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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30

4代目インプレッサスポーツ&インプレッサG4 Debut!! 時代に合わせた正しい進化

4代目となる新型インプレッサ発表

【本記事は2012年1月にベストカーに掲載された記事となります。】ハイパワーモデルであるWRXを用意&WRCに参加することでイメージを高めたこともあり、クルマ好きにとって、無視できない重要な車種となったインプレッサ。’07年登場の3代目も、やはりWRCを念頭に置き、308psの最高出力を誇るWRX STIがトップグレードとして設定されていたが、スバルが’08年にWRCからの撤退を表明したことで、インプレッサに求められるキャラクターも次第に変わっていった。そんな求められるものが変化していく状況のなか、11月30日に発表されたのが4代目となる新型インプレッサ。その新しい魅力をチェックしていきたい。

求めたのはスタイル&軽快な走り&環境性能

5ドアは「SPORT」:5ドアのスタイルは先代よりワゴンに近づいた感じ。認証上の車型もワゴンになっている。欧州市場を意識したという5ドアはリアから見た際にマフラー出口が見えない

5ドアは「SPORT」:5ドアのスタイルは先代よりワゴンに近づいた感じ。認証上の車型もワゴンになっている。欧州市場を意識したという5ドアはリアから見た際にマフラー出口が見えない

求めたのはスタイル&軽快な走り&環境性能新型インプレッサは4ドアセダンと5ドアの2種類のボディ形状を持つ。5ドアはハッチバックとワゴンの中間のようなスタイルとなっており、認証上の車型はワゴン。使い勝手的にもワゴンに近く、このあたりは2代目以前に戻った感じだ。名称は5ドアが「スポーツ」、セダンが「G4」となる。全長×全幅×全高は4415×1740×1465mm(5ドア)。これは全長と全幅は先代と同一で、全高のみ10mm低いという数値なのだが、実際に見ると完全にクラスが1つ上がったかのような印象を受ける。

先代レガシィの2Lクラスのポジションまでカバーする

セダンは「G4」:対して北米市場で人気のあるセダンではマフラー出口が視認できる。志向性の違いだろう。先代レガシィに似たスタイルということもあり、外観的にも1クラス上がった印象を受ける

セダンは「G4」:対して北米市場で人気のあるセダンではマフラー出口が視認できる。志向性の違いだろう。先代レガシィに似たスタイルということもあり、外観的にも1クラス上がった印象を受ける

先代レガシィに似たグリルが与えられていることもあるのだろうが、実際、スバルが想定する新型インプレッサのポジショニングもそれを狙っており、レガシィがエンジンの2.5L化とサイズアップで、より上級へ移行。さらにコンパクトとしてトレジアが加わったことで、インプレッサには先代レガシィの2Lクラスのポジションまでカバーすることが求められたのだ。

1.5Lから1.6Lエンジンに

搭載エンジンは1.6Lと2Lの2種類 FB16 1599cc 115ps/5600rpm 15.1kgm/4000rpm FB20 1955cc 150ps/6200rpm 20.0kgm/4200rpm

搭載エンジンは1.6Lと2Lの2種類 FB16 1599cc 115ps/5600rpm 15.1kgm/4000rpm FB20 1955cc 150ps/6200rpm 20.0kgm/4200rpm

エンジンは1.6Lと2L、2種類の水平対向エンジン。先代まで設定されていた1.5Lのかわりに1.6Lエンジンとなったのがトピックだが、2Lエンジンも従来のEJ型から新世代のFB型へ変更されている。1.5Lから1.6Lになったことは税制上不利になるが、環境性能はいずれも大幅に向上。従来型に比べエンジン単体で約10%の燃費向上を果たしているほか、ミッションのCVT化&アイドリングストップ(1.6i除く)などで、車両トータルでは1.6Lモデル(18.8km/L。10・15モード。FF)が1.5Lモデル(15.6km/L。10・15モード。FF/4AT)比で約20%、2Lモデル(17.0km/L。10・15モード。4WD)が約27%アップと大幅に燃費が向上している(先代は14.0km/L)。環境性能の向上が新型の大きな特徴であることは間違いないが、新型は先代までの軽快な走りについても向上させているというから嬉しい。1.6Lエンジンが115ps/15.1kgmと先代比で+5ps/0.4kgmアップ。2Lエンジンも150ps/20.0kgmで先代比+10ps/1.0kgmの出力向上を果たしている。このエンジン出力の向上に加え、新世代リニアトロニックCVTの組み合わせにより、0~100km/h加速は、1.6Lモデルが12.2秒(1.5Lは14.6秒)、2Lモデルが10.7秒(従来モデルは11.6秒)とアップ。環境性能だけにとどまらない、実にスバルらしい進化を遂げた。 そのほか主要部品が新設計されたサスペンションや、パネル&フレームなどの剛性が高められたことにより、ステアリング操作に対するレスポンスの向上と快適な乗り心地を実現している点も見逃せない。地球に優しく、ドライバーに嬉しい。それが新型インプレッサに与えられたキャラクターなのだ。

広い室内空間と優れたユーティリティが自慢!

5ドア「スポーツ」のシート。フロントはバックレスト上端が60mm延長されたというだけあって、写真で見ても大きく見える

5ドア「スポーツ」のシート。フロントはバックレスト上端が60mm延長されたというだけあって、写真で見ても大きく見える

広い室内空間と優れたユーティリティが自慢!先にも書いたが新型インプレッサのボディサイズは、全高を除き5ドア/セダンとも先代と同一。にもかかわらず座った際の室内空間は明らかに先代より広く感じられる。これは25mm延長されたホイールベースによるところもあるのだが、Aピラーの付け根を200mm前方へ移動させたこと+広がり感を生む水平基調のインパネの組み合わせによる開放感の向上、さらにドアが内部構造の進化で薄型化が可能になり、室内幅も15mm広くなったことなどに理由が見つけられる。従来型よりバックレスト上端が60mm高くされ、形状を工夫することでサポート性が向上したフロントシートも白眉のデキだが、延長されたホイールベースぶんがそのまま足下空間の拡大に充てられたリアシートの快適性にも注目。75度の開度が確保され、サイドシルの引き下げや、Bピラー下部の形状をつま先と干渉しないようそぎ落とすなどの工夫により、乗降性も向上している。

質感の高いインテリア

質感の素材を上手く配置していることと、手が触れる部分をソフトインテリアとしていることで、上質な印象に

質感の素材を上手く配置していることと、手が触れる部分をソフトインテリアとしていることで、上質な印象に

内装に使われるレザー、メタル、ファブリックは、それぞれの質感の味わいを最大限引き出すべく考慮され、さらに乗員が触れる場所はソフトインテリアで質感も高い。これならば先代レガシィオーナーからも不満は出ないだろう。

大幅に使い勝手が向上したラゲッジエリア

5ドア(スポーツ)のラゲッジ。9インチのゴルフバッグが3つ横積み可能。使えるラゲッジだ

5ドア(スポーツ)のラゲッジ。9インチのゴルフバッグが3つ横積み可能。使えるラゲッジだ

ラゲッジエリアも大幅に使い勝手が向上された部分。容量はセダンが先代+40Lの460L、5ドアで先代+79Lの380L(VDA方式)が確保されており、9インチのゴルフバッグなら5ドアで3つ、セダンなら4つ横置きが可能だ。また5ドアのリアゲートは内部構造を合理化することで軽量化。開閉時の操作力を約30%低減し、女性でも楽に操作できるようにしているという。総じてユーティリティは非常に考えられている印象だ。そのほかVDC(車両姿勢制御装置)やブレーキオーバーライド機能の全車標準装備、さらにぶつからない技術「EyeSightバージョン2」装備グレードも用意されるなど、クラストップレベルの高い安全性も誇る新型インプレッサ。ぜひ12月20日の発売時にはディーラーにハンコを持って行っていただきたい。

意外と特殊なクルマなれど、やはりライバルはいる インプレッサ、ガチンコ対決

アクセラスポーツ。スカイアクティブが強力な武器。全幅で3ナンバーなど、性格も似る

アクセラスポーツ。スカイアクティブが強力な武器。全幅で3ナンバーなど、性格も似る

意外と特殊なクルマなれど、やはりライバルはいる インプレッサ、ガチンコ対決ライバルの筆頭はアクセラスポーツ。主力はスカイアクティブG搭載車だから、インプレッサも2Lを選ぶ。2.0iの2WD仕様は、アクセラ20Cスカイアクティブと同等の装備を持ち、価格は約4万円安い185万8500円。が、アクセラの10・15モード燃費は20km/L。インプレッサはアイドリングストップ付きでも18.2km/Lだから少々物足りない。となればインプレッサの強みはアイサイト。レガシィと同様、ベースグレードに対して10万5000円の価格アップですむ。注意したいのはアイサイトの設定が23万1000円高い4WDのみになること。合計すれば33万6000円の価格上昇となる。そこを考慮する必要があるだろう。アイサイトは今後、2WDや1.6Lにも展開するので、そちらに期待か。1.6Lはどうか。インプレッサ1.6i-Lの2WDは171万1500円で、アイドリングストップにより20km/Lの10・15モード燃費。対するアクセラ15Sは179万円だが、アイドリングストップが付かず18.4km/L。インプレッサは燃費では有利だが、リアスタビライザーを省いて安定性が下がる。勝負は引き分けだ。なお、インプレッサの2Lと1.6Lを比べると、2Lがだんぜん買い得。2.0iは1.6i-Lに対して14万7000円の価格アップだが、16万円相当の装備が加わる。400ccの排気量が無料で増える計算だ。

オーリス1.5L

オーリスも全幅で3ナンバーとなる車種。20km/Lという燃費は優秀だが、装備でインプに劣る

オーリスも全幅で3ナンバーとなる車種。20km/Lという燃費は優秀だが、装備でインプに劣る

もう1台のガチンコライバル、オーリスは1.5Lが割安。アイドリングストップは付かないが、10・15モード燃費は20km/Lと優秀だ。150Xはインプレッサ1.6i-Lより約9万円安いが、横滑り防止装置、アルミホイール、エアコンのフルオート機能などが非装備。装備を換算すれば、約6万円はインプレッサが安いと考えていい。

超人気車、リウスと比較

すべての国産車のライバル、プリウス。走りの気持ちよさに重きを置くなら、インプが非常に有利

すべての国産車のライバル、プリウス。走りの気持ちよさに重きを置くなら、インプが非常に有利

最後に超人気車、プリウスと比べる。売れ筋のSは232万円で、インプレッサ2.0i-Sアイサイトに近い。プリウスもアイサイトに似た機能を14万7000円で用意するが、上級のGのみの設定で約270万円になる。装備と価格を競えばインプレッサの勝ちだが、プリウスの10・15モード燃費は35.5km/Lと抜群。この優位点はなかなか強力だ。ただし年間走行距離が7000km程度だと、ガソリン代の年額の違いは約3万円。走行距離次第でインプレッサの価値も強まる。

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グーネットマガジン編集部

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