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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04
マツダRX-8再生 5年目にして初のマイナーチェンジ。その「正常進化」の内容は予想以上に多岐にわたっており、ビックリだ!

タイプRS:シリーズ最強のスポーツグレードとして加わったタイプRSは、6速MT専用で19インチホイールを履く。唯一ウレタン強化メンバーを採用するほか、エクステリアは専用フロントバンパー、サイド&リアスポイラーを採用。また、ビルシュタインダンパーとレカロシートも標準装備。エンジンは235ps/220.kgm、価格は315万円
【本記事は2008年4月にベストカーに掲載された記事となります。】「トータルバランスに優れたスポーツカーというコンセプトはまったく変わっていません」と片渕昇主査は力を込める。5年目にして初めてのマイナーチェンジを受けたRX-8はまさに正常進化といえる内容で登場した。
■最強のタイプRSを新設定

サイド&リアスポイラーが標準となるタイプRS。リアバンパーがブラックからボディ同色となっているのとマフラーの大径化は全車共通の変更点だ
最も大きな変更点は新グレードとしてタイプRSを追加したこと。シリーズ中最もスポーティなグレードとして登場したタイプRSは19インチタイヤ、ビルシュタインダンパー、レカロシートを標準で用意するほか、エクステリアも専用フロントバンパー、サイド&リアスポイラーを採用。さらにウレタン強化サスメンバーを唯一採用して、走りのクォリティを上げている。この専用バンパーのおかげで、かなりアグレッシブなフロントマスクとなっているが、タイプRS以外は写真で見るかぎりマイチェン前と大きく変わったようには見えない。これは「スタイルはあまり変えないでほしい」という市場の要望に応えた結果だというが、冷却性能向上のためフロント各部の開口部はかなり大きくなっており、迫力が増していることは確かだ。
■エンジンは大幅な改良

いっぽうで中身は大きく進化している。まずエンジンはガスシールを機械式から電磁式にしてエンジンオイルの潤滑性能を向上し、エンジンオイルの消費量を低減したほか、ガソリン高騰時代に合わせ、レギュラーガソリンへの対応力を向上させている(指定はハイオク)。これによりハイパワーバージョン(タイプRS、タイプS)のパワー表示は250psから235psに若干下がったが、逆に、スタンダードエンジンは吸気ポートを4ポートから6ポートにするなどで210psから215psにパワーアップ(タイプEは従来から215ps)。このほかエンジンではフリクションロスの低減、冷却系の強化などが図られており、これは’10年代の早い時期に登場させると発表している次期型ロータリーエンジンの新技術を先取りしたものだというから進化の度合いがわかる。
■6速MTを自社製にスイッチ

インパネ中央部をよりダイナミックな形状とするなどインテリアも変更されている。エンジン水温に応じた可変レッドゾーンシステムも新たに採用
トランスミッションも大規模な変更を受けている。タイプRS、タイプSに採用される6速MTはアイシン製からロードスターと同じ自社製にスイッチ。トルク容量を上げたほか、シフトフィールを向上。さらにギアレシオの変更、ファイナルギアの低速化(4.444→4.777)により、特に2~3速での加速性能を向上させている。また、ベースグレードとタイプEに設定される6速ATは、Dレンジで走行中に、一時的にステアリングスイッチでマニュアル操作を可能とするダイレクトモードを新たに採用して、利便性を向上させている。足回りはボディ剛性の向上に合わせた細かな改良が施されている。特にリアサスはジオメトリーを見直し、制動時の安定性を向上。また、ベースグレードとタイプEのタイヤを16インチから17インチにサイズアップしている。
■インテリアも見直した

タイプRSにはレカロシートが標準装備となる。そのほかのグレードはシートの幅とヘッドレストをスリム化して、後席からの前方視界を向上している
インテリアはデザインを変更するとともに、クォリティを上げている。インパネセンター部をダイナミックな形状とし、純正ナビはポップアップ式から埋め込み式に変更。中身もG-BOOK対応のボイスコントロール式HDDへと大幅に進化している(約2000曲を収録できるミュージックサーバー付き)。また、本革ステアリング、パーキングブレーキレバーを高触感のレザーに変更しているほか、タイプEに標準、タイプSにオプシンとなる本革シートも従来のレッド/ブラックの2トーンからモノトーンに変更。ファブリックシートの形状もサポート性は維持しながらスリム化して後席からの視界を向上させるなど、細かな改良が施されている。価格はマイチェン前と据え置きの260万~300万円、新設定のタイプRSは315万円だ。