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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03

今度のスペックVはどれほどの進化?歴代GT-Rスペシャルモデル列伝 GT-R SPEC Vついに登場!! 驚きの1575万円

GT-Rエボリューションともいえる存在

【本記事は2009年2月にベストカーに掲載された記事となります。】さて、GT-RスペックVだ。開発責任者の水野和敏氏自らの口によって前々から登場が公言されていた、スペックVは、いわばGT-Rエボリューションともいえる存在。いよいよ1月8日に正式発表され、ラインアップに加わった、ハズである……。ハズ……、とはなんとも曖昧な表現だが、少なくとも12月26日時点では、日産からは「1月8日にGT-Rの新グレードを追加するので、説明会を開催します」といった趣旨の案内が届いているだけで、内容に関しての正式な事前資料は出されていない。そのため、すべては編集部独自の取材で販売店やその他モロモロ、情報を集めまくって判明した事実をお伝えすることしかできないのが心苦しい。とはいえ、限りなく正式情報に近い確かな情報をつかむことができたので、スペックVの詳細をお伝えしたいと思う。

注目のオーバーブースト機能の正体とは!?

3.8L、V6ツインターボエンジンは基本的に標準タイプからの大きな変更点はない。最高出力485ps/6400rpm、最大トルク60.0kgm/3200-5200rpmのスペックも変更はない

3.8L、V6ツインターボエンジンは基本的に標準タイプからの大きな変更点はない。最高出力485ps/6400rpm、最大トルク60.0kgm/3200-5200rpmのスペックも変更はない

■注目のオーバーブースト機能の正体とは!?「スペックVはGT-Rとは別のクルマと思ってください」ディラー営業マンの研修会の場で日産側からの説明で、開口一番、右記の言葉が飛び出したという。それほどまでにスペックVはノーマルGT-Rから大きく進化しているということだ。最大の隠しアイテム(?)となるのが「ハイギアードブースト」と呼ばれるオーバーブースト機構。国交省が「500馬力オーバーの認可はちょっと……」と難クセつけて、生まれた苦肉の策(メカニズム)である。よく考えたもんだ(感心!!)

インパネの基本的な造形などには変更点はないが、メーターリングのシルバーや、ステアリングのセンターパッド周辺のシルバー部分はブラックとなり、全体的に「黒い」インテリアとなる。注目の「ハイギアードブースト」のスイッチは、センターパネル部のサスペンションモード切り替えスイッチの場所に配置されることになる。スペックVではサスペンションは切り替えモードを持たないため、この位置にハイギアードブーストのスイッチがつく

インパネの基本的な造形などには変更点はないが、メーターリングのシルバーや、ステアリングのセンターパッド周辺のシルバー部分はブラックとなり、全体的に「黒い」インテリアとなる。注目の「ハイギアードブースト」のスイッチは、センターパネル部のサスペンションモード切り替えスイッチの場所に配置されることになる。スペックVではサスペンションは切り替えモードを持たないため、この位置にハイギアードブーストのスイッチがつく

これはトランスミッションがRモードのMT操作時のみ機能するもので、スイッチオンで80秒間、最大過給圧をアップさせ、トルクが増大されるという機構。最高出力がアップするのではなく、トルクが増大するというところがポイントだ。単純に過給圧を増加させるだけではなく、ECUの緻密な制御によってトルクをアップさせる、ということだろう。連続80秒間使用可能というのがポイントで、例えば筑波サーキットだったら1周まるまる「ハイギアードブースト」を作動させっぱなしでスーパーラップを刻むことが可能だし、富士スピードウェイだったら最終コーナーの立ち上がりからストレートをフル加速してシケインあたりまで、つまりハイスピードセクションを走りきる程度ハイギアードブーストが使えるということだ。80秒間使ったら、次の80秒間は作動できない時間となる。80秒のお休みののち、また連続80秒間使うことができる。メインスイッチは、ノーマルGT-Rではサスペンションモード切り替えスイッチとなる部分に配置され、ステアリングのスイッチで作動する。パワーアップはしないことになっているが、運転した人の証言では「ノーマルが485psというのなら、540psは出ている」とのこと。やはり強烈だ。実質的にはハイギアードブースト作動時には、パワーアップしているのだろう。

価格は倍の1575万円!!

リアシートは取り払われ2シーター。前席はNISMOパーツでも販売されているレカロ製軽量カーボンシートが装着されることになる。1脚あたりノーマルシートよりも5kgの軽量化となる

リアシートは取り払われ2シーター。前席はNISMOパーツでも販売されているレカロ製軽量カーボンシートが装着されることになる。1脚あたりノーマルシートよりも5kgの軽量化となる

■価格は倍の1575万円!!エクステリアの変更は最小限にとどめられている。ひと目でそれとわかるのは、専用デザインのブラッククロームのホイールとシルバーに輝くブレーキキャリパー。スペックVのエンブレムはトランクリッドに控えめに入れられる程度で、その他はカーボン製リアスポイラーと専用チタンマフラーのテールエンド形状の違いくらい。が、例えばブレーキはブレンボ製カーボンブレーキを採用しており、なんと交換時にはフロント2輪分で500万円かかるというから驚きだ。カーボン製ローターが300万円、ブレーキパッドが200万円だという。ブレーキシステム全体では800万円相等になるという。軽量化に関しては60kgに留まる。2シーター化されたことでリアシート分がマイナス10kg、フロントはレカロ製軽量カーボンシートの採用で1脚マイナス5kg 、ホイールとブレーキシステムで20kg、チタンマフラーやカーボン素材を使ったスポイラーなど、各部の細かい軽量化で、トータル60kgとなる。

リアスタイルはカーボンとなるリアスポイラー、チタンマフラーのテールパイプ形状などがノーマルGT-Rとの違いをアピールする程度。控えめなエクステリアが逆にすごみを感じさせる

リアスタイルはカーボンとなるリアスポイラー、チタンマフラーのテールパイプ形状などがノーマルGT-Rとの違いをアピールする程度。控えめなエクステリアが逆にすごみを感じさせる

サスペンションはモード切り替えが廃止され、専用チューニングされたRモード以上にレーシーなセッティングのバネ、ダンパーが採用される。これはNISMO仕様よりもさらに一歩進んだものとなっている。これらを身に纏ったGT-RスペックVの価格は1575万円。ノーマルGT-Rの倍近い価格だが、NISMOのパーツキットがシャシーパッケージ=220万5000円、チタンマフラー&カーボンディフューザー=189万円、レカロシート=189万円(2脚)なので、さらにハイギアードブーストが装備され、ワンセット500万円ともいわれるカーボンブレーキが装着されることを考えると、お買い得なのかも。専用ボディカラーは57万7500円のオプションとなる。ちなみに月産30台の予定で、日本10台、欧州10台、米国10台の計画。

GT-Rは常に進化の歴史だった

VスペックII:R32GT-Rの究極の進化モデルとして’94年に登場したVスペックII。ブレンボブレーキが話題となった

VスペックII:R32GT-Rの究極の進化モデルとして’94年に登場したVスペックII。ブレンボブレーキが話題となった

GT-Rは常に進化の歴史だった 歴代GT-Rスペシャル モデルのスペシャル度1989年5月(発売は8月から)、16年間の沈黙を打ち破ってGT-Rが復活した。R32GT-Rはそれ自体がスーパーでスペシャルな存在だったが、’90年には500台限定でGT-R NISMOが登場。これはグループAのホモロゲモデルで、ノーマルではセラミック製だったタービンをスチール製に変更し、ハイブーストに耐えるようにしているモデル。’93年にはVスペックが登場。17インチホイールにブレンボ製ブレーキシステムを組み合わせたモデルだが、タイヤサイズが225/50R17でやや腰高。翌’93年には225/45R17に変更したVスペックIIが登場した。このVスペックIIこそ究極のR32GT-Rだ。

R33GT-R

Vスペック N1:R33GT-Rには「N1」グレードが設定された。これはN1レースのためのベースモデルという位置づけ

Vスペック N1:R33GT-Rには「N1」グレードが設定された。これはN1レースのためのベースモデルという位置づけ

95年1月にデビューしたR33GT-Rには当初から標準グレードとVスペックが用意されていた。VスペックはアクティブLSDとアテーサE-TSを組み合わせた「アテーサE-TS・PRO」と呼ばれる4輪駆動力制御を採用。R33GT-RにはN1ベース用グレードが設定されていた。これはR32GT-R同様、レースベース車で、ハイブーストに耐えるようスチール製タービンを採用し、また、フロントバンパーにエアインテークが開けられ、リアスポイラーはカーボン製となる。’97年以降の最終型では標準タイプのGT-Rも外観はこのN1ベース仕様に準じたものとなり、フロントスポイラーの下部20mm延長など、細部のリファインで完成度を増している。’98年1月にはGT-R40周年記念車としてオーテックジャパンより4ドアGT-Rが限定販売された。スペシャルという意味では、この4ドアGT-Rが最高峰だ。

R4GTR

NISMO R34GT-R Ztune:’05年に登場したZチューンは、NISMOが厳選した中古R34GT-Rをベースにホワイトボディから徹底的に修正、補強。エンジンはGTマシン用パーツを多用し、500ps以上、55.0kgm以上を発揮。価格は1770万円と、こちらもスーバー

NISMO R34GT-R Ztune:’05年に登場したZチューンは、NISMOが厳選した中古R34GT-Rをベースにホワイトボディから徹底的に修正、補強。エンジンはGTマシン用パーツを多用し、500ps以上、55.0kgm以上を発揮。価格は1770万円と、こちらもスーバー

R4GTRは’99年1月のデビュー。標準グレードとVスペックが用意されたのはR33GT-R同様だった。ホイールベースを短縮し、究極のGT-Rを目指したのがR34GT-Rである。’00年8月にはマイチェンでVスペックIIに進化。NACAダクト付きのカーボンボンネットを採用し、話題を呼んだ。さらに’01年5月には限定生産で「Mスペック」が登場。「M」の意味するところはのちにR35GT-Rの開発責任者となる水野和敏氏のことだ、といわれるほど、水野氏の思想が反映された足回りを採用。

ニュル

第二世代GT-Rの最終モデルとなった「ニュル」が、やはり究極のスペシャルGT-Rといえよう。また、個人では絶対作れないR33時代に限定生産された4ドアボディのスペシャル度も高い

第二世代GT-Rの最終モデルとなった「ニュル」が、やはり究極のスペシャルGT-Rといえよう。また、個人では絶対作れないR33時代に限定生産された4ドアボディのスペシャル度も高い

02年1月には第2世代GT-Rの究極のモデルとしてN1仕様のエンジンを搭載した「VスペックIIニュル」、「Mスペックニュル」が1000台限定で登場した。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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