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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.01
2011年、軽自動車界の主役に躍り出る! 新型ムーヴデビュー
王座奪還!

こちらは旧型
【本記事は2011年1月にベストカーに掲載された記事となります。】もう後塵を拝するのは勘弁願いたい。ライバルのワゴンRに対するムーヴの声、ここ数年はこんな感じではなかろうか。’06~’07年にかけては月販1万6000台ほどだったムーヴは1万4000台ほどのワゴンRを凌いでいたが、その後立場が逆転(タントのヒットもあるのでしょうが……)。直近の11月販売でも1位タント1万3217台、2位ワゴンR1万2881台、3位7631台と、ワゴンRには及ばない。その現状を打破し、「王座奪還!」とばかりに登場したのが5代目ムーヴだ。上位3車種もそうだが、今や軽自動車販売数の約76%が室内を広くとったスペース系軽自動車。発表会の場で「’11年3月までに5万台の受注を目指す。かつてない大試乗会もやります」と神尾克幸副社長が宣言するほどの自信作だ。
アイドルストップがカギ

評判のKFエンジンがさらに進化して「第2世代KFエンジン」に。エネルギー効率を徹底追求し、電動オイルポンプを廃止したCVTとの組み合わせ、新システムの「エコアイドル」の搭載により27.0km/Lの燃費を実現
ユーザーの燃費意識がいっそう高くなっている昨今。軽やコンパクト市場では、アイドリングストップ搭載車がもはや当たり前のようになり、’11年は低燃費競争が激化の様相。そんななか、ガソリン車トップの低燃費、27.0km/Lと(10・15モード)を達成したのが新型ムーヴ。これは放っておけない。27.0km/Lの実現は、現在のダイハツ車に幅広く搭載されるKFエンジンの燃費性能をさらに進化させた「第2世代KFエンジン」の採用がキモになっている。端的にいうと“燃焼効率”の徹底追求が従来と大きく異なる点。燃焼室内のイオンで燃焼状態を検出する「i-EGRシステム」や、エンジンとCVTとの協調によりいろんな運転状況に応じて一番効率のいい状態に制御する「樹脂製電子スロットルボディ」の採用など、燃費向上のために惜しみなく最新の技術をつぎ込んでいるのだ。それに加え、新アイドリングストップシステムの「エコアイドル」を採用したもんだから、鬼に金棒だ。このエコアイドル、’06年に軽初のCVTとの組み合わせを実現したタイプの進化型で、徹底して軽量&コンパクト化を実現したもの。エンジン停止中の電力消費を抑えながらも、CVTの電動オイルポンプを廃止して発進性を確保するなど、工夫が施されている。これらエンジンとエコアイドルの強力タッグで、驚きの27.0km/Lが達成できたわけだ(ちなみに旧型ムーヴは22.0km/L)。また、旧型比較で30kgボディを軽量化するなど低燃費のために徹底して取り組んでいる。
乗って驚きの静粛性

豊富なポケットが嬉しい 車内には全11カ所もポケットがあり、加えてショッピングフックが2つ。また、バニティミラーにはチケットホルダーがあり、とっても便利
コンパクトカーと見間違うほど、その佇まいに存在感があるワンモーションフォルムのエクステリア。特に男前に仕上がったグリル&ヘッドランプのムーヴカスタムは印象深いスタイルだ。旧型より室内高がわずか30mm低くなったものの、大人5人乗ってもくつろげるムーヴ自慢の“居住空間DNA”はしっかり受け継がれている。広さ以上に、新型ムーヴで驚くのは静粛性だ。エンジン、CVT制御の改良で加速時のエンジン回転を抑えたことと、新形状のダッシュパネルなどによるボディ発音量の低減により、「軽はノイズが気になる」ことを払拭。高速道での会話も弾むに違いない。この静粛性はまさにコンパクトカー並みといっていい。すっきり広々としたインパネまわりには、なんと7つの収納スペースがあり、今回から新たに助手席側のインパネアッパーボックスが加わった。使い勝手のよさといえばラゲッジスペース。リアシート裏にスライドレバーを新設し、ラゲッジ側からリアシートをラクラクとスライドできる(最大240mm)。さらに「深底ラゲッジアンダーボックス」もウリのひとつだ。
さて、ワゴンRと価格面ではどうだろうか?

ムーヴXリミテッド:このスタイリッシュさにコンパクトカーもタジタジ ムーヴの特徴、“ビッグキャビン&コンパクトノーズ”が際立ったワンモーションフォルム(写真はXリミテッド)
気になる価格。ライバル、ワゴンRと比べて買い得感はどうか。渡辺陽一郎氏にきいてみた。「スペース系軽自動車の売れ筋価格帯を見ると、ムーヴは標準ボディのX(122万円)が買い得。Lにアイドリングストップ、プッシュボタンスタート、アルミホイールなどを加えて10万円の価格上昇だ。アイドリングストップをセレナと同じ4万円に換算し、約16万円の装備が加わることを考えれば、Lより6万円も安いことになる。

ワゴンRの同等グレードはFXリミテッド(121万2750円)。FXにエアロパーツ、アルミホイールなどを加え価格上昇は11万250円。26万円相当の装備を加え、15万円も得に。両車の価格は同等で、ムーヴにはアイドリングストップ、ワゴンRにはエアロパーツ、チルトステアリングなどが付く。それらを考慮するとワゴンRが8万円ほど割安だが、ムーヴは今後、先代X・VSIIIのような仕様を設けるので、買い得感ならひけをとらないと思う」ムーヴ、価格面でも満足できるクルマといえそうだ!