徹底分析中古車相場
更新日:2020.01.29 / 掲載日:2020.01.29
【ディーゼル特集】いろいろ選べるクリーンディーゼル車の相場を徹底比較してみた
排ガス規制により、日本ではほとんど販売されなかったディーゼル車が、ここ数年で再び増え始めている。厳しい規制をクリアするメーカーが増え、今後はガソリンと並んで販売されていくはずだ。規制以前、ディーゼルは黒煙が出て振動が大きいというイメージがあったが、ここ最近のモデルはそのようなウィークポイントはかなり減少している。むしろ、二酸化炭素排出量(つまり環境負荷)が少なく、トルクを出しやすいエンジン特性など、メリットのほうが注目されているのだ。そこで今回は、ディーゼル搭載の人気モデルにスポットライトを当て、相場動向を探ってみたい。
オススメの輸入車ディーゼルは?
BMW 320d
メルセデス・ベンツ C 220 d ステーションワゴン
プジョー 308
日本でディーゼルの乗用車が販売されていなかった期間も、規制が異なる海外(とくに欧州)ではディーゼルは一般的な存在だった。そのため、現在購入可能なディーゼル車の多くは輸入車である。とくに、メルセデスは今から14年前の2006年に、Eクラスのクリーンディーゼルを導入するなど、かなり早い段階から積極的にディーゼルを展開していた。またBMWやプジョー、シトロエンなども近年ディーゼル車に力を入れている。ここでは、扱いやすいサイズと上質な走りを両立するメルセデス・ベンツ C 220 d、スポーティな走りが魅力の320d、そして実用ブランドながら高い完成度を誇るプジョー 308 ブルーHDiの3モデルをピックアップする。
グレード | 中古車平均価格 |
メルセデス・ベンツ C 220 d | 391万円 |
BMW 320d | 280万円 |
プジョー 308 ブルーHDi | 242万円 |
相場はやや高めだが良質な物件が揃う現行型Cクラス
日本市場でクリーンディーゼルの普及に一役買ったメルセデスは、幅広いモデルでディーゼルを展開中。なかでも価格が手頃で探しやすいのが現行型Cクラス(C 220 d)である。2014年7月の発売当初はガソリンのみのラインアップだったが、2015年9月にディーゼルが追加となった。それから4年半が経過した2020年1月現在、中古車平均価格は391万円。ガソリンの「C 200」は352万円なので、40万円ほど高い結果となっている。しかし物件数はガソリンとほぼ同程度で、200万円台前半の予算でも購入可能。ディーゼルの上級セダンを探しているなら、十分検討する価値はある。
Cクラスよりもさらにリーズナブルな320d
2012年8月に登場した3シリーズのディーゼルモデルが「320d」。Cクラスよりも3年早く登場したため、中古車平均価格は280万円と、かなりリーズナブル。しかも物件数は「C 220 d」の2倍近くもあり、探しやすいのも大きな魅力である。2012年式前後だと100万円台前半の物件も多いが、走行距離が7万kmを超えるものが目立つ。5万km以下で探すなら、150万円~200万円が予算の目安と考えよう。なお、排気量は「C 220 d」が2.2Lなのに対し、こちらは2.0Lとなっている。燃費のカタログ性能や出力、トルクともかなり近いから、じっくり検討して選びたいところだ。
物件数はやや控えめだが、完成度が高い308
2014年11月にフルモデルチェンジを受けた308は、2016年7月にディーゼル仕様「ブルーHDi」が選べるようになった。ハッチバックとワゴン(SW)の両方に設定され、新車時の価格帯は299万円~378万8000円(SW含む)。それから3年が経ち、中古車平均価格は242万円にダウン。探せば100万円台前半の予算で購入可能となっていることにも注目したい。年式もそれほど古くなく、走行距離が伸びた個体も少ないことから、輸入車ディーゼルのダークホース的なチョイスと言っていいだろう。ただし、物件数はメルセデスやBMWほど多くない。308は現行型になって大きく進化した走りが魅力。完成度の高いコンパクトなディーゼルが欲しいひとにオススメしたい。
日本車でもディーゼルって買える?
マツダ アテンザ
マツダ デミオ
マツダ CX-5(先代)
クルマを買うなら国産車が安心というひとは、今でも決して少なくない。輸入車と比べて数は少ないが、クリーンディーゼルも選択可能である。とくにマツダは乗用車への展開が積極的で、デミオのようなコンパクトモデルからCX-5のようなSUVまで、幅広くラインアップしている。今回はデミオ(改良でマツダ2に改称)、アテンザ(改良でマツダ6に改称)、先代CX-5の中古車平均価格を見ていこう。
グレード | 中古車平均価格 |
デミオ(DJ系) XD系 | 123万円 |
アテンザセダン(現行型) XD系 | 183万円 |
CX-5(先代) XD系 | 154万円 |
デミオはアンダー100万円で入手可能なディーゼル車
国産ディーゼルでもっとも身近な存在がデミオ。高級路線で新車時価格が高めにシフトした現行型だが、2014年の登場以降なかなか中古車が値下がりしなかった経緯がある。しかし、登場から5年以上が経過した現在、ディーゼル(XD系)の平均価格は123万円にまで下がった。走行距離が多少伸びたものなら、60万円前後の物件も少なくない。100万円以下の予算でも、しっかり探せるのは嬉しい。なお、6速MTを選択できるのも注目のポイント。MT車は全体の1%程度だが、物件数が膨大なのでじっくり探せば見つかるはず。
そろそろ買い時の現行型アテンザ
デミオと同様、アテンザも人気モデルのひとつ。マイナーチェンジで「Mazda 6」に名称が変更されたが、2012年11月のデビューから9年経った今でも人気ぶりは変わらない。しかし、ここ最近は中古車相場も落ち着いてきたようで、全体的に価格が下がっている。高値の筆頭だったディーゼル車(XD系)も、平均価格は183万円にまでダウン。2012年11月時の新車価格が290万円~340万円だから、100万円以上も安く購入可能だ。物件を細かく調査してみると、初期型ならば80万円前後の物件が揃い、以前に比べると相当安い印象を受ける。
ディーゼルのSUVなら初代CX-5が鉄板チョイス
2012年2月に発表された初代CX-5。デビュー当初からディーゼル車(XD系)が設定され、国産乗用ディーゼル車の普及に一役買った1台と言える。中古車平均価格は154万円となるが、デミオやアテンザとは異なり100万円以下の物件は10万km以上の多走行が中心で数も少なめ。予算は最低でも100万円は見積もっておきたいところだ。デミオに次いで物件数が豊富なので、ボディカラーやグレード、装備など選択の自由度が高い。ちなみに、現行型の中古車平均価格は272万円となっており、初代よりも100万円ほど高い。とは言え、相応の進化を遂げていることを考えれば、あえて現行型を狙うのも手だろう。
まとめ
今回は、輸入車3台、国産車3台の計6台を紹介してみた。輸入車はプレミアムブランドを中心に展開されるが、VW、MINI、プジョー、シトロエンも積極的に日本へ導入している。自動車社会が完全に電動化するのはしばらく先で、それまでにガソリン、ディーゼル、ハイブリッドなど複数のパワートレーンが入り混じった状態になる。ディーゼルは高いトルクゆえ、街中での扱いやすさも長所。今後もディーゼル車の選択肢は広がっていくはずだ。