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更新日:2019.01.06 / 掲載日:2017.12.01

GRMNスポーツハイブリッドコンセプトII聖地ニュルに現る!!

GRMNスポーツハイブリッドコンセプトII登場

発売されるとしたら限定100台、今冬に350万円程度か!?

発売されるとしたら限定100台、今冬に350万円程度か!?

【本記事は2011年8月にベストカーに掲載された記事となります。】ドイツ北西部ラインラント=プファルツ州、ケルンから南に約60km離れたニュルブルクに、クルマ好きにとっての聖地がある。ニュルブルクリンク。ドイツが世界に誇るサーキットだ。世界一過酷なサーキットとして知られ、多くの自動車メーカーが最終セッティングのテストコースやタイムトライアルに挑んでいる。そして6月24~26日、ここで世界三大耐久レースのひとつ、ニュルブルクリンク24時間レースが開催された。それに先立ち6月23日、同レースサーキット会場に、1台のコンセプトカーが出展されたのだ。それこそが、本ページで紹介するGRMNスポーツハイブリッドコンセプトIIである。

この時に、この場所でこその意味がある

今回出展されたスポーツハイブリッドコンセプトIIも、ベースはMR-S。

今回出展されたスポーツハイブリッドコンセプトIIも、ベースはMR-S。

◆この時に、この場所でこその意味があるこのクルマが発表された6月23日、そのちょうど1年前、まさにニュルブルクリンク郊外にて、トヨタのトップガン成瀬弘氏は事故により永眠した。生前、このMR-Sベースのハイブリッドカーに関して「思いきり楽しめる初めてのハイブリッドカーになる」、(開発一時凍結となった時に)「最も惜しいクルマ」と繰り返し言及し、こだわりを見せていた成瀬氏。ニュルという場所で6月23日にこのクルマを発表したということは、GAZOOレーシングのスタッフが成瀬氏の墓前に花を添えつつ、「ここまできました」という報告の意味合いが強いのだと本企画担当は推察する。

ここまで紆余曲折があった

こちらは2年半前に登場した初代GRMNスポーツハイブリッドコンセプト 初期型のスポーツハイブリッドコンセプトは’10年1月、東京オートサロンに出展された。本誌が試乗したのは昨年夏。

こちらは2年半前に登場した初代GRMNスポーツハイブリッドコンセプト 初期型のスポーツハイブリッドコンセプトは’10年1月、東京オートサロンに出展された。本誌が試乗したのは昨年夏。

◆ここまで紆余曲折があったもともとこのGRMNスポーツハイブリッドコンセプトIIの原型は、’05年までさかのぼる。そもそもトヨタがMR-Sにハイブリッドシステムを搭載してニュルでテスト走行を繰り返していたのは’05年冬。プレス幹部を集めてサーキット試乗会も敢行された。しかし前述のように、いったん開発は凍結される。もう一度プロジェクトが動き出したのは豊田章男氏がGAZOOのプロジェクトに深く関わりだした’09年から。走りの楽しさを追求する「GRMN/GAZOO Racing tuned by MN(マイスター・オブ・ニュルブルクリンク)の略」ブランドを立ち上げ、’10年1月の東京オートサロンで3台のオリジナルコンセプトカーを出品した。そのうちの1台が、このスポーツハイブリッドコンセプトの初期型であったのだ。本誌はその開発動向を追い続け、今年1月の東京オートサロンに進化形が出品されることをキャッチ。「ベース車両はMR-SからIS Cに変更になった」という情報も掴んだが、しかしオートサロン直前になって出品は見送り。「まだ完成度が低い」というのがその理由であった。

「成瀬イズム」が詰まったクルマ

それから半年、GRMNの開発総指揮を担っていた成瀬弘氏の一周忌、再びMR-Sベースに戻ってスポーツハイブリッドコンセプトIIが出展されたのだ。トヨタ関係者の各方面に取材をしてみたが、今回出展されたこのクルマ、残念ながらまだ市販の段階にはないという。それどころか「成瀬さんへのオマージュであり、ノスタルジー。市販化は(IS Cベースの構想に移った段階より)遠のいた」と語るトヨタ幹部もいる。しかし「まだまだ開発は続いている。反響次第では市販ももちろんある」と語る関係者もいる。少なくとも昨年出展された初期型のスポーツハイブリッドコンセプトと比べると、圧倒的に完成度は高い。初期型を試乗した竹平素信氏はそのパフォーマンスを「圧倒的に楽しい!」と評した。わずか1tのボディにシステム出力272psのハイブリッド4WD機構が搭載されるのだから、楽しいのは当然である。それが今回、さらに進化して3.5Lエンジンを搭載(初期型は3.3Lだった)。システム出力は299psにまで向上しているのだ。「成瀬イズム」が詰まったこのクルマを、単なるオマージュで終わらせてはならない。今後登場するであろうGRMNブランド車のフラッグシップカー、アイコン的存在となるべく、ぜひとも市販化を願う。このクルマの開発状況は重ねてご報告する。

進化したスタイルは?

初期型からの最大の変更点がフロントマスクとリアフォルムの変更。チャレンジングなスタイルで、まるで欧州のライトウェイトスポーツカーを彷彿とさせる。

初期型からの最大の変更点がフロントマスクとリアフォルムの変更。チャレンジングなスタイルで、まるで欧州のライトウェイトスポーツカーを彷彿とさせる。

◆進化したスタイルは?初期型と比べてグッと現実味を増したスポーツハイブリッドコンセプトII。緊急読者&編集部員アンケートを実施したところ(有効回答数106票)、以下のような結果となった。・カッコいい 87.7 %・カッコよくない 12.3%・ほしい 67.9%・ほしくない 32.1%「初期型よりかなりよくなった。プロポーションなどしっかりしている。けれど細かい部分、フロントライトの周辺やグリルなどはもうちょっとバランスよく作ればもっとカッコよくなる」(本誌スクープ班)「トヨタっぽくないデザインで好印象。かつてMR-Sにはカセルタという特別仕様があったけれど、ああいった外部チューナーの手が入った雰囲気。あとスポールスピダーにも似ている」(本誌担当部長イチハラ)などなど、ほとんどが好意的意見で、さらにその大部分が「トヨタっぽくない(だからいい)」という意見で占められているのが(皮肉な話だが)特徴的。ボディサイズも手頃。その顔はニューヨークショーで発表されたGS後継車の手法でデザインされている。リアは最近のトヨタ車としては新鮮で大胆。市販はまちがいないだろう。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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