中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04

会心の作完成!!マツダRX-7

専用エアロ、19インチホイール、ビルシュタインダンパーなどを装備するタイプRS。ガンメタの鍛造アルミホイールが渋いネ!

専用エアロ、19インチホイール、ビルシュタインダンパーなどを装備するタイプRS。ガンメタの鍛造アルミホイールが渋いネ!

【本記事は2008年5月にベストカーに掲載された記事となります。】クルマは進化するものであり、それは楽しみなことなのだが、自分の愛車となると、ちょっと複雑である。’03年5月に登場し、わたくし、飯干が同年8月に購入したRX-8が、5年目にして初めてのマイナーチェンジを受けた。5年といえばフルモデルチェンジになってもおかしくはない期間。それだけに進化の度合いは相当大きいと覚悟(?)していたが、その予想はやはり当たっていた。新しいRX-8はすべてがよくなっている。改めて「ロータリーは最高だァ!」と確信した。

硬質感を増したタイプS

タイプS:タイプSは相変わらず品のいいスポーツカーだ。エンジン、ハンドリングなどすべてにわたってクォリティアップ

タイプS:タイプSは相変わらず品のいいスポーツカーだ。エンジン、ハンドリングなどすべてにわたってクォリティアップ

まず試乗したのはタイプS。ハイパワー仕様で18インチタイヤを履くスポーツグレードで、私のRX-8もこのタイプ。今回のマイナーチェンジで最強のグレード、タイプRSが加わり注目を集めているが、最初に同じグレードで違いを感じ取ろうという狙いである。250ps表示から235ps表示に変わったハイパワー仕様のエンジンは、レギュラーガソリンへの対応能力を上げたことで表示がダウンしたと説明されているが、より実際に近いパワー表示になったということなのだろう。パワーよりもロータリー独特のフィールが魅力のRX-8ならそれもまたよし。少なくとも私自身は気にならない。オイルの供給システムを機械式から電磁式に変更したエンジンは、2010年代の早い時期に投入されるという新世代ロータリー、16Xの新技術を先取りしたものだという。また、6速MTをアイシン製からロードスターと同じ自社製に変更し、ファイナルギアを低速化。これにより中速域での加速力を向上している。実際に走らせてみると、明確に体感できるほど速くなっているとは思わなかったが、回転フィールがよりスムーズに、そして、明らかに静粛性が上がっているのがわかる。つまり、クォリティがアップしているのだ。私のRX-8はすでに4万km近くを走っているので新車時との比較はできないが、ボディの剛性感もかなり上がっている。台形型のストラットタワーバーの採用やボディ各部の補強により、ねじり剛性で5.4%、曲げ剛性で8.7%向上したとの説明を受けたが、「なるほどね」と納得。ハンドリングは相変わらず軽快かつ正確だ。リアサスのジオメトリーを変更し、また、バネ、ダンパーともに再チューンを施して、制動時とコーナリング時の安定性を向上させたとのことだが、プロのテスターでもない私が雨の一般公道でその差を感じ取るのは難しい。ただし、ステアリングフィールや足回りの硬質感が増していることは確かで、ここでもクォリティアップを実感。もちろん、RX-8の美点のひとつである乗り心地のよさも健在である。

魅力を増したタイプE

タイプE:ラグジュアリーグレードとなるタイプEは17インチタイヤを新採用。ATでも充分にスポーツドライブを楽しめる

タイプE:ラグジュアリーグレードとなるタイプEは17インチタイヤを新採用。ATでも充分にスポーツドライブを楽しめる

続いて本革シート、6速ATのタイプEに乗る。デビュー時には4速だったATは’06年10月に6速に進化しており、今回のマイナーチェンジで初めて設定されたものではないのだが、私自身はRX-8の6速ATに乗るのはこれが初めて。初期の4速ATにはいい印象がなかったが、これならRX-8をATで乗るのもいいね、と思えた。何よりも、パドルシフトやフロアシフトでマニュアル操作しながらワインディングを走る際に選べるギア数が多いのが単純にいい。変速レスポンスも良好で、サーキットを走るならともかく、一般公道でスポーツドライブを楽しむレベルなら、この6速ATで充分。それがいいかどうかは微妙だが、215psとなる標準仕様のエンジンも、235psのハイパワー仕様との差はあまり感じないし、ホイールも16インチから17インチになって見栄えがよくなったし、タイプEの魅力はかなりアップしたと思う。今回は試乗車が用意されていなかったが、5MTと6ATが用意されるベースグレードも、装備以外はタイプEと同様なので、こちらの魅力もアップしているといえる。タイプEは300万円だが、ベースグレードは5MT、6ATともに260万円という価格の安さも大いに嬉しい。

より締まったタイプRS

タイプRS:新グレードのタイプRSは、乗り心地を損なうことなく限界性能を上げている。専用装備満載で315万円はお得

タイプRS:新グレードのタイプRSは、乗り心地を損なうことなく限界性能を上げている。専用装備満載で315万円はお得

最後に、お待ちかねの新グレード、タイプRSを試乗。専用エアロ、19インチアルミ鍛造ホイール、レカロ社製バケットシート、ビルシュタイン社製専用ダンパーを採用したハードサスペンション、発泡ウレタン充填フロントサスクロスメンバーなど専用装備を満載した最強のグレードだ。エンジンは235psで6速MTのみの設定。エクステリアは、ほかのグレードとは一線を画す迫力がある。タイトなレカロシートと合わせて、内外装はチューンドRX-8という雰囲気だが、走らせるとタイプSとの差はそれほど大きくはないことがわかる。ハードサスペンションといっても乗り心地自体はハードさを感じさせないのがいい。専用装備のウレタンクロスメンバーも、乗り心地や音など、走りのクォリティを上げるのが目的だという。タイヤもタイプSの225/45R18に対し、タイプRSは225/40R19となるが、より締まった感覚にはなっているもののイヤなゴツゴツ感はない。つまり、RX-8が本来持つ「品のいい走り」をまったく損なうことなく限界性能を向上させているのだ。このあたりは、企画段階からRX-8一筋でやってきた片渕昇主査のこだわりを感じさせるところ。おそらくサーキットでタイムアタックをすれば、タイプSとの差は明確になるはずだが、一般公道を走っているだけなら、タイプSをより硬質にさせたクルマがタイプRSという印象になる。私がもし買い替えるなら、21万円安く、「素の魅力」を感じさせるタイプSをまた選ぶだろう。どうする、俺!

世にもめずらしいパワーダウン史

RX-8のハイパワー仕様は250psから235psにパワーがダウンしている。マツダ車では、アテンザが旧型の2.3L、178psから新型は2.5Lに排気量アップしながら170psにパワーダウンしているが、これはハイオク仕様をレギュラー仕様にしたことが関係している。マイチェンでは、S2000が2L、250psから2.2L、242psにパワーダウンしたケースもあったが、RX-8はかなりめずらしい例といえるだろう。それでもロータリーは最高だ!

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ