中古車購入
更新日:2018.12.02 / 掲載日:2015.12.18
みんなに優しいスライドドアが魅力

シエンタがフルモデルチェンジし2代目が登場した。先代も個性的だったが、新型も目を引くカタチ。さらにハイブリッドを設定して魅力をアップした。今回は先代モデルも交えてシエンタの魅力に迫る。
トヨタ シエンタはこんなクルマ
2nd(生産期間:2015年~)
新車価格帯:168万9709円~232万9855円 (全グレード)
主要諸元
2015年式 トヨタ シエンタ ハイブリッドG(CVT)
全長×全幅×全高:4235×1695×1675mm
ホイールベース:2750mm
トレッド前/後:1480/1480mm
車両重量:1280kg
総排気量:1496cc
エンジン:直4DOHC
エンジン最高出力:74ps/4800rpm
エンジン最大トルク:11.3kg m/3600-4400rpm
モーター最高出力:61ps
モーター最大トルク:17.2kgm
JC08モード燃費:27.2km/L
サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム
ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
タイヤ前後:185/60R15
ヤングファミリーにも手の届くスライドドア
子育てファミリーにとって、リヤにスライドドアを持つミニバンは、ジャストな乗り物と言っていい。でも、2Lクラスとなると、取りまわし性、価格、維持費の面で「手が届きづらい」と感じるひとが多いのも事実。シエンタがターゲットとするのは、そうした「便利」と「身近」のバランスを最重視するユーザーだ。
2代目は全長を115mm拡大するなど、少し大きくなって登場したが、日常の取りまわしのよさはきちんとキープ。その上で、3列目も使える居住スペースを実現、シートアレンジも、インテリアの質感も大きくグレードアップさせたのだから、魅力はグーンと高まったのは間違いない。
また、ユニークなデザインやカラフルなボディ色も、2代目のウリの要素だ。はじめは馴染めない人もいるだろうが、フランス車的なおしゃれさが漂う。家族みんなの気持ちを高揚させるポップさは、トヨタデザインの新たな切り口と言える。
走りの性能については、カドのない快適な乗り心地と、先代から大幅に改善された静粛性が光るところ。宿敵のフリードと比べても快適レベルは上だ。そして、モード燃費値でも大きくリードする。心臓は2種を用意するが、快活な走りが好みなら109馬力/13・9kgmの1.5Lガソリン(FF車)がマッチする。
で、市街地燃費および静粛性を重視するひとには、新登場のハイブリッドが向く。1.5Lガソリンには4駆も設定されるが、エンジンおよびCVTはやや旧式なタイプ。とくに4WDを必要としないのなら、FF車を選ぶのが賢いチョイスと言える。
INTERIOR インテリア
居住性もアップして高品質化した室内
モダンでおしゃれな造形は、外観の方向性とも一致する。見どころは、収納に代表される機能性と、デザイン性を高いレベルで融合させた点。小径ステアリングの上に配置したメーターも、視認性と機能性との両立がねらいだ。樹脂表皮のてかりを抑えるなどして高い質感を実現した点や、多機能な4.2インチ液晶ディスプレイの採用も、新型シエンタのトピックとなる。


全長約4.2mのコンパクトボディに3列シートをレイアウトしたパッケージングは優秀。2列目シートをスライドさせれば、3列目でも大人が座れる空間が出現する。
MECHANISM メカニズム
ハイブリッドの設定で27.2km/Lを達成
心臓は、新世代の高効率1.5L(2NR-FKE型)と、アクア用をコンバートした1.5Lベースのハイブリッドの2タイプ。ハイブリッドのJC08モード燃費値は27.2km/Lと優秀だが、ガソリン1.5Lの快活な走り味にも魅力がある。
RIVAL ライバル
ホンダ フリード

新車価格帯:174万6000円~239万2400円(全グレード)
実力は依然高いがそろそろ世代交代か
直接のライバル車。シエンタと比べて全長は短めで、取りまわし性の面では有利だが、もはや新鮮みはない。心臓は1.5Lと、ジェイド用より世代の古いIMA式ハイブリッド。
ホンダ ジェイド

新車価格帯:272万円~292万円(全グレード)
低く構えたフォルムがスタイリッシュ
3列シートを備えるが、ウリは立駐対応の低く、スタイリッシュなフォルム。「3ナンバー」の全幅も含めて、方向性は大きく異なる。心臓はハイブリッドと1.5L直噴ターボ。
HISTORY ヒストリー
先代モデルはロングセラー車
ホンダ モビリオの対抗馬として2003年に登場。丸目マスクの愛らしさをウリとして、若いファミリー層に魅力をアピールしてきた。10年にいったん生産を休止し、11年に復活したという経歴はユニークだ。
1st
2003年9月ニューモデル
2006年5月マイナーチェンジ
2011年5月マイナーチェンジ
2nd

2015年7月フルモデルチェンジ
世代別中古車物件比率

今年7月にフルモデルチェンジしたばかりだが、さっそく中古車が流通し始めた。しかし先代の物件数は膨大で、新型の割合は1%程度となっている。
※すべての価格は参考価格です

多くのアンコールに応えて復活した トヨタのスモールサイズミニバン
1st 後期型 (生産期間:2011年~2015年)
いまが買い時!フルモデルチェンジで先代がリーズナブルに買える
ハイブリッドや広くなった室内など、大きく進化した新型シエンタに注目が集まるが、中古車として買うなら選択肢は先代で決まり。後期型は相場が高めで推移しているが、今後の値下がりに期待が持てる。
中古車参考価格帯:90万円~180万円 (11年~15年※ダイスのみ)
主要諸元
2011年式 トヨタ シエンタ ダイス(CVT)
全長×全幅×全高:4120×1695×1670mm
ホイールベース:2700mm
トレッド前/後:1465/1485mm
車両重量:1220kg
総排気量:1496cc
エンジン:直4DOHC
最高出力:110ps/6000rpm
最大トルク:14.4kg m/4400rpm
JC08モード燃費:17.2km/L
サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム
ブレーキ前/後:Vディスク/ドラム
タイヤ前後:175/70R14
後期には新たなる個性「ダイス」を追加投入
2010年にシエンタが生産を終了したのは、モビリオからのスイッチで人気を飛躍的に高めたフリードに引導を渡されたカタチ。トヨタのもくろみとしては、新たなコンパクト3列シート車として投入したパッソセッテで、シエンタのユーザー層もカバーするつもりだった。だが・・・・・・。
リヤドアがスイング式で、天井も低めのパッソセッテの実用性はいまひとつ。子育てファミリーの支持は薄く、シエンタが2011年6月から再登板をすることになった。
後期型の注目点は、イメージを大きく変えたダイスの新投入。親しみの湧くまる目マスクは、女性には「かわいい」と好評だったが、アンチ派の男性も存在しただけに、これがユーザー層拡大の好機となった。ちなみに、まる目モデルもここでリヤコンビランプを一新している。
また、環境性能や安全対策の強化が図られたのも後期型の見どころ。2013年の改良では、横滑り防止装置をFF全車に標準化した。
シエンタ(初代)性能チャート
実用性と燃費が優秀なすぐれた道具としての1台
シエンタの車台は、前部はBセグ用だが、後部はクラス上のCセグ用。それが、運転時の「安心」につながる走りのしっかり感に活きている。動力性能については、CVT採用のFF車はキビキビと走るが、車重が重く、4速ATという足かせもある4WD車は及第点にとどまる。実用性はもっとも評価できる点で、高齢者のいる家庭でも重宝するクルマと言える。
エンジンバリエーション
後期型
1496cc直列4気筒(1NZ-FE)
最高出力110ps
最大トルク14.4kg m(03年~15年)
ボディタイプ:5ドア/乗車定員:7名
INTERIOR インテリア
後期型
開放感を重視したレイアウトが特徴
センターメーターとインパネシフトを採用するインパネは、実用重視のシンプルなデザイン。アイボリー内装は明るいムード、グレー内装のダイスはスポーティなムードを特徴とする。なお、シルバー加飾の採用で質感を高めたステアリングが、後期型のわかりやすい識別点だ。
3列目はクッション、シートバックとも小ぶりで、大人が長く座るには適さない。だが、いざというときに7人乗れるのはとても便利。日常は2列の使用とし、広い荷室として活用するのが一般的だ。
MECHANISM メカニズム

後期型
後期モデルはわずかながら燃費を改善
FF車はエンジン、CVTなどに改良を施し、10・15モード燃費値を18.6から19.2km/Lに改善。4駆を含めて1NZ-FE型を積むが、出力はFF用が110馬力、4WD用が105馬力だ。
ノーマル仕様のシエンタも再投入

後期型
ルックス面の違いは、リヤコンビランプのデザインを変更した程度と軽微。新色としてマルーンブラウンマイカ、ライトブルーメタリックを追加したことで、ボディカラーは全8色となった。

中古車参考価格帯:80万円~160万円(11年~15年※ダイスを除く)
ノーマル仕様は親しみやすいアイボリーの内装色を採用。シート表皮には、肌にやさしいフレシール加工が標準で採用されている。
MARKET DATA マーケットデータ (後期型:2011年~2015年)
高年式のシエンタが100万円台前半の予算でねらえるように
4年落ちの2011年式「X」の相場が102万円、2012年式が101万円と、ほぼ100万円が購入の目安。一方「ダイス」はそれよりも20万~30万円ほど相場が高い。後期型は低走行車が多いのも魅力である。
グレード×年式別相場
2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | |
---|---|---|---|---|---|
X | 102万円 | 101万円 | 111万円 | 134万円 | 148万円 |
G | 110万円 | 128万円 | 134万円 | – | 194万円 |
ダイス | 118万円 | 128万円 | 143万円 | 147万円 | 156万円 |
走行距離×年式別相場
2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | |
---|---|---|---|---|---|
3万km未満 | 118万円 | 134万円 | 140万円 | 145万円 | 158万円 |
3万km~5万km | 115万円 | 126万円 | 122万円 | 147万円 | – |
5万km以上 | 97万円 | 103万円 | 95万円 | – | – |
年式
後期型登場の翌年である2012年式がもっとも豊富。モデル末期の2015年式も多く、全体の21%を占める。走行距離
登場から4年しか経っていない後期型。3万km未満はかなり豊富で、全体の57%と多い。5万km以上は13%。
グレード
後期型シエンタの目玉モデルとなるのが「ダイス」。その影響もあり、全体の66%とその割合は多い。
7人乗りのコンパクトカーとして幅広いユーザーに愛されたシエンタ

前期型
コンパクトカーをベースに3列シートを備えたシエンタ。ライバルが少ないスモールミニバン市場のなかで、キュートなスタイルと使い勝手のよさは多くのユーザーから支持された。
1st 前期型 (生産期間:2003年~2006年)
中古車参考価格帯:20万円~130万円 (03年~10年※全グレード)
主要諸元
2003年式 トヨタ シエンタ X(CVT)
全長×全幅×全高:4100×1695×1670mm
ホイールベース:2700mm
トレッド前/後:1465/1485mm
車両重量:1210kg
総排気量:1496cc
エンジン:直4DOHC
最高出力:110ps/6000rpm
最大トルク:14.4kg m/4400rpm
10・15モード燃費:19.0km/L
サスペンション前/後:ストラット/トーションビーム
ブレーキ前/後:Vディスク/ドラム
タイヤ前後:175/70R14
広さとスライドドアをリーズナブルな価格で
そもそもトヨタは、コンパクトミニバン市場の開拓者。97年に投入したカローラスパシオは、クラス初の3列シート6人乗り車として大きな注目を集めた。だが、01年にモビリオが登場すると、市場のニーズはより広いキャビンとリヤスライドドアを持ち、価格もリーズナブルなライバルのほうに傾くことに。その対抗馬として開発されたのが、03年デビューのシエンタだったのだ。
欧州の路面電車をモチーフとしたというモビリオがクセのあるスタイルを持つのに対して、シエンタはコンパクトカーらしい親しみやすいルックスを採用。ママの心をがっちりとつかみ、一躍人気者になった。
使い勝手のよさのカギを握るのは、520mmの左右独立ロングスライドが自慢のセカンドシート。チップアップからスライドまでの操作を、持ちかえることなく「片手でポン!」と行えるレバーは技ありで、子育て家族にピッタリのコンパクトミニバンに仕立てられていた。
INTERIOR インテリア

前期型
開放感を重視したフラットデザインのインテリア
高い天井に加えて、インパネ形状をスッキリと見える水平基調とすることで、開放的でリラックスできるインテリアを演出している。下部を淡色としたツートーン配色もなごみのポイントだ。
1st 中期型 (生産期間:2006年~2010年)

マイナーチェンジで前後デザインを変更
06年に実施した改良では、ヘッドライトやグリル、フロントバンパー、リヤコンビランプに加えて、ホイールキャップのデザインも変更。ターンランプ付きドアミラーも採用して、スッキリと洗練された容姿となった。
WELCAB ウェルキャブ

福祉車両としての実力も高いコンパクトなスライドドア
注目は、きわめて低く設計されたラゲッジフロアと下から大きく開くテールゲートで、車いすの乗り降りを容易にしている。最大5人乗車の車いす仕様を設定するのも人気の秘密だ。
MARKET DATA マーケットデータ (前・中期型:2003年~2010年)
50万円前後の低予算で購入可能な前・中期型
2006年以前の前期型は50万円以下の車両がほとんど。2006年~2010年の中期型は50万~80万円が相場となっている。ただし低走行車は少なく、多くの物件が5万km以上。低予算で買うなら、後期型よりもおすすめ。
グレード×年式別相場
2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
X | 28万円 | 30万円 | 36万円 | 43万円 | 55万円 | 68万円 | 70万円 | 80万円 |
G | 34万円 | 32万円 | 40万円 | 57万円 | 54万円 | 74万円 | 81万円 | 95万円 |
走行距離×年式別相場
2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
5万km未満 | 38万円 | 45万円 | 55万円 | 66万円 | 73万円 | 80万円 | 89万円 | 99万円 |
5万km~8万km | 32万円 | 34万円 | 42万円 | 53万円 | 58万円 | 73万円 | 77万円 | 83万円 |
8万km以上 | 26万円 | 25万円 | 31万円 | 33万円 | 42万円 | 66万円 | 62万円 | 66万円 |
IMPRESSION インプレッション
ユーザー口コミレビュー
総合評価:4.0/5.0(初代)
ドライバー歴9年/グレード:ダイス
短時間なら7人で乗っても快適なのが魅力。ただし、乗車人数が少ないとき、高速道路で走行中にふわふわ感が出てくるのが気になりました。でも小さなミニバンに乗るなら最適な1台になると思います。
総合評価:4.8/5.0(初代)
ドライバー歴25年/グレード:ダイス
初めての7人乗りですが、小まわりがよくコンパクトで運転に自信のない方にもおすすめできます。しかし、思ったほど燃費はよくありません。毎回思いますが低価格の車種にもオートエアコンがほしいです。
総合評価:3.0/5.0(初代)
ドライバー歴17年/グレード:X
大きなミニバンにも匹敵するほどの室内の広さ、サードシートはエマージェンシー的ですが、5ナンバーサイズに抑えてるところはとても評価できます。ただし、ロードノイズがやや気になります。
※口コミレビューは、Goo-netに投稿されたものを一部抜粋・改変して記載しています。
総合評価は5点満点。

自動車ジャーナリスト森野恭行の○と×
GOOD
コンパクトなサイズに使いやすさを凝縮している
日常の取りまわしが楽なサイズで、7人乗りを可能とした3列シートキャビンが魅力。リヤスライドドアと相まって、多様な生活シーンにフィットする高度な実用性を実現している。加えて、見た目からイメージするよりも、走りの能力もずっと高い。穏やかにしつけられたシャシーが、安心と快適を特徴とする走り味を引き出すポイントだ。
BAD
室内空間のゆとりや走りは背高ミニバンにかなわない
2Lクラスの背高ミニバンと比べれば、当然のようにキャビンのゆとりや走りの余裕は劣勢。扱いやすさや維持費の安さを優先するか、ミニバンらしいゆとりを重視するかは、難しい選択だ。また、コンパクトカーにキビキビした走り味を求めるひとにも向かない。クラスの中では大柄で、車重も重く、動力性能やフットワークはおっとりとしたものだ。
※すべての価格は参考価格です
※中古車参考価格はすべてGoo-net11月調べ。