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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03
スバルのミニバンはひと味違う!! エクシーガSTIついに登場!!
走り始めるや興味モリモリ湧いてくる

犬もご主人より気になる匠の技が満載!!
【本記事は2009年12月にベストカーに掲載された記事となります。】東京モーターショーにも展示されていたエクシーガのスポーツバージョン、「チューンドbySTI」が300台限定で発売となった。いかなる実力か、さっそくチェックしてみたい。Dレンジをセレクトして走り始めると「ややややっ!」。標準スペックのエクシーガとまったく雰囲気が違う。乗り心地は決して悪くないものの、減衰力もバネも相当カタそうなのだ。レガシィで言えばGTくらいのセッティングなのかと予想してたけれど、そんなモンじゃありません。インプレッサWRXのAラインに近い感じ。なんの事前情報もなしに試乗し始めたのだけれど、走り始めるや興味モリモリ湧いてくる。
こうなりゃ走り込んで素性を当ててやりましょう!

17インチのSTI製鋳造アルミホイールが足下を引き締める。STIエンブレム、スポーツマフラーなどノーマルとは明らかに雰囲気の違うチューンドbySTIは300台限定。写真の専用色WRブルーマイカは12月20日受注ぶんまで
まず高速安定性からしてワンランク高くなっている。まっすぐ走っていても、ステアリングインフォメーションがキッチリ確保されており安定感高い。このあたりは最近STIが盛んに採用している『フレキシブルタワーバー』の効能。ぐにゃぐにゃ曲がるストラットタワーバー(辰巳名人(※)が考案したそうな)なのだけれど、面白いようにステアリングフィールが変わる。普通の一本棒式タワーバーは、ボディを硬くするためのもの。されど薄い鉄板を組み合わせて作られたボディとあり、完全な剛体になどならない。だったら左右のサスペンションの取り付け部の距離だけキープしましょう(アライメントの変化だけ抑える)という狙い。

操作性が高くスポーツ志向も高いインパネ回り。ブラックを基調にしているが、ところどころにカーボン調と赤が配色されている。スピードメーターはSTIロゴ入りの専用エレクトロルミネセントメーターで220km/hスケール
それより気になるのがショックアブソーバーとスプリング。ワインディングロードで走り込んで見たら、やっぱカッタい! 標準のエクシーガと最も違うのは、リアサスペンションの絶対的な性能。エクシーガのノーマル仕様の場合、横方向の流れを許容する。マイナーチェンジでグリップレベルを上げてきたそうだが、それでもミニバンとしちゃヤンチャ。コントロールできるから好きですが。チューンドbySTIで同じ走りをすると、まったくリアは流れない。むしろパワーオンでフロントが外に流れ出すほど。どうなってるんだ? カタログをチェックすると今回、リアサスの取り付け部にも「フレキシブルサポート」なるパーツを装着していた。アライメント変化を抑える役割を果たすようだ。多々の疑問を感じつつ試乗会のベースに戻ると、前出の辰巳名人が居るじゃありませんか。まず「どんなサスペンションを使ってるんですか?」と質問。「基本はインプレッサWRXのSTIと同じKYB製です。フロントが倒立タイプですね。スプリングも高い評価を得ている三菱製鋼製を使っています。減衰力とスプリングレートを大幅に高めています」と辰巳名人は答えてくれた。
つまり足回りは限りなくインプレッサのAラインだということ。大いに納得する。

リアのフレキシブルサポートは、フロントと同じく剛性アップを狙ったものでなく、サスペンション取り付け部分の動きに制限をかけるそうな。さらにリアのラテラルリンクにピロボールをおごり、動きを滑らかにしたという。だから足回りをカタくしたのに、乗り心地が悪くなっていないのだ(KYB製のショックアブソーバーも珍しく出来がいい)。多少オタクっぽい解説になってしまったけれど、久しぶりに「スバルらしさ」を感じさせてくれた。レガシィに失望した人はぜひお試しを。