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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.05

速さの“こだわり“徹底解剖 史上最速のタイプR debut シビックタイプRはホンダDNAの集大成

ボディサイズは全長4540mm、全幅1770mm、全高1430mm、ホイールベースは2700mmとなる。フロントバンパー形状、グリルなどが専用タイプとなる

ボディサイズは全長4540mm、全幅1770mm、全高1430mm、ホイールベースは2700mmとなる。フロントバンパー形状、グリルなどが専用タイプとなる

【本記事は2007年5月にベストカーに掲載された記事となります。】シビックタイプRが3月29日デビューした。「走り」を第一義に考えたクルマが激減(いや、日本国内では壊滅といってもいい)する今の時代、あえて「走り自慢」を前面に押し出したタイプRを市販車のラインアップに送り込んできたホンダの英断に、まずは敬意を表したい。シビックタイプRは、1993年に登場したNSXタイプR、そして続いて’95年にデビューした初代インテグラタイプR以来、連綿と受け継がれてきた「タイプRの方程式」を当てはめ、さらに現代流に進化した、生粋のタイプRと呼べるクルマ。昨年6月、インテグラタイプRが国内での販売を終了し、空席となっていたタイプRの座に返り咲いた、期待のニューモデルといってよかろう。登場したシビックタイプRは日本国内で販売される4ドアセダンのシビックがベースとなっている。欧州で販売される3ドアや5ドア、北米で販売されている2ドアクーペではなく、あえて4ドアボディでタイプRを開発したところがポイントとなってくる。初代インテRには4ドアボディが存在していたが、4ドアでタイプRを名乗るのはこの初代インテRと今回のシビックタイプRのみとなる。4ドアボディでタイプRのパフォーマンスを味わえるのは、今の時代、非常にうれしいことだと思う。2ドアクーペや3ドアハッチバックでは、“欲しくても手を出せない”という人が少なくないからだ。搭載されるエンジンは旧型シビックタイプR、2代目インテグラタイプRにも搭載されていた2L直列4気筒i-VTEC、K20A型。もちろん、最新のタイプRを名乗るからには、それ相応の改良が実施されており、最高出力は225馬力、最大トルクは21.9kgmにまで高められている。シビックタイプRの使命は史上最強のタイプRだ。

POWER UNIT 225ps、21.9kgm2LVTECはさらにパフォーマンスアップ!! シビックタイプR用にチューニングされたK20AエンジンタイプRのキャラクターを決定づける存在とも言えるのがエンジン。シビックタイプRには2代目インテグラタイプR、そして旧型シビックタイプRにも搭載されていた直列4気筒i-VTEC、K20A型エンジンが搭載されている。最高出力225ps/8000rpm、最大トルク21.9kgm/6100rpm。昨年6月に生産を終了したインテRのK20Aと比べて5馬力、0.9kgmスペックはアップしている。しかも、インテRでは7000回転だった最大トルク発生回転は6100回転に低められている。より低中速からトルクが盛り上がる特性にチューニングされていることが読み取れる。もともと充分すぎるパフォーマンスを発揮していたエンジンをさらにレベルアップさせるために、実に細かい部分にまで手を入れている。・スロットルボディ62mm→64mmへの大径化、ドライブバイワイヤー化・単管等長ショートインテークマニホールド形状ストレート化・NSX製法ヘッドポートの採用(鋳型に樹脂コーティングを施し、ポートの表面をなめらかに仕上げる。高回転時の流体抵抗を低減)・11.5→11.7へ高圧縮化(ウォータージャケット縦流し化により冷却性能が向上し、高圧縮化を実現)・エキマニ集合部鋭角化により排気抵抗低減・完全デュアルエキゾーストパイプ形状ストレート化により排気抵抗低減・可変バルブ付きサイレンサー採用により排気抵抗低減これらが改良ポイント。派手な変更点はないが、吸排気抵抗を徹底的に低減することで、エンジンのポテンシャルをフルに引き出す努力がはかられている。同時に6速トランスミッションも1~3速をオーバーオールで約4%ローギアード化、4~6速をオーバーオールで約1%ハイギアード化するギア比の見直しがはかられ、低速ギアでは加速力を重視し、高速ギアでは速度の伸びを重視しつつ、エンジンのパフォーマンスを最大限に引き出すことができるようになっている。

BODY&SUSPENSION 軽量&高剛性を両立 ツクバLAP1秒を削るための努力

タイプRの伝統を守りつつさらに進化したコックピット

タイプRの伝統を守りつつさらに進化したコックピット

シビックタイプRの開発命題は「サーキットでより速く」という明確なもの。今の時代、なんとも男気あふれる開発コンセプトだが、その命題の実現のために、本当に細部にまで徹底的にこだわったチューニングが施されているのには頭が下がる思い。先に説明したエンジンのパフォーマンスアップも、命題に対する回答のひとつだが、同時にコーナリングパフォーマンスの向上も命題に対する回答の大きなウェイトを占めている。まずはボディ。新型シビックのボディはもともと剛性が高く、最小限の補強で高いボディ剛性を確保することができたのだという。旧来のインテRやシビックRがそうしてきたような、タワーバーなどの追加は必要とせず、各部取り付け部の板圧アップなどの補強で充分な剛性が確保できたという。これにより、ホワイトボディでの重量アップは標準車に対してわずか1.8kgにとどまっている。これはお見事。これでインテRよりも50%もボディ剛性が高められているという。サスペンションももちろんタイプR専用チューン。狙いは「コーナリングスピードの向上と、優れた安定感と一体感を実現するコントロールクォリティの向上」。18インチタイヤ(BSとの共同開発の専用品)を装着することが可能となったのは、剛性の高いボディと性能アップされたサスペンションがあればこそ、だったのだ。サスペンションチューニングの方向性は「主にリアでロール剛性を高め限界を向上させながら、フロントは相対的に柔軟にする」。フロント外輪に充分な荷重をかけ、高いコーナリングフォースを引き出し、限界を高めアンダーステアを抑え込むステア特性を引き出しているという。また、ダンパーチューニングの最適化で内輪のリフトアップを抑制し、より高いコーナリングパフォーマンスを実現しているのだ。筑波サーキットの各コーナー通過速度がインテRに対して高められたというテスト結果もある。例えば最終コーナーの最低車速はインテRよりも9km/h高まっている。これらにより、コーナリング速度は旧型シビックRやインテRよりも高めることができ、例えば筑波サーキットでは最終型インテRを約1.7秒程度上回ることができたという。ブレーキはこれまでインテRに採用されてきたブレンボ製4ポットキャリパーシステムをフロントに採用する。

INTERIOR タイプRの伝統を守りつつさらに進化したコックピット

主要諸元

主要諸元

インテリアにもタイプRの方程式が当てはめられている。が、そのいっぽうで従来のタイプRとは明確に異なる「進化」も感じられる。例えばシート。これまですべての「タイプR」はレカロ製リクライニングバケットシートを採用してきたが、今回のシビックタイプRではレカロではなく、ホンダが独自に開発した専用リクライニングバケットシートが採用されている。「より理想的なシートを求めた結果」と開発陣は言うが、なるほど、レカロシートとはひと味違う“包まれ感”を感じるシートに仕上がっている。徹底した走り込みのなかで仕上げていったシートで、ドライバーの身体を面で包み込むように支える形状を作り上げている。また、ステアリングもMOMOではなくホンダオリジナルの小径3本スポーク本革巻きステアリングを採用するのもポイント。メーターはシビックならではの2段階構造(マルチプレックスメーターと呼ばれる)を生かしたレイアウトで、ドライバー正面、ステアリングホイール奥にはレッド照明に輝くタコメーターが鎮座。またシフトタイミングをドライバーに伝えるレブインジケーターも備えられ、レーシーなインパネとなっている。速度計は2段インパネの上段にデジタル表示で配置。さてさて、とにかく走りにこだわって作り上げられたシビックタイプR。お値段は283万5000円ということで、最終型インテRの10万5000円アップとお買い得。ホンダスポーツDNAをとことん味わいたいなら、決して高くはない!!

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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