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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.11.08
【ホンダ】ターボエンジンの弱点を克服し、燃費性能も向上させたウィングターボとは

goo-net編集チーム
ホンダの「ウイングターボ」は、
ターボエンジンの宿命でもある、ターボが効き始めるまでのターボラグがごく僅かで、
ドライバビリティに優れたエンジン技術です。
通常は燃費の面で不利な過給機(ターボ)ですが、
ウイングターボは、自然吸気エンジン並みの燃費性能と、
高級セダンに相応しい走行性能を両立させた技術です。
ここでは、ターボエンジンの弱点を克服したウイングターボの特徴に迫ってみました。
ウイングターボの特徴
ホンダのウイングターボは、1988年10月に当時の「レジェンド」に搭載されたエンジン技術でした。
ホンダのフラッグシップ車として、燃費性能に優れるトルクバンドが、
広くスムーズで滑らかな走行性能を両立させた画期的なエンジンとして話題を集めました。
2.0L V型6気筒24バルブSOHCのパワーユニットに、
ホンダのオリジナル技術である可変ウイングターボを搭載しました。
当時、ホンダはエンジンサプライヤーとして、
フォーミュラーレースの最高峰F1シリーズに参戦しており、
当時のレギュレーションに則ったターボラグの少ないエンジンの開発を行っていた背景があります。
F1レースで培われたホンダのテクノロジーがフィードバックされ、
市販車に応用された例としてウイングターボは誕生しました。
ウイングターボの技術
可変ウイングの緻密な制御は、
PGM-FI(燃料噴射装置)とターボECU(エンジンコントロールユニット)により行います。
ターボチャージャーのタービンプレートの周囲の4枚の固定ウイングに、
羽根状の弁(可変ウイング)を設け、
可変ウイングの角度を微妙に変化させることで低回転域のトルク不足にも対応しました。
加速時の高負荷状態では、
可変ウイングは全閉となり排気ガスの流速を高めることで高回転域まで、
レスポンスに優れ段付きのないスムーズな加速性能を実現しました。
また、乗用車用のターボエンジンとしては、今までに例を見ない、9.0の高圧縮比を実現し、
高級車らしい質の高い走りと優れた燃費性能を実現しました。
ウイングターボの出現によって、
市販車における、ターボ=燃費の悪化、ターボラグの発生、という図式を覆したと言えるでしょう。
ウイングターボは、超ハイテク技術に捉えられますが、その仕組みは極めてシンプルです。
80年代後半にF1のレギュレーションは自然吸気エンジンへシフトし、
同様にターボエンジンの開発から、自然吸気エンジンの開発へとシフトしました。
その後、約25年の歳月を経て、
小排気量エンジンにターボを搭載したダウンサイジングターボとして蘇りました。
ターボラグのない高出力・低燃費のウイングターボで培われたターボエンジン技術が、
現代にも脈々と受け継がれています。