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更新日:2020.07.21 / 掲載日:2017.12.03

世界最安車登場!!インドのタタ・ナノ正式発表!

衝撃の価格

3月24日(日本時間)ムンバイで開催された発表会に登場した「インドの本田宗一郎」ことラタン・タタ会長。インドのクルマ状況改善のため立ち上がった

3月24日(日本時間)ムンバイで開催された発表会に登場した「インドの本田宗一郎」ことラタン・タタ会長。インドのクルマ状況改善のため立ち上がった

【本記事は2009年5月にベストカーに掲載された記事となります。】3月24日、歴史的なクルマがインドのムンバイで発表された。タタ・モータースが発表した4ドアの「ナノ」。衝撃なのはその価格。工場出荷価格10万ルピー(約20万円/1ルピー1.9円で計算)、店頭販売価格11万5000ルピー(約21万8500円)で4月末より予約販売が開始される、世界最安車である。

10万ルピー車の開発

ボディカラーは全5色

ボディカラーは全5色

このクルマが初めて世界にお披露目されたのは昨年1月。インドのデリー自動車エクスポにてタタ・モータース会長、ラタン・タタ氏自らがプレゼンテーションを実施した「10万ルピー車」だ。キッカケは’03年春、ラタン会長がデリー郊外にて、1台のバイクに家族4人が無理やり乗っている庶民たちの姿を見て、「これをなんとかしなくてはいけない。雨のなかでも安全な交通手段を確立すべきだ」と着想を得、10万ルピー車の開発を命じたことによる。

半年遅れのデビュー

ハッチバックスタイルだがリアゲートは開かず、はめ殺し

ハッチバックスタイルだがリアゲートは開かず、はめ殺し

当初の予定では’08年中に発売されるはずであったが、世界的な原材料高騰や、生産工場として予定されていたインド東部の西ベンガル州での土地買収が停滞、西部のグジャラート州に移して生産開始などのゴタゴタが発生。このためデビューは半年遅れとなった(また、これにより予定していた年産5万台は厳しいとされている)。そんななか登場したナノ。初年度の受け付け台数は10万台。7月から納車が開始となるものの、工場整備の遅れから生産開始から1年間の生産可能台数は3000台に留まるとのこと。購入者は抽選で決定し、すでに予約が殺到している。

気になる性能

シートは薄いモケット地で肉厚は足りないが、いちおう4人乗り。オプションで運転席&助手席エアバッグが装着できる。ヘッドレストがないのが不安。室内は日本の軽自動車を参考にし、かなり広い

シートは薄いモケット地で肉厚は足りないが、いちおう4人乗り。オプションで運転席&助手席エアバッグが装着できる。ヘッドレストがないのが不安。室内は日本の軽自動車を参考にし、かなり広い

気になる性能だが、現地で試乗した某材料メーカー特派員は「座面はツルツルで固く、車内に入ってくる騒音が非常にうるさい。日本の軽自動車と比べるとかなり厳しい。しかし思ったほど走行性能は悪くなく、既存の車種の約半額だということを考えれば、いいクルマだ」とのコメントを寄せてくれた。

仕様&装備

4速MTのみでリアに搭載される2気筒600ccエンジンと組み合わされる

4速MTのみでリアに搭載される2気筒600ccエンジンと組み合わされる

さて注目の仕様&装備だが、グレード構成は「標準」と上級グレードのCX、LXの3つ(詳細は発表されていないが最上級グレードは約18万ルピー/約34万円になるとのこと)。ワイパーは1本でリアゲートはない4ドア4人乗り、水冷2気筒623ccエンジンをRRで搭載する。ミッションは4MTのみで、ドアミラーは運転席側のみ。上級グレードにはエアコン、パワステ、パワーウィンドウ、タコメーター、エアバッグ、アルミが装着されるが、標準グレードにはなし。

センターメーター方式を採用しており、標準グレードではスピードメーターのみ装着される(上級グレードにはタコメーターが付く)。ドアミラーは運転席のみでパワステ、パワーウィンドウもオプション。ギリギリまで簡素化され、機能も絞られている

センターメーター方式を採用しており、標準グレードではスピードメーターのみ装着される(上級グレードにはタコメーターが付く)。ドアミラーは運転席のみでパワステ、パワーウィンドウもオプション。ギリギリまで簡素化され、機能も絞られている

上級グレードにはエアコン、パワステ、パワーウィンドウ、タコメーター、エアバッグ、アルミが装着されるが、標準グレードにはなし。

安全性には疑問が

昨年1月に発表されたコンセプトモデルそのままに市販されたナノ。衝突安全基準や排ガス規制など、日米欧に輸出するためのハードルはまだまだ高そうだが、その心意気やよし。ぜひとも日本メーカーも追随してくれ!

昨年1月に発表されたコンセプトモデルそのままに市販されたナノ。衝突安全基準や排ガス規制など、日米欧に輸出するためのハードルはまだまだ高そうだが、その心意気やよし。ぜひとも日本メーカーも追随してくれ!

サイズは日本の三菱iとほぼ同じで、パッケージングの参考にしたとされる。ABSはオプション設定さえなく、安全性には疑問が残る。このままでは法規制の問題で日米欧への輸出は厳しいと見られていたが、今年3月に開催されたジュネーブショーでは、「ナノ・ヨーロッパ」が出展された。こちらは3気筒オールアルミガソリンエンジンが搭載され、エアバッグやABS、ESP(姿勢制御装置)が標準装備、衝突安全性能を向上させるために前後にバンパーが追加されひと回り大きくなる。2010~’11年頃の発売予定だ。日本導入は未定だが、ぜひとも乗ってみたいぞ!(ちょっと怖そうだけど)

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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