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更新日:2020.01.07 / 掲載日:2017.07.24

【マツダ】ロータリーエンジンの開発秘話とは。主な特徴とメリット・デメリットについて

【マツダ】ロータリーエンジンの開発秘話とは。主な特徴とメリット・デメリットについて

goo-net編集チーム

マツダ車の代名詞ともいえるロータリーエンジンは、なぜ誕生したのでしょうか。
開発秘話とエンジンの特徴に加え、メリット・デメリットを見ていきます。

ロータリーエンジンとは

ロータリーエンジンは、その名の通り、ローターの回転運動によって生み出されるエネルギーを、動力(出力)に換える特徴を持つエンジンです。
ローターハウジング内の三角形のローターの回転によって、「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」の工程が3回行われます。

一般的なエンジンはレシプロエンジンといって、ピストンの往復(上下)運動を動力(出力)に換える点が大きく異なります。

自動車においてはシトロエン(フランス)やNSU(西ドイツ)、VAZ(ロシア)で実用化され、ダムイラー・ベンツ(ドイツ)や日産自動車(日本)など、名だたる世界的なメーカーも研究・試作しましたが、量産車として本格的に市販に至ったのは、世界でマツダ(日本)だけです。

しかし、2012年6月22日をもってマツダRX-8の生産が終了し、ロータリーエンジン市販車の歴史に終止符が打たれました。
オートバイではスズキ(日本)やバンビーン(オランダ)、DKW(ドイツ)がロータリーエンジンを搭載しましたが、いずれも少数で生産を終えています。

ロータリーエンジンのメリット・デメリット

ロータリーエンジンには、一般的なレシプロエンジンと比較して以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

・シンプルな構造のため、軽量でコンパクト
・小さい排気量でも高出力を実現
・ローターの回転運動なので騒音と振動が少ない
・トルク変動が少ないため、エンジン特性が滑らか
・燃焼温度が低いため、窒素化合物の排出量が少ない

デメリット

・圧縮比や吸気効率などが低いため、燃費性能が劣る
・エンジンオイルも同時に燃焼するので酸化が早く、劣化しやすい
・低速域の燃焼効率がやや低く、低速トルクが細い傾向がある
・シーリングの劣化により、圧縮が低くなるなど定期的なメンテナンスが必要

上記の通り、デメリットもありますが、エンジンがコンパクトにできることや大きな出力が得られることから未来のエンジンと期待され、多くの自動車メーカーが実用化に向け開発に取り組みました。

ロータリーエンジンの開発秘話

1967年5月に東洋工業(現マツダ)からロータリーエンジンを搭載した、世界初の量産車として「コスモスポーツ」がデビューしました。
宇宙船のようなフォルムを持つ2シータースポーツカーに、わずか982cc(491cc×2ローター)のロータリーエンジンが搭載されることで、センセーショナルな驚きをもって登場しました。

当時の1.6Lレシプロエンジンを凌ぐパワーと加速性能から、他自動車メーカーからも羨望のまなざしで注目され、未来のエンジンと大いに期待されました。
当時の背景として、日本経済は高度経済成長と高速道路の開通により本格的なモータリゼーション時代を迎え、自動車開発の戦いも各社で激化し、マツダが生き残りをかけるために開発したのが、各社が追随できないロータリーエンジンの市販車でした。

当時のマツダ社内では三輪車、軽自動車開発が主流でした。
ロータリーエンジンの開発者たちが、決して表舞台に立っていたわけではありません。
潤沢とはいえない開発費を使いながら、未知のエンジンに期待を寄せて開発を続けました。

その後、ファミリアロータリークーペ、ルーチェカペラサバンナコスモRX-7へと搭載車種を拡大。
1991年ル・マン24時間レースでは、4ローターのロータリーエンジン搭載のマツダ車が念願の総合優勝し成し遂げ、耐久性と高い技術力を証明しました。
レース後もまだまだオーバーホールせずに走行できる状態であったほど、信頼性の高いエンジンであったことは未だに語り継がれています。

ロータリーエンジンは、熱強いファンに支えられてきました。
しかし、時代は低燃費車のトレンドになりました。
スポーツマインドにあふれる高性能エンジンの需要は、減少の一途をたどりました。
マツダは今後、ロータリーエンジンの技術を水素ロータリーエンジンや電気自動車への応用など、次世代の新たな技術開発へと大きくシフトしています。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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