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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.09.05
【三菱】進化する可変バルブタイミング機構MIVECエンジンの耐久性や仕組みとは

goo-net編集チーム
三菱自動車では「高出力」「低燃費」「クリーン性能」の、
エンジンに求められる3つの基本性能をバランス良く実現させた「MIVECエンジン」があります。
1992年の発表以来、このMIVECエンジンの進化は現在も続いています。
そこでもう一度MIVECエンジンとはどのようなエンジンなのか、
そして、どのように進化しているのかを説明します。
MIVECエンジンとは
MIVECとは「Mitsubishi Innovative Valve timing Electronic Control system」の略称で、
三菱自動車の可変バルブタイミング機構を持つエンジンの総称です。
基本はエンジンのピストンの上下動にともなう吸入・排気の気体流速に合わせて、
低回転のときはバルブの開く間隔を短く、
高回転でピストンが動くときはバルブの開く間隔を長くする機構です。
通常のエンジンではバルブの開閉タイミングは等間隔ですが、
バルブ開閉を可変させることでエンジンの回転効率が良くなります。
MIVECエンジンはそのバルブの開閉の長さとタイミングをエンジンの回転数に応じて、
変化させる技術です。
「MIVECエンジン」は、1992年に吸気側と排気側の2つのカムを切り替える、
可変バルブタイミング機構が初めて「ミラージュ」に採用され、
その後さらなる高性能化を目指して改良を重ねていき、
2005年に発売された「アウトランダー」、
2007年に発売されたデリカシリーズの「デリカ D:5」「ギャラン フォルティス」では、
吸気・排気のバルブタイミングを連続的に制御する機構を採用しました。
その後、SOHCのシンプルな構造で連続的にバルブタイミングを可変制御する、
「新MIVECエンジン」を「RVR」「ギャラン フォルティス」、
「ギャラン フォルティス スポーツパック」「デリカD:5」「アウトランダー」に搭載しています。
新型MIVECエンジンの特徴とメリット
新型MIVECエンジンは、従来のMIVECエンジンと比較してより高い燃焼効率を実現し、
環境性能に優れる特徴を持っています。
吸入空気量をスロットルバルブに加え、吸気バルブのリフト量の変化によっても調整し、
エネルギー損失を低減・燃焼室の形状を最適化しました。
その結果、燃焼効率が高まり、ピストンの形状による摩擦抵抗の削減と相まって、
燃費性能の向上に繋がりました。
従来のDOHCヘッドを持つMIVECと同等の出力性能をSOHCタイプのシンプルなエンジンで、
実現したことで、部品点数の削減やエンジン重量の軽量化など、
コストや操作性の面でもメリットとなります。
さらにAS&G(オートストップ&ゴー)の作動時には、エンジンの吸気量を制御し、
振動の少ないスムーズな停止と発進を実現するとともに再始動時の燃料量も削減にも寄与しています。
その結果、「エネルギー損失を最小限に抑制」することで「低燃費に貢献」が可能となりました。
何よりも連続可変バルブタイミングリフトを高性能なDOHCエンジンではなく、
シンプルな「SOHCで実現」したことが大きな特徴です。
新型MIVECエンジン搭載車
【DOHC16バルブ4B1型MIVECエンジンを搭載する車種】
・アウトランダー(2005年発売)
・デリカ D:5(2007年発売)
・ギャラン フォルティス(2007年発売)
【DOHC12バルブ3 B2型MIVECエンジンを搭載する車種】
・eKワゴン(2013年発売)
・eKカスタム(2013年発売)
・eKスペース(2014年発売)
・eKスペース カスタム(2014年発売)
【DOHC12バルブ3 A9型MIVECエンジン(可変バルブタイミング機構)を搭載する車種】
・ミラージュ(2012年発売)
【SOHC16バルブ4J1型MIVECエンジンを搭載する車種】
・デリカD:5/2WDモデル(2011年発売)
・アウトランダー(2012年発売)
当初はコンパクトなエンジンで気持ちの良い走行性能を高めるエンジン機構として、
可変バルブタイミング機構は開発されましたが、
現在では軽自動車からSUV、ミニバンにいたるまで、
エンジンの効率化を向上させる機構として応用が拡大しています。
今後もエコロジーの観点からガソリンエンジンを支える技術として、
三菱自動車の「MIVEC」機構は進化し続けることでしょう。