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更新日:2019.01.27 / 掲載日:2017.12.03
世界一売れてるプレミアムセダンEクラス
フルモデルチェンジされた新型Eクラス

日本に導入されたのは3Lと3.5LのV6、それに5.5LのV8の3モデル。今年秋には直4の1.8Lターボが追加で導入される。今回試乗したのは3.5Lと5.5Lだが、どちらも走りはさすがに大満足のレベル
【本記事は2009年7月にベストカーに掲載された記事となります。】さて7年ぶりにフルモデルチェンジされた新型Eクラスであります。デザインを見てどう思うだろうか? MBJのスタッフに聞くと「メディアの皆様からの評価は非常に高いです」。いっぽう読者諸兄からすれば「補助灯がマークIIブリットみたいだし、リアから見ればアコードかレジェンドみたい」かもしれない。間違いなく「カッコ悪い」という意見が過半数を占めるんじゃなかろうか。しかぁし! 冷静になって考えてほしい。名車と評されたW124の後のW210も先代W211も、デビュー時は酷評されたもの。
とにかく売れている?

フロントマスクはメルセデスのアイデンティティを踏襲。ツインヘッドライトと垂直に近い大型化したグリルが特徴的
いや、私など今だってまったく受けつけない。なのになのに! W124以後のEクラスは、すべてのモデルがプレミアムセグメントのセダンとしちゃベストセラーカーとなっている。ヨーロッパに行ったことのある人ならご存じのとおり、Eクラスを使っているタクシーの多いこと! 好きであろうと嫌いであろうと、とにかく売れているのだから認めざるを得まい。少なくとも私は先代Eクラスのデザインより100倍よいと思う(失敗作となったトヨタ車が採用していた形状の補助灯がなければさらに好感度上がった)。
普通にいい?
前置きはこのあたりにして試乗といこう! 初期導入モデルの売れ筋になりそうなE350(左ハンドル)に乗り込み、Dレンジをセレクトして走り出す。するとどうよ! 軽いショックを受けました。目からウロコが落ちるような「やっぱしベンツって圧倒的に凄いね!」という驚きを感じず。新しい技術を投入していないためだろう。最近の日本車のごとく「普通にいい」のだ。おそらく先代Eクラスに乗っているユーザーからすれば「スタイルを除けば大きく変わっていませんね」。やや拍子抜けです。
古きよき時代の伝承を好む人なら大満足

秋に追加される1.8L過給エンジン搭載モデル(クラウンに1.8L、4気筒の過給エンジン搭載するようなもの。E250と呼ばれる)や、クリーンディーゼル搭載モデルになると「新しい世界」を見せてくれるかもしれないが、今回試乗したE350(E550も同じ印象)は、昔ながらの輸入車のイメージそのもの。特にE550のハンドルを握ると「クラシックな速さですね!」。古きよき時代の伝承を好む人なら大満足だろうけれど、ベンツが得意としてきた「革新的な技術の採用」は今回なし。
上質な乗り心地

インパネの高級感、上質感は「さすが」のレベル。メーター内などの文字は日本仕様らしく日本語で対応
もちろん日本車がまったく追いついていない部分も多い。例えば空力。なんとCD値=0.25だという。新型プリウスの場合、車体のシルエットまで気合い入れての0.25。なのに新型Eクラスときたら、普通のボディ形状をしてます。高速巡航時の風切り音も少ない(そのわりにワイパーが凄い作動音なので笑える)。また、乗り心地のよさも感心するのみ。高性能タイヤを履いていたE550ですら、路面からの細かい入力を“ほぼ”完璧にシャットアウトしている。上質な乗り心地です。
進化はしてるけど・・・

ステアリングフィールやブレーキのタッチ、アクセルに対する加速感など、いずれも高い次元で調和されており、大幅によくなった新型マジェスタのさらに上をいっている。ご予算に余裕のある人なら、大いなる満足感を得られることだろう。そうそう。新型Eクラスには自動でハイビームとロービームの切り替えを行なう装置が付く。使ってみたら「対向車を感知してから切り替える」というシステム。対向車は短時間ながらまぶしさを感じる。日本だと怒りを買ってパッシングされるだろうな、と思いました。さて最後にこの新型Eクラス、先代からの進化度は1.1倍と判定します。進化はしてるけど劇的ではないですね。