中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.03
ロードスターの進化は中身で勝負!! スポーツカー魂
ロードスターは常に進化を続ける

エクステリアのフェイスリフトもモチロンだが、それ以上に重要なのが「中身」の進化。ロードスターは日々進化の手を緩めることはなく、エンジン、ハンドリングなど、スポーツカーにとって大切な部分の進化を果たしている
【本記事は2009年1月にベストカーに掲載された記事となります。】「ロードスターは常に進化を続けるんです」正確な言葉は失念したが、こういった内容の言葉を開発責任者の貴島孝雄氏はしばしば口にしている。スポーツカーは常に進化することが必要だ、貴島氏はそう言っているのである。ミスターロードスターともいえる貴島氏は、定年を迎えマツダを退職するはずだった。が、後継者の育成を必要としたマツダが貴島氏を引き留め、あと1年間、貴島氏はマツダに留まることとなった。今回のロードスターBIGマイチェンは、「貴島氏のマツダ卒業論文のようなもんです」(マツダ関係者)。つまり、マツダでスポーツカー開発に人生をかけて取り組んできた貴島孝雄氏の思いのすべてを詰め込んだ、集大成のようなクルマに仕上がっているということである。「ホントはね、乗ってもらえば一番手っ取り早いんですけどね」あるマツダ関係者はニューロードスターを説明する際にこう言った。「いろいろやっているんです。ひとつひとつは細かいことなんですけど、トータルでものすごく大きな進化を感じてもらえるはず。乗っていただければ一発でわかってもらえるんですけどねぇ」、と。
見た目も進化、中身はもっと超進化!!

右がソフトトップの顔、左がRHTの顔である。ナンバープレートの取り付け位置も違っている
■見た目も進化、中身はもっと超進化!!まずは見た目の変化から。これはもう、見てのとおり、というほかない。これまでオーバル型だったバンパー開口部がマツダのファミリーフェイスを表現する五角形となり、合わせて流れを感じさせるフォグランプベゼルを配置。ヘッドライトの形状もこれらに合わせて変更されている。リアスタイルではバンパー形状がよりワイド感を感じさせる形状となっているほか、リアコンビランプのコーナー部を張り出させることにより、空力特性を向上させているという。マイチェン後の姿だけを見ると、一見「どこが変わった!?」と思われるかもしれないが、新旧並べてみると新型の洗練度は一目瞭然。ロードスターらしさを感じさせつつ、新鮮なイメージを表現することに成功している。また、パワーリトラクタブルハードトップ(RHT)車はソフトトップ車と外観上の差別化が図られ、パンパー開口部にクロームメッキの縁取りが施されたり、ドアハンドルがクローム調となったり、ハイマウントストップランプのレンズがクリアとなるなど、ちょっと高級感を感じさせるものとなっているのがポイント。
ワンランク上の快適性を実現

インテリアでは、インパネ前面のパネルを従来のピアノブラック塗装からダークシルバーに変更したことでシャープな印象となっている。また、ドアとセンターコンソール部にはソフト素材の表皮を使うなど質感を高めている。メーターパネルはグラフィックの変更で視認性を向上させている
インテリアは基本的な造形に変化はないものの、パネルの配色の変更や、トリム素材のソフトフェイシア化など、ワンランク上の快適性を実現。また、メーカーオプションとなるが、専用レカロバケットシートも用意されている。
書ききれないほどの充実度

エンジンは鍛造クランクシャフトの採用やピストンのフルフロート化、バルブスプリングの新設計などでレブリミットを500回転引き上げ7500回転としたほか、最高出力発生回転を6700回転から7000回転とした。エンジンを回しきる感覚を味わえるという
中身の進化はダラダラと書いていてはとてもではないが書ききれないほどの充実度。以下、箇条書きで説明しよう。・レブリミット500回転引き上げ&最高出力発生回転300回転引き上げ鍛造クランクシャフトの採用により、高回転での剛性の確保、ピストンのフルフロート化、バルブスプリングの新設計などにより、これらを実現。高回転化の理由は、ドライバーが気持ちよくエンジンを使い切ったと実感できるようなフィーリングを演出する狙いがある。最高出力の170馬力に変化はない。・アクセルオンで歯切れよく呼応するスポーツサウンド新開発のインダクションサウンドエンハンサーの採用で、アクセルを踏み込んだ時の心地よいサウンドを演出。巡航時やアクセルオフ時の音はむしろ静かになっている。・6MTのシンクロ強化より滑らかなシフトフィールを実現している。・ハンドリング性能の飽くなき追求ロードスター開発陣が最もこだわっているのがこの部分。ナックル側のボールジョイントの上下ピボット位置を変更することで、フロントのロールセンターを26mm低下させている。これにより、旋回時のコーナー外輪の上下荷重変動をこれまでよりも小さくすることができ、ステアに対する自然にロール感と、リニアに応答性を向上させているという。早く試乗して確かめたいポイントだ。
CD値が0.01向上、RHT車の室内静粛性の向上

後ろ姿もイメージは踏襲しながら、新鮮さを感じさせる変身を遂げている。ボリューム感が生まれた
そのほかにも、エクステリアの変更に伴いCD値が0.01向上、RHT車の室内静粛性の向上なども合わせて実現し、全体的な質感が高まっている。6ATの操作性も改良されている。今回のマイチェンでグレードが整理され、ソフトトップ車はS(233万円、5MTのみ)、NR-A(245万円、5MTのみ)、RS(260万円、6MTのみ)の3グレード、RHT車はS(268万円、6ATのみ)、RS(286万円、6MTのみ)、VS(295万円、6ATのみ)の3グレード。10万~15万円の価格アップ。