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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.02

アウトドア派代表元フェネック本郷が斬る! RVRは使えるSUVか?

【本記事は2010年4月にベストカーに掲載された記事となります。】十数年ぶりにベストカー編集部に戻ってきました本郷です。以前はアウトドア誌・フェネックに在籍し、ベストカーのみんなよりは、スキーや山登りといったアウトドア経験が多いのが手前味噌ながら自己プロフィール。実はフェネックでは初代、2代目とRVRスポーツギアを編集部の取材車として使っていたことがあり、本郷も北は白神山地、南は阿蘇まで、取材に出かけたことを想い出す。

新型RVRでテストドライブ

なにかと話題の茨城空港に到着

なにかと話題の茨城空港に到着

RVRスポーツギアが登場した’92年当時、SUVという言葉はまだ定着しておらず、一般にオフロード4WDは「クロカン」と呼ばれていた時代だった。RVRスポーツギアはシャリオをベースとし、210mmの最低地上高をもち、フルタイム4WD+4ATを採用した画期的なモデルだった。その頃フェネック編集部には女性スタッフもいたが、それまではカメラマンに運転してもらい取材に出かけていたのが、初めてひとりで、それも湯沢のスキー場取材に出かけたことを、今でもはっきりと覚えている。そんな感慨を胸に話題の「茨城空港」を見てやろうと新型RVRでテストドライブに出かけた。

逞しいフォルムはまるでラガーマン

X-トレイルに匹敵

X-トレイルに匹敵

もっとアウトランダーに近い車格かと思っていたが、実際に目にするRVRはずっと小さくがっしりとしている。たとえるならば、ラグビーのスクラムハーフ。ラガーマンとしては小柄だが、強靱な足腰をもち、相手のフォワード連中を一発のタックルで仕留める、そんな感じを思わせる。茨城空港へは都心からだと常磐道の千代田石岡ICから約17km、25分という距離。文京区にある編集部からは首都高の東池袋ランプから環状線に入り、首都高6号線から常磐道というルートになる。さて、テスト。首都高のETCレーンから本線合流はどのランプであっても少し緊張させられるもの。短い距離で逞しいフォルムはまるでラガーマンスピードを乗せ、本線に入っていかなければならないからだ。1.8LのRVRだとけっこう踏み込まなきゃと思っていたが、バーが上がってからの加速はとてもいい。RVRは4WDでも1420kgに車重を抑えているうえに、2500回転で150Nmつまり15.3kgm(最大トルクの87%)を発生させている。低速トルクがあって、立ち上がり加速がいいことがわかる。さらに0~100km/h加速は13.8秒(4WD)と2Lのデュアリスが13.6秒だから、ほぼ変わらない数字だ。継ぎ目の多い首都高の路面をしなやかな乗り心地で走っていく。静粛性もいい。アウトランダーやデュアリス、X-トレイルなどSUVのオンロードでの乗り心地は相当なレベルにあると思うが、そのなかでもRVRは小さいということもあって出しゃばりすぎないくらいのスポーティな乗り味をみせてくれる。首都高での何気ない車線変更の際にも充分に感じられる。

信頼感あり

信頼感あり

快適なクルージングで千代田石岡ICに到着。空港へのアクセスは道路が整備され迷うことはない。空港にしては小さくむしろ質素な印象だが、地元の期待は大きく、ハングル語で書かれた歓迎の幟が何本も立っていた。また目の前に1300台の無料駐車場があるのはうれしいところ。いろいろ批判があるが、建設に関してはお金をかけずにがんばったなという印象だ。なお近くに「おかめ納豆」で有名なタカノフーズがあり、併設される納豆博物館は納豆の歴史や各地の食べ方などを学べるユニークな施設だからお立ち寄りを。

ASCが標準装備頼れる4WD

信頼感あり

信頼感あり

帰路は霞ヶ浦を見ながら水郷・佐原を目指す。途中でダートを見つけ4WD性能を試す。RVRの4WDは電子制御式で、走行中でも2WDと4WDの切り替えができることが魅力だ。オフロードや雪道以外でも、たとえば高速道路で風が強いなあと思えばダイヤルひとつで4WDにできるから安心だ。ドライ路面でも80km/h走行時にリアにも15%のトルクがかかり、そのリアにはエンジンブレーキの制御が入っているため、雪の下りでも安定感があるはずだ。ダートで発進や加速を試してみたが、2WDとの安定感の違いは歴然。4WDはASC(アクティブスタビリティコントロール)とヒルスタートアシストが標準で装着されるから買い得感は高い。滑りやすい線路の横断でアクセルを踏んだ時にもクルマの制御がしっかりと効いていた。

江戸時代に利根川の水運で栄えた香取市佐原は古い町並みが残り、舟めぐりも有名。狭い道が続くが、ボディ幅こそ1770mmあるが見切りのいいRVRはこういったところでも運転が楽。ボディが小さいからきっちりと幅寄せもでき、縦列駐車もスイスイだ。山登りの林道や釣りの湖畔、河原での駐車などアウトドアを楽しむ時にクルマがコンパクトなことは重要だ。とはいえ佐原の町を散策するなら、自転車がオススメ。今回はお気に入りのミニベロをラゲッジに積んできた。前輪こそ外さなければならないが、自転車を積んでも3人乗って出かけられるのは実用的だ。その際のリアシートの居住性も不足はない。むしろ室内幅があるため、1.8Lのモデルにしては広い、となる。またラゲッジ下に26Lのカーゴスペースがあり、ペダルやグローブが収納できて便利だった。舟めぐりの船頭さんに「かっこいい新車だね」とほめられ、記念撮影して佐原をあとにする。なお3月27日に道の駅・水の郷さわらがオープンし、佐原の大祭で有名な山車も出るそうだ。

帰りは東関東道から都内をめざす。途中寄ったPAでカイエンに遭遇。並べてみたが、存在感は引けをとらない感じ。ワイド&ローでバランスがいいからだろう。気になる経済性は394.8km走って32.83Lということで、平均燃費は12.05km/L。高速道路以外では渋滞にもつかまり、ストップ&ゴーを繰り返す、立ち寄りドライブだったことを考えると秀逸な数字だろう。なぜ1.8Lなのか疑問をもちながら走り始めたが、ムリのないクラスに満足できる性能と燃費に納得。4WDのEグレード199万5000円はアウトドア派のベストチョイスでしょう。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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