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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06
速攻一番乗り試乗でもその違いを実感できる トヨタ エスティマハイブリッド2代目に進化! 2.4L+THS IIの本格ハイブリッド
ハイブリッドシステムが動力分割機構を軸としたTHS IIに進化

ボディカラーは全5色 ハイブリッドには左の写真の5色のボディカラーが設定される。シルバーをはじめとしたクール系ボディカラーが中心となっている
【本記事は2006年7月にベストカーに掲載された記事となります。】1月にノーマルシリーズが先行してフルモデルチェンジしたエスティマ。ハイブリッドも遅れること半年、6月12日に新型にフルモデルチェンジとあいなった。新型エスハイのキーポイントは、ハイブリッドシステムが従来のCVTを介したタイプから、プリウスやGS450hなどと同じ、動力分割機構を軸としたTHS IIに進化したことだ。THS IIを採用することで、ハイブリッドの効率は旧型よりも格段に向上し、動力性能、燃費ともに向上しているというから楽しみだ。なにはともあれ、エスハイの進化を確認するためにも乗ってみなけりゃ始まらないということでさっそく試乗した。これにより充分新型エスハイの進化を確認することができたのでお伝えすることにしよう。
とにかくパワフルになっている!!

今回は加速性能を試す程度の試乗しかできなかったが、新型エスティマハイブリッドの進化を実感することができた。なんといってもモーターのパワーアップが効果絶大で、発進加速、追い越しをイメージした中間加速の鋭さは旧型エスハイの比ではない。動力性能自慢のエスティマ3.5Lにも匹敵するパンチ力を感じることができた
・とにかくパワフルになっている!!新型エスハイは、エンジン、モーターともに旧型よりも格段にパワーアップされている。エンジン本体は直4、2.4Lで旧型と同じ2AZ-FXE型が搭載されているが、最高出力150馬力(旧型は131馬力)、最大トルク19.4kgm(旧型も同じ)を発揮。さらにモーターはフロント用が17.6馬力から143馬力に大幅パワーアップ、リア用モーターも24馬力から68馬力にパワーアップしている。さらに、フロント用モーターにはリダクションギアが組み合わされており、実質的な「力」はより大きくなっている。そんなわけで、新型エスハイの第一印象は「うわ、力強いなぁ!!」というものだった。例によって停車状態ではエンジンが停止しており、いたって静か。そこからアクセルをグイと踏み込むとモーターでタイヤが半回転ほど回ったところでエンジンが始動。エンジンと前後モーターを合わせたフルパワーで1970kg(G、7人乗り)のボディをグイグイ押し出す。旧型でも力不足を感じることはなかったので、新型エスハイの動力性能は、完全にプラスαの領域。フル乗車時には頼もしい力となってくれることだろう。今度はゆっくりと発進してみる。アクセルをじんわりと踏み込んでいくとモーターだけでシュルルルルルと速度を上げていく。40km/hあたりまではエンジンなしで走ることができるのはプリウスなどのTHS IIを採用する先輩たちと同じ。エネルギーモニター画面を見ていないと、いつエンジンが始動したかわからないほどだった。動力性能は、トヨタの内部テストによると40~70km/h加速が4.2秒。旧型エスハイが4.6秒だったことを考えると、明らかに速くなっていることがわかる。ちなみにエスティマ3.5Lは4.0秒なので、新型エスハイの加速性能は、動力性能自慢のエスティマ3.5Lに肉薄するものだということがデータからもわかる。
「THS-C」からTHS IIに変更

エスティマハイブリッドのメカニズムは、フロントに置かれた直4、2.4Lエンジン(150馬力、19.4kgm)+143馬力、27.5kgmのモーターでフロントタイヤを駆動。さらにリア専用モーター(68馬力、13.3kgm)によりリアタイヤをフロントとの統合制御により独立して駆動。旧型同様E-FOURシステムが採用されている。フロントのエンジンとモーターの組み合わせを動力分割機構を用いたTHS IIに置き換えているのが旧型との最大の違いである
では改めて新型エスハイの細部をチェックすることにしよう。肝心のハイブリッドメカに関しては前のページで解説したとおり、従来のCVTを介した「THS-C」から動力分割機構を用いたTHS IIに変更。独立したリア用モーターを用いたEFOURシステムは旧型同様。
エンジン

エンジンはハイブリッド専用にチューンされた直4、2.4L(2AZ-FXE)を搭載。最高出力150馬力、最大トルク19.4kgmを発揮。旧型よりも19馬力パワーアップされている
エンジンは旧型同様直4の2.4Lだが、最高出力が131馬力から150馬力にアップされ、モーター出力もフロント用が17.6馬力から143馬力に、リア用が24馬力から68馬力へと大幅パワーアップ。前ページの試乗レポートでもお伝えしたように、3.5L、V6エンジンを搭載するエスティマの動力性能にも肉薄するパワフルな走りを味わうことができるようになっている。注目の燃費は20.0km/L。旧型の18.0km/Lを10%以上上回り、1.3Lラスのコンパクトカーなみの10・15モード燃費を実現している。
3列目シートの居住性はノーマルエスティマと同等

前席左右間に大型センターコンソールが設置されるが、この下にハイブリッド用バッテリーが置かれる
・3列目シートの居住性はノーマルエスティマと同等旧型エスハイでは、ハイブリッド用バッテリーを3列目シートの下に置いていた。このため、フロアには3列目シートの部分に段差ができ、3列目シートはスライドすることはできず、また、やや着座位置が高く、ヘッドクリアランスに不満が生じていた。新型ではハイブリッド用バッテリーをフロントシートの左右間、ちょうどセンターコンソールの位置に置くことで、パッセンジャーの居住空間をノーマルエスティマとまったく同じ状態にすることができたのがポイント。前席間にバッテリーを置いたことで左右ウォークスルーはできなくなってしまったが、立派なセンターコンソールが設置され、コックピット感覚でむしろ落ち着く空間となっている。
パッセンジャーエリア

新型エスティマハイブリッドの大きな魅力が、ノーマルエスティマとまったく違いのない2列目シート以降のスペースだ。旧型では3列目シート下にバッテリーが置かれることで、シートアレンジや居住性に大きな制約を受けていたが、新型ではフラットなフロアにすることができ、3列目の床下収納、2列目のロングスライドなどの機能がフルに盛り込まれている。3列目を収納し、2列目を一番後ろにスライドすれば、ごらんのとおりのファーストクラス!!
で、パッセンジャーエリアである。写真を見ていただくのが一番わかりやすいと思うのだが、ズバリ、2列目、3列目シートの居住性はノーマルエスティマとまったく同じです。フロアはラゲッジスペースまでフラットで、3列目シートも前後にスライドするし、3列目シートはノーマルエスティマ同様床下に収納できるので、2列目は超ロングスライドOK。3列目シートを収納して2列目を一番後ろまでスライドさせれば、4人乗りの超リラックススペースが作り出せるのもノーマル同様。この室内アレンジが新型エスティマの大きな魅力なので、ハイブリッドでもこの室内が得られるのはとってもうれしい。
内外装はハイブリッド専用に、ちょっとだけ変わっている

フロントマスクには小さなグリルが装着され、ノーマルとはちょっと違った顔つきとなった
・内外装はハイブリッド専用に、ちょっとだけ変わっているエクステリアはフロントマスクに小さなグリルが付いてノーマルとの違いをアピール。リアは基本的な形状は変わっていないが、リアコンビランプがLEDとなり、クリアレンズを採用することで、見た目の雰囲気は大きく変わっている。パッと見ただけでハイブリッドだとわかる外観の差別化は、ハイブリッドオーナーにとってうれしい。
見た目の雰囲気は大きく変わったリア

ノーマルエスティマとはけっこう外観が違うのでした!! ハイブリッドも基本的にはノーマルエスティマと同じボディ形状を採用しているが、フロントマスクには小さなグリルが追加されており、ちょっとばかり表情が変わっているのが特徴。上の写真では右がハイブリッド、左がノーマルエスティマだ。いっぽうリアはコンビネーションランプのデザインの違いで差別化が図られている。下の写真では左がハイブリッドで、LEDランプにクリアレンズの組み合わせで、右のノーマルとは大きく雰囲気が異なっているのがおわかりだろう
リアは基本的な形状は変わっていないが、リアコンビランプがLEDとなり、クリアレンズを採用することで、見た目の雰囲気は大きく変わっている。パッと見ただけでハイブリッドだとわかる外観の差別化は、ハイブリッドオーナーにとってうれしい。
インテリア

インテリアは、ハイブリッド用バッテリーを搭載することで大型のセンターコンソールが前席左右間に置かれていて、ウォークスルーができなくなるなど大きく雰囲気が違っているが、2列以降は変化なし。インパネデザインは基本的にノーマルと同じだが、メーター部のデザインはハイブリッド専用で、タコメーターがないかわりにハイブリッドの稼働状態を表示するモニターなどが設置されている。ますます進化したエスハイ。ライバル不在である。