中古車購入
更新日:2020.07.21 / 掲載日:2017.12.04
ハマーH3 正規輸入開始!!

特設の人口登坂セクション。こんな道は日本にはほとんどない
【本記事は2008年8月にベストカーに掲載された記事となります。】軍用車両のハンヴィーから派生したハマーは、ヘビーデューティ4WD界の新興勢力として定着。元祖H1から、H2、H3とバリエーションを増やし、いまやGMのなかでは数少ない上り調子のブランドとなっている。ただし、このハマーシリーズ、日本で乗ろうと思うといろいろ不便なことも多い。
すべてをひっくるめてそういうライフスタイルに身をゆだねる

シリーズのなかで究極の走破性を持つH1は軍用車両そのものだし、H2でも外寸は約5.2m×2.2mと巨大。末っ子のH3でやっと約4.7m×2mという現実的なサイズになる。で、やっぱり「日本で売るならH3だよネ」ということで、今年からGMが正規輸入を開始したのが、今回試乗したH3。もちろん、H3でも日本の交通事情のなかでは充分に巨大だから、使いやすいというと嘘になる。でも、「ハマーに乗る」というのは、すべてをひっくるめてそういうライフスタイルに身をゆだねるということ。好き嫌いがハッキリ分かれるのはしかたないクルマなのだ。
日本車では味わえないユニークなカーライフ

正規輸入右ハンドル仕様の内装
で、そいういうハマー流を受け入れると、日本車では味わえないユニークなカーライフが堪能できる。スタイリングから想像できるとおり、インテリアは圧迫感がある独特のもの。床が高いから乗り降りは「よっこらしょ」という感じだし、グリーンハウスが狭くピラーが太いため、交差点の左折時などには歩行者の確認に気を遣う。ただ、面白いのはハマーが近づいてくると、クルマでも歩行者でも避けてくれるような傾向があること。こういうコワモテなキャラクターも、ハマーの魅力かもしれない。
風変わりな高級車として使っても、的外れじゃない

そのいっぽうで、走りっぷりは意外に普通で使いやすい。アメ車には珍しい直列5気筒3.7LエンジンはDOHC4バルブとハイテク。アメリカンSUV定番のトルクでドロドロ走る感覚ではないが、トップエンドまできれいに吹け上がってワイルドなイメージとは裏腹にとてもスムーズに走る。乗り心地についても、車重が2.2tもあるせいか街中でもドッシリと安定した身のこなし。風変わりな高級車として使っても、的外れじゃない。今回の試乗では、人工の登坂セクションなどを設けて悪路走破性などもデモしていたけど、日本ではコッチの機能はまぁオマケ。これまで並行輸入ではドル安時でも550万円くらいだったものが正規輸入の安心感がついて496万円からハマーが買えるようになりましたというのが、今回の一番のニュースといえるかもしれませんな。