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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04

凛としたクルマ アテンザスポーツワゴン! Newアテンザ3つのボディで登場!!

【本記事は2008年3月にベストカーに掲載された記事となります。】スターターボタンを押しエンジンがかかると、CMでおなじみの、あの「♪ZOOM-ZOOM-ZOOM」のメロディが室内に流れる。マツダの「ZOOM-ZOOM」戦略は’02年、初代アテンザが登場した時から始まった。そして’08年、この2代目アテンザから「ZOOMZOOMエボリューション」がスタートする。初代アテンザは世界中で132の賞を獲ったクルマである。グローバルの販売台数は実に123万1211台(’02~’07年。以下同)。このうち欧州が48万667台、米国が37万9862台、中国が20万1481台、豪州が6万7011台、そして、日本は10万2187台。この数字を見ても、日本よりも海外、特に欧州で評価の高いクルマだったことがよくわかる。それだけに2代目も欧州を強く意識したクルマ作りがなされているが、もちろん、日本でもその魅力はたっぷりと味わえる。セダン、ハッチバック(スポーツ)、ワゴン(スポーツワゴン)の3つのボディも健在だ。

SPORTSWAGON アテンザの代表モデル、スポーツワゴンの進化は?

2代目もセダン、ハッチバック(スポーツ)、ステーションワゴン(スポーツワゴン)の3つのボディで登場。どんなユーザーにも対応できるのはアテンザのいいところだ。また、どのボディも美しく、かっこいいのが最大の魅力ともいえる!

2代目もセダン、ハッチバック(スポーツ)、ステーションワゴン(スポーツワゴン)の3つのボディで登場。どんなユーザーにも対応できるのはアテンザのいいところだ。また、どのボディも美しく、かっこいいのが最大の魅力ともいえる!

3つのボディが用意される2代目アテンザだが、日本市場でメインとなるのは「スポーツワゴン」と呼ばれるワゴンボディ。初代のボディタイプ別の販売比率はワゴン=45%、ハッチバック=35%、セダン=20%となっており、この2代目もその傾向は続くとみられる。アテンザシリーズ全体にいえることだが、近年の欧州市場の流れに合わせてボディを大型化。このスポーツワゴンのボディサイズは全長4765(旧型比+75)×全幅1795(+15)×全高1450(+10)mmとなり、ホイールベースは50mm増しの2725mmとなっている。エンジンは直4.2L(150ps/18.6kgm)と2.5L(170ps/23.0kgm。4WDは166ps/22.9kgm)。初代とは2Lは同じで2.3Lが2.5Lに排気量アップされたことになる。

ボディが大きくなっても経済性は向上している

従来の2.3Lに替わり、MZR2.5Lエンジンを採用。排気量アップしたにもかかわらず燃費は向上させ、またレギュラーガソリン仕様としている

従来の2.3Lに替わり、MZR2.5Lエンジンを採用。排気量アップしたにもかかわらず燃費は向上させ、またレギュラーガソリン仕様としている

ボディが大きくなり、排気量アップしたことで、走りと居住性の余裕は当然増すわけだが、気になるのは扱いやすさと経済性がスポイルされていないかということ。しかし、サイズが大きくなったといっても全幅は1800mm以下だし、全長も4800mmを大きく下回る数値に抑えられており、初代より扱いにくくなっているとは考えにくい。また、2.5Lエンジンも燃費が2.3Lよりも2%向上しているのがポイントで(10・15モード燃費=12.4~13.0km/L)、しかも従来の2.3Lがハイオク仕様だったのに対し、今回の2.5Lはレギュラー仕様というのも、このガソリン高騰時代にはありがたい。最高出力は178psから170psに下がっているが、最大トルクは21.9kgmから23.0kgmにアップしており、ドライバビリティは向上している。ボディの拡大、特に全長、ホイールベースの延長はリアシートとラゲッジルームの余裕の向上につながっている。ワゴンの室内長は1915mmから2030mmに115mmもアップしており、いっぽうでラゲッジルームは長さよりも横方向の広さにこだわり、最大荷室幅はクラストップの1146mmを確保。大型スーツケースが2個横に並べて積める広さを実現している。

マツダ得意のカラクリアレンジがアテンザにも

ラゲッジ側の外からレバーを操作するだけで、ワンタッチでリアシートが倒れ、フラットな荷室スペースが完成する。これも便利な装備だ!

ラゲッジ側の外からレバーを操作するだけで、ワンタッチでリアシートが倒れ、フラットな荷室スペースが完成する。これも便利な装備だ!

スポーツワゴンとスポーツ(ハッチバック)のFF車では、6対4の分割でリアシートがワンアクションで倒せるカラクリフォールドを継続採用。ラゲッジルーム後方の両側にあるリモコンレバーを操作するだけで、リアシートの背もたれが倒れ、同時に座面が沈み込み、フラットなスペースができる。また、スポーツワゴンにはリアゲートに連動してトノボードが開閉するカラクリトノボードも採用。リアゲートの開閉と同じに動くので、トノボードを出したり収納したりする手間が省ける装備である。また、このトノボードは取り外してラゲッジフロア下のサブトランクに収納することも可能となっている。

3代目RX-7のデザイナーによる美しいスタイル

’66年に登場した初代ルーチェがアテンザのご先祖様。ベルトーネデザインの繊細で美しいクルマだった

’66年に登場した初代ルーチェがアテンザのご先祖様。ベルトーネデザインの繊細で美しいクルマだった

このスポーツワゴンに限らず、2代目アテンザはどのボディも美しいデザインになっているのがポイントだ。担当したのがかつて3代目(FD型)RX-7を仕上げたデザイナー、佐藤洋一氏だといえば「なるほどね」と納得する読者も多いのではないだろうか。佐藤氏いわく「日本の心、美意識を意識し、幽玄、凛、精緻の3つをデザインに押し込んだ」という2代目アテンザのデザインは落ち着きと力強さを両立。また、空力性能にも優れており、CD値はセダンとスポーツで0.27、スポーツワゴンで0.28を実現している(先代は0.30)。なお、グレード、価格は41ページの表で紹介している。

NEWアテンザここが変わった

2.5L、FF車はセンターフロアアンダーカバー、フロントタイヤ馬蹄形ディフレクターを採用

2.5L、FF車はセンターフロアアンダーカバー、フロントタイヤ馬蹄形ディフレクターを採用

チーフエンジニアの梅下隆一氏は「ニューアテンザに乗ってすぐにわかる進化は静粛性です」という。そして、このクルマをひと言でいうなら「最高の高速ロングツアラー」であるとも。静かに快適に、疲れずに長距離を走れるクルマ、それがアテンザなのだ。このためにボディを拡大して室内を広く、そして排気量を上げて(2.3L→2.5L)走りの余裕を増したアテンザは、リアサスのダンパーを直立化するなどして足の動きをしなやかにし、また、空力性能を上げて高速走行時の安定性、燃費性能を向上するとともに、ロードノイズも徹底的に抑えている。また、ボディサイズは拡大しているものの、高張力鋼板のハイテン材、ウルトラハイテン材を全体の49%にも使用して重量増を30~40kgレベルに抑えているのもこだわりポイント。トランスミッションはFF車に6MT(スポーツ&スポーツワゴンの25Zと25Sに設定)と5AT、4WD車には6ATが組み合わされる。この4WDは電子制御アクティブトルクコントロールカップリングシステムで、ABS、DSCとの協調制御により状況に応じてリニアに前後の駆動力を変更するもの。前輪100:後輪0から前後50:50までコントロール。インテリアは新開発のシボをはじめ上質な素材を使って質感の向上をはかっているほか、一部グレードに採用される本革シートも従来よりもしっとりと柔らかい革を使用している。インテリアカラーはモダンブラック、カームホワイト、カームホワイト/ブラック、スポーティブラックの全4色を用意。オーディオは専用開発の8スピーカー付きBOSEサウンドシステムを20F、25Cを除く全車にオプション設定している。開発陣が「見ためを裏切る考え抜かれたパッケージ」と胸を張るパッケージングは、より広い室内を実現するとともに、スポーツワゴンはもちろん、セダンとスポーツでも9インチのゴルフバッグとシューズバッグを飲み込むラゲッジスペースを確保。大きな荷物を積んでのロングドライブを得意とするクルマに仕上がった。このほかステアリングスイッチとセンターディスプレイによってオーディオ、エアコン、トリップコンピュータなどの各システムを総合的にコントロールできるクロスファンクショナルネットワーク(CF-Net)はよそ見運転の危険性を極力排し、安全性を向上。また、先進の安全装備を各種用意しているのも重要な進化となる(詳しくは41ページのコラムに)。価格はセダンが207万~250万円、スポーツが228万~267万円、スポーツワゴンが220万~267万円(消費税込み)。月販目標台数は1500台である。

アテンザの系譜

アテンザとしては今回のニューモデルで2代目となるが、その系譜を遡ると、’66年登場の初代ルーチェが元祖となる。その後、ルーチェはラグジュアリーセダンの道を歩み、マツダのミドルセダンはカペラが主役となって、’02年にアテンザに生まれ変わる。つまり、アテンザは、歴史的には42年のキャリアを誇る伝統のあるクルマなのだ。もっともカペラからアテンザへの車名の変更は日本国内だけのことであり、海外での車名はずっとマツダ6。欧州でその名は確固たるブランド力を持っており、日本でいうカペラの時代から、ほかの国産車を大きく凌ぐ高評価を得てきた。いま国産車のなかで最もヨーロピアンな乗り味が楽しめるクルマと評されるのも当然といえば当然なのだ。時代とともにサイズ、排気量は変わり、この2代目アテンザでは全幅1795mm、排気量も2.5Lまで拡大してきたが、欧州で最も有名で、評価されている国産ミドルサイズカーであることは変わらない。

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グーネットマガジン編集部

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