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更新日:2020.01.08 / 掲載日:2017.07.31
【日産】GT-Rで採用!匠が造る手組みエンジンとは

goo-net編集チーム
日産が世界に誇る高性能スポーツカーのGT-Rは、エンジンの一基一基を匠(たくみ)により手組みで組み立てています。
ライン作業ではできない職人による経験と感覚で組み立てるエンジンこそ、フェラーリやポルシェなど世界を代表する名だたるスポーツカーと並び、賞賛を得ることができる要因と言えるでしょう。
手組みエンジンの概要
GT-Rの心臓とも言うべきエンジンは、横浜工場で一基一基手組みによって完成させます。
1人の熟練した職人が付きっきりで組み立てます。
レーシングカーと同様に、チリやホコリのないクリーンルームで、ただ1人で黙々と作業を行います。
職人の手作業が新たな生命を誕生させるような厳かで崇高な儀式のようです。
GT-Rの手組みエンジンの部品点数は374で、これを神の領域のような職人技で調整し、伝統の3.8L V型6気筒ツインターボのパワーユニットが完成します。
約3,000人が働く横浜工場で、GT-Rの手組みエンジンを担当できるのは匠と呼ばれるわずか5人のみです。
エンジンには、その証として匠のネームプレートが装着されます。
手組みエンジンの背景
なぜ、日産は手間のかかる非効率的な手組みエンジンにこだわるのでしょうか?
それはGT-Rを求めるユーザーと真摯に向き合う姿勢の表れと言えるでしょう。
GT-Rの中心価格帯は1,200万円程です。
車にこれだけの金額を捻出できるユーザーは、限られてきます。
しかし、GT-Rを購入するユーザーは、車本来の走りにこだわります。
絶対的なパワーも重要ですが、回転の滑らかさやフィーリングなどは手組みによる繊細なセッティングで実現できる要素なので、なかなかライン生産による組み立てでは難しい領域と言えるでしょう。
例えば、部品間のすき間を調整する「バルブクリアランス」という作業があります。
ラインの組み立ては、すき間(クリアランス)を全エンジンで決められた数値で固定して出荷します。
GT-Rは匠が計測データと自らの感覚を基にすき間を決めるのですが、各エンジンによって異なり1/100mm単位で調整します。
この数値が適切でないと、わずかな燃焼効率の違いが生じサーキットの世界では大きな差が出ると言われています。
まさに究極のエンジンチューニングと言える日産のこだわりです。
2017年の新モデルのGT-Rの年間販売計画台数は800台です。
しかし、これを大幅に超えて900台弱の受注がありました。
5人の匠で1カ月平均100エンジンを組み立てると、年間で1,200台の生産が計算上可能です。
しかし、1人の熟練した職人が創り上げていくエンジンのため、年間800台程度の生産になるのも頷けるでしょう。
なぜ、匠の手によってエンジンを手組みするのかは、日産のプライドと自信の表れなのかも知れません。
GT-Rブランドを頑なに守る姿勢がコアなファンから支持される要因と言えるでしょう。