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更新日:2018.10.22 / 掲載日:2017.11.30
4代目に進化したフォレスターがついにデビュー その実力を、余すところなく紹介するゾ!!
進化した4代目

こちら先代モデル
【本記事は2012年12月にベストカーに掲載された記事となります。】ワゴンライクなルックスに優れた悪路走破性というキャラクターを与えられた初代フォレスターが登場したのは1997年。その登場から15年目となる今年、フォレスターが4代目に進化した。
ひときわ目を引くフロントフェイス

ちょっとレガシィっぽくなったか?
全体的なフォルムは、よりSUV的なルックスとなった3代目からの正常進化といえるものだが、ひときわ目を引くのが、新型インプレッサにも採用された、ホークアイ(鷹の目)ヘッドランプにヘキサゴングリルの組み合わせから構成されるフロントフェイス。
充分な迫力を感じさせる外観

塊感あふれる強い印象のリアビュー。ターボ車はウィンドウ周りにメッキが配され、上質感を演出
特にターボモデル(上写真)は、まるでシトロエンDS3のようなアグレッシブな造形のフロントバンパーが与えられ、スバル製ターボ車の象徴ともいうべきボンネット上のエアスクープが廃されても、充分な迫力を感じさせる外観となっている。全長×全幅×全高は4595×1795×1695mm。先代比では全長こそ35mm伸ばされているが、全幅は+15mm、全高は+20mmと、いたずらに大きくされていないのが好印象。では、その気になる中身をジックリ見ていこう。
居住性&ユーティリティ

水平基調のアッパーパネルが空間の広がりを演出するインパネまわり。写真はターボ車でアルミパッド付きスポーツペダルが標準装備となっている
■居住性&ユーティリティ居住性は新型フォレスターの自慢のひとつ。先代より25mm延長され2640mmとなったホイールベース、Aピラー下端部を前に出したことで得られた2095mmという室内長(先代比+95mm)、さらに先代比+20mmの1540mmという室内幅。それらにより居住性は大きく向上した。特に後席は、フロア構造の見直しによりセンタートンネルの張り出しが抑えられたほか、フロントシートバックやセンターコンソール形状の変更などにより、足もとスペースは120mmも拡大。居住性が明確に先代を上回っているのがわかる。ラゲッジユーティリティも先代からもちろん進化。開口部寸法を広げ、段差の少ないフラットフロアとしたことで、荷物の積み降ろしは非常に楽。容量自体も先代比+55Lとなる505L(VDA法)と充分な容量を確保している。
メカニズム

搭載エンジンは2種類 NA 最高出力:148ps/6200rpm 最大トルク:20.0kgm/4200rpm
■メカニズム搭載エンジンはFB型の2L NAとFA型の2L直噴ターボ、2種類の水平対向エンジンが用意される。NAは最高出力/最大トルクともに、同じFB型を搭載していた先代と変化はない(148ps/20.0kgm)が、ミッションがリニアトロニックCVTになったほか、アイサイト搭載グレード以外では新開発の6MTも選択できる。この6MT、ワイドレンジを採用することで低燃費に貢献するほか、シフトのリンク機構がロッド式からケーブル式に変更され、さらに操作力低減も図られるなど、マニュアル不遇の時代にあって、多くの工夫が施されているのが好印象だ。
ターボエンジン

搭載エンジンは2種類 ターボ 最高出力:280ps/5700rpm 最大トルク:357kgm/2000~4200
注目のターボは、最高出力/最大トルク=280ps/35.7kgmと、同エンジンを搭載するレガシィ(300ps/40.8kgm)より出力は抑えられたものの、先代フォレスターに設定されていた2Lターボ/2.5Lターボを大きく上回る出力を発生。さらに燃費も向上しているというスグレモノ。今度の4代目フォレスター、大きく差別化された外観といい、胸のすく走りを約束する高出力といい、かなりターボモデルが人気を集めそうな予感が……。
「X-MODE」を搭載

新機構「X-MODE」が高い悪路走破性を実現
また、2.0iを除くリニアトロニック車には、スイッチ一押しでエンジンやミッションを統合制御して悪路走破性を高める新機構、「X-MODE」を搭載するなど、SUVとしての資質も大きく高められている。オンよし、オフよし、居住性よし。もちろん多くのグレードがエコカー減税50%対応と環境性能もよし。今度のフォレスター、かなり魅力的なんです。
さて、気になるその走りは?

先代比+左がNAモデルで右がターボ。フロントフェイスの違い以外に、2.0i-Sアイサイト以外のNAは17インチホイールでターボは18インチ。室内長&前席シートバック形状変更などにより後席の足もとは広々
さて、気になるその走りは?TEXT/竹平素信かなりの走りを予感させる新型フォレスター。その実力を竹平素信氏が鋭くチェック!ライバルを凌駕する走りこそフォレスターの持ち味だったが、新型もこいつにかけては文句なしのできばえ。まずは2L、NA+CVTの走り。4ATからCVTになった威力はさすがに大きく、アクセルをグンと踏み込めばリニアな加速でスピードアップ。レスポンスもよく、先代で感じた非力さはずいぶん解消された。これなら多人数乗車もOKレベル。ハンドリングも大きく進化。試乗前に資料をチェックしてみたらバネ、ダンパーともに大幅に固められており、「やりすぎでないの?」と思いつつ乗ってみればこれがナイス。インプレッサがベースとはいえ、ボディ、シャシーの入念な剛性アップ、サスジオメトリーの変更などでハードサスを見事にマッチングさせているのだ。SUVながら「人馬一体」レベルのハンドリングはさすがフォレスター。注目の直噴2Lターボの走りはパワフルのひと言。先代も文句なしだったが、こいつは本当に豪快だ。ターボ専用のCVTとのマッチングもあって、すさまじいほどの加速性能を発揮する。それゆえアクセルの踏みすぎは要注意だ。アッという間にスピードメーターの針がハネ上がってしまうからな。ハンドリングもターボは一段とレベルが高い。専用のサスチューンでNAよりさらに一体感の増したハンドリングだ。NA、ターボともにワインディングや高速道路の走りは実に楽しい。どちらも先代より確実に(ターボは格段に)速く、かつ一体感に富んだごきげんなハンドリングが味わえる。電動パワステとは思えないリニアなステアリングフィールや、踏力で制動力がコントロールしやすいブレーキもナイスだった。ひとつ気になったのは乗り心地。NAもターボもハッキリいって硬めだが、NAは質感もある硬さでこれは納得できるレベル。が、ターボはバネ下の制振がしっかりできておらず、やや不快に感じる場面も……。まあ、それでもライバルをさらにリードするフォレスターの走りは、充分以上に魅力的なことは間違いないのだが。