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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04
マツダ CX-9東京で乗った!! 3.7L、V6搭載3列シートのBIG SUV

【本記事は2008年8月にベストカーに掲載された記事となります。】CX-9はマツダが北米、オーストラリアなどで販売する大型SUV。CX-7をさらに大きくしたようなデザインで、3列シートの7人乗りだ。初めてCX-7を見た時、「こりゃあ大きいわ!!」と思ったものだが、CX-9はさらに大きく、迫力充分。ボディサイズは全長5074mm、全幅1936mm、全高1728mm、ホイールベース2875mmで、大きいと感じたCX-7よりも全長が394mmも長く、全幅が66mmも広く、全高は83mm高い。CX-7よりもひと回り以上大きい印象。なのだが、実際のボディサイズほどには大きく感じないから不思議なもの。サイズ的には全高を除けばパジェロのロングよりも大きく、ランクル200にも匹敵するサイズ。ランクル200の全長は4950mm、全幅は1970mmだから、全長に関してはCX-7のほうが124mmも長いのだ。全幅だってその差は34mmという大きさ。CX-9は全高が比較的低いことと、ボンネットフードやルーフラインなどに曲線を多用したデザインを採用しているため、視覚的に大きさを感じさせないのだ。走り出しても大きさを意識することはない。ランクルやパジェロのようなクロカンタイプのSUVは着座位置が高く見下ろすようなアイポイントで見晴らしはいいのだが、平べったくだだっ広いボンネットフードがドーンと目の前に広がっているのでボディの大きさを感じると同時に圧迫感を感じるのだが、CX-9のボンネットフードはラウンドした形状で圧迫感を感じさせないのがいい。
ゆったり広々、そして豪華なインテリア

インテリアは最近のマツダ車に共通する、シンプルだが機能的にまとまった、スポーティで飽きのこないデザイン。メーターパネルはタコメーターとスピードメーターが独立したタイプで視認性に優れる。センターコンソールの幅が広く、CX-9が大きなクルマであることを思い出させる。ATは6速だ
CX-9は3列シートの7人乗り。とはいえあくまでもSUVだから、ミニバンほどの居住性は望めないかな、と思っていたのだが、3列目シートの居住性は思いのほか快適。運転席で普通にドライビングポジションをとった状態で2列目シートの前後スライドを「これなら充分」と思える位置にセット。この状態で3列目に乗り込むと、頭はちょうどルーフに髪の毛が触る程度で、膝スペースはコブシひとつ分の余裕。これなら1時間程度までのドライブなら充分乗っていられる。足元も、靴がちゃんと2列目シートの下に収まるのでラクチンなのだ。また、意外だったのがシートのサイズで、3列目シートのシートバックが肩口までキッチリ高さがあり、座り心地そのものも具合がいい。考えてみたら、CX-9は北米やオーストラリアで売っているクルマ。身体の大きな欧米人に合わせたサイズなんだよな。試乗車のシートは本革張りでインテリアは豪華でスポーティな印象でありました。
走りは軽快そのものでマツダDNAを感じた

主要諸元
エンジンはフォードが開発した3.7LのV6で277馬力、37.3kgmというスペック。開発はフォードだが生産はマツダが行なっており、広島の本社工場生まれ。CX-9自体も宇品工場で生産されている。このエンジン、フォード開発ということで、乗る前は、以前トリビュートに搭載されていた3L、V6のガサツなフィールをイメージしたのだが、なんのなんの、3.7Lもの排気量とは思えないほどスムーズな回転フィール。軽快に吹け上がるし、2500回転も回っていれば、沸き上がるようなトルクで2041kgもの車重を感じさせない軽快な加速を見せてくれる。このフィール、直4のMZRエンジンとも共通する、間違いなく「マツダのエンジン」だ。6速ATとのマッチングもよく、ストップ&ゴーの頻繁な都内の一般道でもまったくストレスを感じることはない。80km/h以下では4速までしかシフトアップされないこともあり、一般道では常にエンジンはトルクバンドに入っている。フットワークもボディの大きさ、車重をまったく感じさせない軽快なものでちょっとビックリ。とてもランクル200クラスのボディサイズとは思えない。ほとんど乗用車と同じハンドリングの雰囲気なのだ。乗用車からの乗り換えでも違和感なく、スムーズに移行できるのではなかろうか。マツダでは「CX-9は日本では販売の予定はないです。日本じゃ大きすぎでしょ」というけれど、都内で乗っても充分実用的でした。っていうか、そう思ったから試乗車を用意したんでしょ。北米での価格は5万7265ドルということで約570万円。勝手言いますが、日本で420万円くらいで売っていただければ、けっこうお買い得。