中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06
180cmモデルあすかちゃんと90kgデブ屋フカダのピチピチ試乗ダイハツ エッセ
軽自動車市場に、また新しいクルマが参入

身長180cmのあすかちゃんがドラポジをとっても頭上は9cmも余裕があり、まったくストレスなし
【本記事は2006年2月にベストカーに掲載された記事となります。】「小さくてちょっとカワイイ顔のクルマですね」というのが今回、ダイハツエッセでドライブしてくれたモデルのあすかちゃんの最初の感想。ここのところドンドン売り上げを伸ばしている軽自動車市場に、また新しいクルマが参入。新しいチャレンジャーエッセの魅力を探るべく「背の高い人代表」としてモデルのあすかちゃん、「音羽デブ屋代表」として編集部フカダがエッセでデートした(設定です)。身長180cmというのはさすがに高い。フカダの第一印象では、「頭がつかえてしまうのではないか」と心配になってしまうほど。さっそく彼女にエッセに乗ってもらい、ドラポジをとってもらったところ、心配した頭上高はまったく問題なし。実測で9cmの空間があり、圧迫感もまったくないという。「私はシンプルなデザインのものが好きなんですけど、エッセのインテリアはまさにストライク! という感じ」と、かなりの高評価。
後席に圧迫感はない

ドラポジをとってもらった状態で、後席フカダは膝前10cmの余裕。これまた圧迫感はなし
ドラポジをとってもらった状態でフカダが後席に座り広さを確認した。身長が高いぶん、シートはかなり後ろに下がっていたが、長いホイールベースのおかげで、足もとはまったく問題なし。太い膝の前に10cmの空間が確保された。シートも軽くリクライニングしていたが、デカイ腹にもまったく圧迫感はない。
ポイント(1)/シンプルなデザインと広い室内

大きな2人でも室内広々
●ポイント(1)/シンプルなデザインと広い室内価格が安いことも魅力のひとつだが、インテリアの質感は高く、シンプルだが飽きのこないデザインを採用している。ムーヴのように全高が高いパッケージングではなく、同クラスのライバルのアルトより30mm低い、全高1470mmだが、充分に室内高が確保されており、頭上空間は余裕がある。またロングホイールベースを生かして、後席の足もとスペースも余裕があり、4人が快適に乗車できるパッケージングだ。
狭い路地もスイスイ走れる

狭い中もスイスイ 最小回転半径は4.2mで取り回しもよく、中華街の狭い路地もスイスイと走ることができるの
室内の広さを確認したところで、今度はドライブがてら横浜中華街へと出かけた。中華街は、ちょっと裏側に入ると狭い道が多く、また営業車などが停車していたりして、あまり走りやすくない。大型のセダンがすれ違えなくて立ち往生していたりする。ここでコンパクトなエッセの取り回しのよさは大きな武器になる。狭い路地もスイスイ走れ、人で溢れる中華街の通りを走るのも怖くない。「クルマの周りがよく見えるし、狭い曲がり角も便利」とあすかちゃんも太鼓判。体重の重いフカダは、自然吸気の軽自動車にありがちなパワー不足が心配だったが、エッセのトルクの太いエンジンに大満足。これなら減量に悩むこともなさそうだ。
ポイント(2)/トルクの太いエンジンとキビキビしたハンドリング

力強い加速でキビキビした走りのエッセ。パワステは油圧だが、中立のどっしりした質感の高いもの
●ポイント(2)/トルクの太いエンジンとキビキビしたハンドリング新開発のKF型エンジンは、低中速トルクが従来のEF型を5%上回っており、自然吸気(ターボは設定なし)ながら力強い加速が可能。最高出力58psというパワーは、ライバルたちを大きく上まわる。最小回転半径は4.2mで狭い道での取り回しは楽だし、軽量でトルクフルなエンジンとの組み合わせでキビキビしたハンドリングを実現している。大満足の試乗となったが、このエッセの価格が、68万2500円からと聞いてあすかちゃんもビックリ。「あたしけっこうコンパクトカーが好きなんでこれならいいかも!」ECOはエアコンこそあるがMTのみなのに対して、Dはオーディオ付きでATや4WDが選べる実質的な最廉価クラス。Lは女性にうれしいUVカットガラスやツートーンのインテリが選べ、Xはアルミホイールなど豪華装備満載で、好みに合わせてグレード選択が可能。
エッセのバリューフォーマネー

エンジンはこんなに軽い アルミブロック採用の新直3エンジンは単体で47kgまで軽量化され
エッセのバリューフォーマネーTEXT/鈴木直也最廉価モデルで60万円台からというプライスでわかるとおり、エッセはコストパフォーマンス重視の“軽のベーシックカー”を目指したクルマだ。ただし、安くするために「既存のコンポーネンツを適当に使い回す」のではなく、「今後のダイハツ軽の土台を担うメカを新開発した」ところがポイント。「最初にきちんとした材料を調達し、それを使って安くてもおいしい料理を作る」という基本スタンスがそこここに感じられるのがイイ。まず、評価したいのはエンジンの優れたドライバビリティだ。新開発のKF型はアルミブロック化やロングストロークの採用で実用域の使い勝手を重視した設計。実際に乗ってみても、全域でトルキーでしかもトップエンドもそこそこストレスなく伸びる。このスムーズで力強いドライバビリティは、軽のNAとしてはベスト。過給に頼れないベーシック軽のエンジンとして、実にいい仕事をしている。タントなどのEF型エンジンでは60kg以上あった重量がこのKF型ではブロックのアルミ化などで47kgに抑えられているのも評価すべき点だ。また、ハンドリングに安っぽさが感じられないのもいい。パワステはきちんとセンター付近の座りがあるし、セルフアライニングトルクもしっかり出た質の高い操舵感。聞けば、コストの点で油圧パワステを選択したそうだが、操舵フィールに関しては安物の電動パワステよりずっといい。ベーシックなんだけれど、基本のきわめてしっかりした骨太なベーシック。それがエッセの魅力だと思う。バリューフォーマネーは充分に高い。