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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03
ロードスターの進化は、乗ればすぐわかる! スポーツカーは楽し!!
ファン・トゥ・ドライブの進化を体感!!

【本記事は2009年2月にベストカーに掲載された記事となります。】■ファン・トゥ・ドライブの進化を体感!!“グォォォォォォ~ン”5000回転、6000回転とエンジン回転を引っ張ると、心地よいエンジンサウンドがドライバーの耳を刺激する。マイナーチェンジで大きく生まれ変わったロードスターを走らせて、信号待ちからの発進加速で、いきなりその進化の片鱗を感じ取ることができた。「スポーツカーは常に進化することが必要」ロードスターの開発責任者、貴島孝雄氏が常に言い続けている言葉である。
最高出力発生回転、レブリミット回転を引き上げ

MT車では最高出力発生回転が6700回転から7000回転に、レブリミットが7000回転から7500回転にそれぞれ引き上げられた
これまで、ロードスターのエンジンは最高出力が6700回転で発生し、レブリミットは7000回転となっていた。これが、新型のMT仕様では、最高出力発生回転が300回転引き上げられ7000回転に、また、レブリミットが500回転引き上げられて7500回転となっている。ただし、170ps19.3kgmの最高出力、最大トルクの数値に変更はない。「ほんのわずかなことと思われるかもしれませんが、その違いは乗っていただければすぐにわかっていただけると思います」ロードスターの開発陣が胸を張るように、各ギアでエンジンを引っ張り、高回転を使い切る、胸のすくような感覚が得られるようになっている。従来のエンジンに大きな不満はなかったが、「あとひと伸び」というところで頭打ちになってしまい、シフトアップを余儀なくされる。パワフルではあるのだが、エンジンを使い切ったという、ドライバーの満足感にやや欠けるところがあった。これが、今回の改良で見事に払拭されている。例えばコーナーの立ち上がりでアクセルオン。次のコーナーに向けて気持ちよくギアが繋がっていく感覚だ。
スポーツカーはエンジンの「気持ちよさ」がキモ

エンジンの高回転化に伴い、クランクシャフトの剛性アップなどの改良を実施。エンジンの剛性が高まり、回転フィールも上質になった
このエンジン許容回転の引き上げのため、鍛造クランクシャフトを採用し、高回転時のクランクシャフト剛性の確保、ピストンのフルフロート化、バルブスプリングの新設計など、エンジン全体の精度を高めるリファインが実施されている。やっぱりスポーツカーはエンジンの「気持ちよさ」がキモだなぁ、と改めて認識した。また、このエンジンをより楽しむため、6速MTのシンクロが強化されており、より滑らかで確実なシフトフィールとなっている。カッチリ決まるシフトフィールは従来型でも味わえたが、よりスピーディなシフト操作にも確実にギアがついてくるので、信頼感が増した印象。高回転時のエンジンサウンドが心地いいな、と思ったら、インダクションサウンドエンハンサーと呼ばれる吸気脈動の増幅装置が装着されており、積極的に吸気音をドライバーに聞かせようというではないか。心地よいエンジンサウンドのチューニングにも新ロードスターはこだわりを見せているのだ。
ハンドリングもグンと洗練度がアップ!!

ハンドリング性能は、舵角に対するロールがよりリニアになり、内輪の接地感が高まり、コーナリング性能が向上している。よりファンなハンドリングとなっている!!
■ハンドリングもグンと洗練度がアップ!!そして最も開発陣が自信を持っているのがハンドリング性能の進化。もともとファンなハンドリングが魅力のロードスターだが、今回、ナックル側のボールジョイントの上下ピボット位置を変更することでフロントのロールセンターを26mm低下させている。この効果が最も感じられるのがロールスピード。操舵に対するロールがよりリニアになり、ロールスピードも抑制されている。舵角に対するヨーの発生が体感しやすくなり、また、ロールスピードが抑えられたことで内輪の接地感が向上。4輪でグリップする感覚がより強くなり、コーナリング時の安定性が増している。こうした地道な改良がロードスターの質を高めているのだ。ATを搭載する「VS」にも試乗したのだが、ATにAASと呼ばれるシフト制御が盛り込まれ、例えばコーナリング中のシフトアップを抑制したり、クルマの動きからスポーツドライブだと判断されるとシフトモードがより積極的に高回転を使うように変更されるなど、ドライバーの意志をくみ取ったスポーティな制御をする。ロードスターでATというのも、案外楽しいものだな、と思った。RSほど乗り心地もハードではなく、気軽にロードスターの走りを楽しむのなら、AT仕様のVSをチョイスするのも悪くはない。
総括

ロードスター乗って納得進化ポイント ●エンジン内部の改良で、レブリミット500回転アップの7500回転に ●サスチューンの見直しでハンドリング性能のアップ ●ファミリーフェイスを採用したフロントマスクのリファイン ●ファン・トゥ・ドライブのさらなる追求で、運転が楽しい!! ●RHTモデルの室内静粛性が向上し、クォリティアップ!! ●6ATの制御が進化してスポーティな走りに対応 etc
このほか、いまやロードスター販売の約80%を占めるRHT車では室内の静粛性の向上が図られていて、ルーフを閉めた状態では、クローズドクーペかと思うほどの上質な室内静粛性。今回のマイチェンを機にグレードが整理されている。ソフトトップ車はS(233万円、5MTのみ)、NR-A(245万円、5MTのみ)、RS(260万円、6MTのみ)の3グレード。RHT車はS(268万円、6ATのみ)、RS(286万円、6MTのみ)、VS(295万円、6ATのみ)の3グレードとなる。各車10万~15万円の価格アップとなっている。充分納得できるものであるが、二桁アップはちょっと財布にきついなァ。(本誌・梅木智晴)