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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03
進化はどこだ!? NEWストリーム
トピックは走り重視の5人乗りRSTだ

X:RSTとはグリルが違い、フルホイールキャップを採用
【本記事は2009年8月にベストカーに掲載された記事となります。】2台並ぶホンダストリーム。手前が先月MCされたクルマで、奥にあるのがMC前。そのオーナーである本誌・馬場は、「3年前に小遣いためてやっと買ったストリームが早くもMCとは! 悔しいから隅々までチェックしちゃいます」と試乗会場に現われ、さっそく行動開始。5ナンバーサイズの3列シートこそストリームの本来の姿といえるのだが、今回のMCの目玉は2列シート仕様のRSTの追加。これにスポーティさを出したRSZと、ベースとなるX、Giと大きく3タイプで構成。そのRSTだが、メッシュタイプのグリルにテールゲートスポイラー、17インチ軽量アルミホイールなどをまとい、存在感抜群。のんびり屋の馬場にはちょっと抵抗あるなぁというスポーティさを際立たせたタイプで、スポイラーやリアのアンダーカバーなどで高速時のリフト量を軽減。さらに約25kgある3列目シートを省いたことで軽量化にも磨きがかかり走行性能が向上と、進化が色濃くわかる一台。「3列シートじゃないと売れないんじゃないの?」と余裕をかます馬場だが、RSTを走らせてびっくらこくのであった!
軽量化で走りに磨き

RSTの内装は赤色で統一。レッドのメーター照明や本革巻きATレバー、シートなどのステッチを赤色で仕立ている
RSTに搭載されるエンジンは、MC前のRSZと同じ140ps/17.7kgmの1.8L直4と、150ps/19.4kgmの2L直4の2種類(ちなみに全モデル、エンジンスペックの変更はなし)。しかし、2Lのみエンジンサウンドをチューニングし、3000~4000rpmではシュイーンという軽快なエンジン音を発する。軽量化されたボディとともにRSTの真骨頂を体感し、驚いた。RSTのスペシャル感は内装にも表われ、メーター照明、本革巻ステアリングやシートのステッチなどは赤で統一(ほかは青色)。不調が続くステーションワゴン界に一石を投じるかもしれないRSTである。
乗り心地がアップ!

乗り心地が格段によくなったぞ~
さて本来の7人乗りストリームのX、GiやスポーティにふったRSZは、フロントバンパーとリアバンパーが新デザインになったのがエクステリアの共通変更点だが、馬場が納得したのは乗り心地の改善。「足回りが硬めで乗り心地がイマイチ」と嘆いていたが、前後サスペンションの改良でしなやかな乗り心地に変化(※詳しくは右ページ下のコラムをチェック!)。センターコンソールボックスが微妙に大きくなり、シート表皮が上質になったのもユーザーにとっては嬉しい点。加えて静粛性の向上にも重点を置き、フロントドア下に30cmほどの防振材を採用し、後輪部にリアインナーフェンダーを取り付けたことでロードノイズがそれぞれ2dB、3dB静かになった。「細部へのこだわり、いいじゃないですか!」とすっかり気に入った様子の馬場。現行車オーナーになる日もそう遠くないかも!?
スポーティさと柔らかさ TEXT/渡辺陽一郎

大型リアゲートスポイラーやアンダーカバーなどで空力性能が向上。RSTのウリでもある
エンジンやATは基本的に従来どおりだが、サスペンションは全車で見直された。リア側の取り付け剛性を高めて基本性能を底上げしつつ少し柔らかい方向に発展させて乗り心地を向上。1.8Xが顕著で足まわりが柔軟に伸縮し、突き上げ感を解消。ミニバンでは上質な乗り心地だ。その半面、走行安定性は若干低下。すばやい切り返しではボディ後方の揺り返しが拡大する。後輪の横滑りの度合いも強まった。もっとも挙動の変化は穏やかに進み、ドライバーは対処しやすい。乗り心地の向上も含めれば進化と受け取れる。RSTはかなりスポーティ。3列目を省いたから後輪の荷重が約25kg軽量化され、ステアリングの反応も俊敏だ。サスペンションの設定はRSZに準じるが、すばやく向きが変わって旋回軌跡も拡大しにくい。少し曲がる性能が勝り、相対的に後輪の安定は下がるが、バランスは取れている。走りはスポーツワゴンの水準だ。乗り心地はミニバンでは硬めだが、密度感を伴って粗さはない。外観から受ける印象に近い乗り味だ。3列目を備えるRSZは、RSTに比べると挙動が全体的にマイルド。操舵に対する反応はRSTほど俊敏ではなく、ミニバンとしてのスポーティ感覚に収まる。後輪の動きも落ち着いており、乗り心地は硬めながらRSTに比べればソフトだ。総括すると、RSZは従来と指向性を変えずに乗り心地を向上。1.8Xは快適性に重点を置き、ファミリー志向を強めた。新グレードのRSTは、2列仕様とあって1.8Xとは逆にスポーツ性を追求。各グレードの個性が明確になり、対象とするユーザーの幅を広げている。