中古車購入
更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.02
1km走行=2円!! 一般市販は2年後と表明!! 2011年秋か!?プリウスPHV
プラグインハイブリッドとはなんぞや!?

エクステリアは基本的にプリウスと同じなのだが、リアハッチゲートのガーニッシュ部にシルバーのアクセントが入る。
【本記事は2010年1月にベストカーに掲載された記事となります。】最近なにかと話題にのぼるキーワードとなっているが、正確に意味を答えられる人は意外と少ないのではなかろうか!? ものすごく簡単にいってしまうと、トヨタのいうプラグインハイブリッドとは、「短距離は電気自動車として使え、ロングドライブではハイブリッドカーとして使えるクルマ」ということになる。つまり、ハイブリッドカーのモーター依存度をものすごく大きくしたクルマ、といってもいい。
PHV燃費は驚異の57.0km /Lで1Lあたり2円
プリウスプラグインハイブリッド(PHV)は、プリウスをベースに駆動用バッテリーをリチウムイオンバッテリーに変更。最大23.4kmのEV走行を可能とし、バッテリー残量が減り、EV走行ができなくなったあとは普通のハイブリッド車として走行が可能。 “プラグイン”の名称の由来となった家庭用電源(100Vか200VどちらでもOK)に充電用ケーブルを差し込むことで駆動用バッテリーへの充電が可能で、100Vで約180分、200Vだと約100分でフル充電が可能。つまり、毎日の走行距離が20km程度だったら、まったくガソリンを使うことなくEVとして使うことができ、週末のドライブではハイブリッドカーとしてバッテリー残量を気にすることなくロングドライブができる、というEVとハイブリッドカーの合体版なのである。

エンジンルームを見ても特に違いはわからない。助手席側フェンダーにプラグイン用の充電ソケットがある
トヨタでは2012年にシティコミューターとしての小型EVを市販予定だが、充電インフラ整備の問題やバッテリーのサイズ、重量、コストなどの面で、当面EVは短距離走行用と捉えており、プラグインハイブリッドこそが次世代のエコカーの決定版、と位置づけている。気になる燃費はJC08モードで57.0km/L!! プラグインハイブリッド車はJC08モードのみの表示という取り決めとなっており、10・15モード燃費は表示されていないが、ハイブリッド走行時のJC08モード燃費値は30.6km/Lとなっており、これはノーマルプリウスのJC08モード燃費値30.4km/L よりもいい。57.0km/Lを10・15モード値に換算すると、66.5km/L相当!! うーん、これは凄い。
ちなみに30km走行ごとのランニングコストはノーマルプリウスが120円なのに対しプリウスPHVは昼間電力で充電したとして110円、深夜電力を使えばプリウスの半額の60円となる。つまり、1km走行ごとのコストは2円!! プリウスと同クラスのガソリンエンジン車だと9~10円/kmなので、70~80%もエネルギーコストがダウンできるということだ。
グンと加速してもエンジンはかからない!!

ノーマルプリウスでもモーターのみでの走行はできるが、ゆっくりとアクセルを踏み込んでじわじわ加速しても60km/hあたりまでにエンジンがかかってしまう。特に発進時はちょっと深めにアクセルペダルを踏み込むと、“クン”とエンジンが始動する。その後アクセルをいったん戻して再びゆっくりと踏み込んでいけばエンジンはなかなかかからずEV走行が可能だが、それでも連続して2kmも走れば駆動用バッテリーを消費してエンジンが始動する。
ところがPHVは都市部の一般道を想定した発進加速のレベルでは、エンジンが不用意に始動することはまったくなかった。意識的にアクセルをすばやく、そして深く踏み込めば、急加速が必要とクルマが判断してエンジンが始動するが、普通の交通の流れをちょっとリードするくらいの加速だったらEV状態で “ヒュュュュュュ~”と加速していく。今回は試乗コースの関係で試すことはできなかったが、100km/hまではEV走行が可能だという。
2年後の市販時の価格は200万円台を目指す!?
今回は法人向けに限定したリース販売ということで、価格は525万円。補助金が132万円程度支給されるのでユーザーの負担額は393万円ということになる。「2年後には一般に向けて市販することを目標に開発しています。価格については、ハイブリッドにするか、プラグインにするか悩んでもらえるような価格を目指したい」と内山田竹志副社長。価格についての明言は避けたが、200万円台を視野に入れていることは間違いない。

リチウムイオンバッテリーは重量160kgでノーマルプリウスのバッテリーより120kg重たく、容積も大きい
搭載されるリチウムイオンバッテリーは現在プリウスに搭載されているニッケル水素バッテリーに比べて容量で4倍、体積で3倍という大きさ。重量は160kgでプリウス用に対して120kgの重量増。バッテリーはリア荷室下に搭載されており、拡大した体積により、荷室フロアが40L程度上がっている。これによって荷室容量はノーマルプリウスの約1割に当たる43程度小さくなっているが、実用上、ほとんど気になることはないだろう。

「ニッケル水素バッテリーだったら数倍のサイズになっています。荷室全部がバッテリーといったことになったでしょう。リチウムイオンバッテリーの効率のよさが小型化の助けになりました」と内山田副社長。バッテリーについては2年後の一般市販時にはさらに性能アップして小型化もされているはず。当然重量も大幅に軽量化されるだろう。