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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30
レクサスLS、その走り超絶進化
マイナーチェンジでレクサスLSはどう進化したのか?

標準仕様のグリル
【本記事は2012年9月にベストカーに掲載された記事となります。】今年10月上旬にマイナーチェンジされるレクサスLSが7月30日にロサンゼルスで先行公開された。今回のマイナーチェンジはスピンドルを採用し、レクサスの統一イメージにするだけにとどまらず、約6000箇所の主要構成部品のうち、変更された箇所は実に3000箇所におよぶ。さて、今回のマイナーチェンジでレクサスLSはどう進化したのか? サンフランシスコで行なわれた国際試乗会に参加した木下隆之氏がレポート。GSで強烈に印象つけることに成功したスピンドルグリルは、フラッグシップのLSこそ似合うというのが第一印象。この手の最高級モデルには、強い個性が不可欠だから、大きく口を開けた攻撃的な面構えには、威厳、風格、躍動感が漂っていて、ライバルに対して、迫力負けしない。最高級モデルだからこそ映える。とてもCOOL!ヘッドライトは2連のプロジェクターディスチャージタイプ(ガソリン車でもオプション選択可能)に加えて、3連のLEDタイプはすべてのランプをLED化され、ハイビーム時にカメラで認識した対向車のみ投光を部分的にカットする世界初のアダプティブハイビームシステムが一部の仕様を除いて搭載される。この鋭い眼光やスピンドルグリルはまさに威風堂々の言葉が似合う。
走りはどう変わったか?

リアコンビランプにもLEDが採用されている。現行型比でオーバーハングはフロントが10mm、リアが20mm延びている(写真はFスポーツ)
■走りはどう変わったか?まず、ボディ剛性だが、レーザースクリュー溶接やルーフヘッダーなどに接着剤を使用したことに加え、サスメンバーブレース強化やバックパネル補強などでボディ剛性を大幅に強化され、足回りも設定が変更されている。まずLS460に試乗。驚いたのは、正常進化を確実に成し遂げていること。しかも、すべての機能において正しく進化しているのだ。乗り心地がすごくよくなったのにも驚かされたが、現行型に対して操舵の応答の遅れが低減され、思ったとおりにトレースできるようになった。相反する特性を両立させたのは、ボディ剛性が高まった恩恵だろう。4.6LV8エンジンはファインチューニングがなされ、386ps/50.8kgm(北米仕様)とパワーもすでに充分強力なのに、さらにアクセルに対する反応が鋭くなった。そう、すべての精度が磨かれたのだ。これ見よがしの劇的な変化を求めず、細部を煮詰める手法を選択したのは、レクサスの良心だろう。続いてLS600h。こちらもハイブリッドシステムに大きな手は加わらなかったが、エンジンパワーだけでも強烈である。モーターアシストが加わった後のダッシュ力はケタ外れだ。ちなみにハイブリッドロングにも試乗したが、ホイールベースが延長されたことはボディ剛性確保が困難なはず。だが後席のブルブルした不快感も薄れた。ハンドリングカーとしても魅力的であり、ショーファードリブンとしても最高である。
新たに加わったFスポーツ

LS600h F SPORT
さて、今回のマイナーチェンジで加わったFスポーツ。460にも600hにも設定され、メッシュグリルや専用バンパー、19インチアルミ、6ポッドのブレンボ製フロントブレーキキャリパーや専用スポーツサスなどが装着されている。Fスポーツを走らせた瞬間、狐につままれたような感覚になった。足回りをスポーテイにしているはずなのに、乗り心地が驚くほどよかったのだ。思わずクルマから降りて、乗り心地が悪化することの多い19インチタイヤを履いていることを確認してしまったほどだ。それでいて走りは確かである。電子制御サスの完成度はここまで進んだのかと改めて感心させられた次第。ただし、ここまで仕上げられるのなら、世界にLSの存在感を誇示するためのもっと過激な仕様が期待される!
ベンツSクラス、BMW7シリーズと比べてどうか?

後席の快適性はさらに向上。形状やクッションの変更をはじめ、全面的にやり直したという制振や遮音、乗り心地のよさも相まって後席の快適性は抜群にいい
■ベンツSクラス、BMW7シリーズと比べてどうか?BMW7シリーズやベンツSクラスとの決定的な違いは、その乗り心地のよさにある。骨太であり、スポーティフィールにこだわるライバルは、その代償に乗り味がゴツゴツし荒々しい。レクサスLSは、乗り心地もいいうえに、走りが確かなのだ。欧州ライバル車など、ほかの誰にも似ていないLSならではの個性が込められている。※ ※ ※遠藤徹氏の情報によると、レクサスLSの日本での予約受け付けは7月下旬から開始されており、価格はガソリンのLS460が標準タイプで830万円~、ロング・エグゼクティブパッケージが1300万円、売れ筋のCIが895万円。ハイブリッドの600hは標準が1050万円~、ロング・エグゼクティブパッケージが1550万円、売れ筋のCIは1115万円。従来モデルに比べて30万~40万円アップとなっている。