改良が加えられた。軽初のLEDヘッドランプが採用されている
■ハンドリングはムーヴの勝ち以前はハンドリングが互角だったが、ムーヴは今回の変更で前後輪にスタビライザーを装着。ボディの傾き方を抑えた。コーナーであおられにくく、後輪の接地性も高い。直進安定性も優れ、路面のウネリを通過しても進路を乱しにくい。対するワゴンRは、標準ボディにはスタビライザーを備えず、コーナーではボディが大きめに傾いて安定性は見劣りする。
乗り心地はムーヴの勝ち

ベンチシートの座り心地もいい。走行時にはゆったりと感じられるのがいい
両車とも乗り心地は硬めだが理由は異なる。ムーヴは安定性の向上を目的に、ボディの傾き方を抑えて硬くなった。適度な重厚感が伴い粗さはない。ワゴンRが硬い理由は燃費の向上。タイヤサイズは14インチで等しいが、指定空気圧はムーヴの240kPaに対してワゴンRは280kPa。この数値を前提にすればワゴンRは快適ともいえるが、街中で硬さが目立つ。乗り心地はムーヴの勝ち。
内装と居住性はワゴンR

圧迫感のないインパネ。明るく温かみのあるベージュの2トーンの内装
■内装と居住性はワゴンRインパネなど内装の質感、前席の座り心地は互角。後席は座面の柔軟性でワゴンRが勝り、前後のスライド機能も、ムーヴの一体式に対して左右独立式になる。ワゴンRではチャイルドシートを装着した側だけ前に寄せ、信号待ちの時に子供のケアをすることも可能。荷物の量による調節も図りやすい。収納設備もワゴンR。ムーヴは従来型では助手席の前やハンドルの奥にフタ付きのボックスを備えたが、マイチェンでトレイに変更された。
結論/どちらが勝ちか?

■結論/どちらが勝ちか?買い得なグレードは、両車とも標準ボディでムーヴはX・SA(125万円)。ワゴンRはFXリミテッド(124万9500円)になる。ムーヴにはスマートアシスト&横滑り防止装置、スタビライザーが付く。ワゴンRはエアロパーツだ。ムーヴX(120万円)との勝負ならワゴンRが勝るが、安全装備を充実させたX“SA”になるとムーヴが買い得となる。総合的に見ると、軽とは思えない上質さが目立つムーヴの勝ちだ。