男だぜ！　トヨタ86RC！

【本記事は2012年5月にベストカーに掲載された記事となります。】トヨタは86が発表後1カ月で約7000台を受注したと発表。トヨタの公式発表はこれのみだが、BCの独自調査では、4月15日現在で1万2000台前後まで伸ばしているもよう。月販目標が1000台だから実に12倍。これは数字のケタは違うが、発表後1カ月で月販目標の12倍を受注したアクアに匹敵。キャラを考えると驚異的。

最長で9月納車になる、といわれる86だが、BC編集部でオーダーした86はめでたく納車。納車されたのは199万円と最廉価モデルのRC。販売比率にすれば1％未満といわれている超希少な86。ほとんどお目にかかれないシロモノなのだ。RCはエアコンなし、バンパーも未塗装の“ショボい86”で一般人は誰も買わない、といわれているが、どうよ、この不気味なまでの迫力、カッコよさ。オレンジのボディカラーと、前後の未塗装バンパーの織りなすコントラストは絶妙で、選んだ（編）カツマタも納得顔！！

86RCは、競技ベースという位置づけのため、いろいろな快適装備が省略されている。前述のエアコンレスのほか、ドアミラー、ドアノブも未塗装のブラック、16インチの黒の鉄チンホイール、マフラーカッターも装着されず。ヘッドライトもハロゲンで、HIDにすることもLEDでギラギラさせることも不可能ときている。この割り切りが男なのだ。同じ競技ベースでもエアコン、ボディ同色バンパーともオプション設定されているBRZとはひと味違う。まぁ、外観についてはカッコいいというBCの主張に賛同してくれる人は多いと思われるが、インテリアを見れば、普通の人なら絶句するだろう。本革巻きではなくウレタンのステアリング、シフトノブは多少のショボさは目をつむれるレベルでまだいいにしても、センターコンソールのオーディオやカーナビを装着する部分、助手席のグローブボックス上にはカバーすら装着されていない。担当など一瞬、盗難車かと思ったもの。こんな新車、これまで日本に存在しなかったのでは？しかもその穴部分には、“危険ですから絶対に手を入れないでください”という警告が。触ると危険な男というわけだ。ちなみに穴が開いているおかげで、ほかのグレードよりもボクサーサウンドがダイレクトに室内に入ってきて心地いい。

このRCがほかのグレードと決定的に違うのは、軽いということ。競技をするにあたりこれは最重要事項で、防音材なども省かれていて、同じ6MT比較で、Gに対し20kg、GT＆GTリミテッドに対し40kg軽量化された1190kgの車重を実現。RCは199万円と安いが、一般の人が足として使うにはハード。ひと筋縄ではいかない男なのだ。でもそれゆえに魅力的。

Powered by ベストカー