徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.28 / 掲載日:2018.04.06
【レジャーカー特集】100万円以下で買える7シーターのベストバイは?
2代目マツダ プレマシー(2005年2月発売)
クルマを購入する際、多くのひとは最初に予算を決めるだろう。ローン分割払いとした場合、購入後の生活にも直結するから、予算についてなおさら慎重になるはず。そこで今回は、車両本体価格が100万円以内のクルマについて考えてみたい。
100万円という予算では、ごく一部の軽自動車を除けば、新車を購入することはできない。とくに最近は軽自動車でも100万円オーバーは当たり前で、コンパクトカーなら150万円~200万円のコストが必要だ。しかし、中古車にも視野を広げると、国産小型車はもちろん、プレミアムブランドの高級車まで選択肢は広がってくる。中古車選びにとって、100万円という金額はひとつの区切りと言ってよい。
もうすぐゴールデンウィークということもあり、今回は「100万円以下の予算で買えるレジャーカー」をテーマとしてみた。帰省先で祖父母を乗せてドライブ、友達数人と一緒に海や山に出かける…そんな機会が増えるいま、7シーターのミニバンのニーズが増す時期。しかし、100万円の予算でもしっかり活躍してくれるモデル、探してみると数が多いのだ。
走ってよし、乗せてよしのマツダ プレマシー
アンダー100万円で買える編集部イチオシの7シーターは、マツダ プレマシーだ。プレマシーの初代モデルは1999年4月にデビュー。2005年2月にはフルモデルチェンジを受けて2代目、2010年7月には3代目が登場し、全部で3世代が存在する。今回注目したいのは、中古車市場に豊富に流通する2代目と3代目。初代は価格が非常に安いものの、古さが目立ち、いまあえて狙う理由はないので割愛する。まずは中古車平均価格をチェックしてみたい。
モデル | 中古車平均価格 |
マツダ プレマシー(2代目) | 39万円 |
マツダ プレマシー(3代目) | 114万円 |
2代目は、デビューから13年が経過しているにも関わらず、中古車は豊富に流通している。大部分は多走行車となるものの、走行距離5万km以下の物件もかなり目立つ。なにより注目なのは、価格が非常に安いことだろう。グーネット登録物件の平均価格は39万円、そのうち走行距離5万km以下の平均価格は53万円となっており、100万円の予算があれば車両本体価格に加え、オイルまわり、タイヤ交換など消耗品一式をすべて新調してもお釣りがくる。
この世代のプレマシーは、初代アクセラがベースとなっていて、走りの実力は高い。サスペンションは引き締まっており、同クラスのライバルと比べるとスポーティな印象だ。エンジンは2.0Lと2.3Lが用意されるが、2.0Lでもまったく問題ないトルクを発揮してくれる。3列目シートは大人が長時間座るには厳しい広さだが、帰省時に夫婦、祖父母、子供を乗せて移動するシーンなどで活躍してくれるはず。
一方3代目プレマシーもすでに生産終了しており、マツダの公式サイトには掲載されなくなった。しかしながら中古車市場は豊富に流通しており、価格も手ごろ。平均価格を見ると100万円を超えているが、走行距離を5万kmのゾーンで絞り込むと、平均価格は81万円にまで下がる。こちらも十分予算内で買える。
ちなみに3代目は2.3L車が廃止され、2.0Lに一本化。ボディサイズは先代とほぼ同サイズで、居住性も大きな違いはない。2013年12月には省燃費を実現するスカイアクティブ仕様が追加されたから、燃費にこだわるならこちらを探すのもアリだろう。
こんなクルマも100万円で買えちゃいます!
トヨタ エスティマ(2006年1月発売)
トヨタ ウィッシュ(2009年4月発売)
先々代ホンダ ステップワゴン(2005年5月発売)
先代フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン(2004年4月発売)
100万円というかぎられた予算でも、中古車ならば選択肢はまだまだ存在する。ここではその一例を見ていこう。
モデル | 中古車平均価格 |
トヨタ エスティマ | 126万円 |
トヨタ ウィッシュ | 110万円 |
ホンダ ステップワゴン(先々代) | 48万円 |
VW ゴルフトゥーラン(先代) | 89万円 |
※エスティマはハイブリッドを除く。
まずはエスティマ。こちらは発表年が2006年と古いが、現行モデルとして新車でも購入が可能だ。現行型エスティマは中古車価格帯が広く、安い物件から新車とほぼ同額の高額な物件まで豊富に流通している。今回100万円以下という条件で絞ってみると、それなりの数がヒットするから要注目。一例を挙げると、2007年式/走行距離5.2万km/車検整備付きのエスティマで83.9万円(総支払額102.1万円)という物件がある。走行距離が5万~8万km程度の初期モデルなら、総支払額で考えても100万円前後の予算で買えるケースが多い。
同じトヨタの7シーターである2代目ウィッシュ(2009年発売)も、リーズナブルな1台となっている。こちらはエスティマよりも小型で車高は低いが、セダンやワゴンの運転感覚で気軽に乗れるのが魅力。大きなクルマが苦手というユーザーにぴったりである。平均価格は100万円超となるが、およそ60万円の予算から購入可能。同じ予算ならばエスティマよりも低走行、高年式がねらえるのもポイントで、100万円の7シーターという条件にマッチするだろう。ただし、3列目シートに大人が長時間座るのは難しいから、購入前に必ずチェックしたい。
逆に、3列目シートを活かした使い方をするなら、5ナンバーのトールサイズミニバンがオススメ。ただし、こちらは人気のジャンルのため、100万円という予算ならば旧型が候補になる。上の表ではホンダ ステップワゴンを例に出してみたが、トヨタ ヴォクシー/ノアや日産 セレナも状況は似ており、現行型をねらうのは難しい。先代モデルも100万円の予算だとギリギリのラインになるから、ゆとりを持って探すなら先々代がターゲットになる。ちなみに先々代のステップワゴンは、現在の平均価格は50万円を下まわる。年式は古いものの、3万km前後の低走行な個体も流通しているので、じっくりと探したい。
選択肢は、なにも国産車だけではない。輸入車にも100万円の予算で買える7シーターが存在する。今回オススメしたいのは、先代のVWゴルフシリーズのゴルフトゥーラン。ゴルフVと同じプラットフォームを採用しているから、走りはレベルは一級品。日本のミニバンではお馴染みのスライドドアは装備されないが、室内は広々していて快適である。3列目シートは、長身の大人は窮屈に感じるが、小柄なひとなら短時間のドライブでも問題ない。国産ミニバンの使い勝手に走りのよさをプラスしたのが魅力と言っていい。先代は2004年~2015年と生産期間が長く、物件の年式やコンディションなどで価格が大きく左右される。ターゲットは2007年~2010年までの中期型で、1.4Lターボ+スーパーチャージャー付きモデル。この条件で絞り込むと60万円前後の物件が中心となり、予算内で十分ねらえるだろう。
ミニバン選びはライフスタイルで決まる
以上のように、100万円という決まった予算でも選択肢は幅広い。しかし、7シーターを選ぶときに注意したいのが、クルマの使用用途である。とくに、3列目シートの使用頻度がどのくらいか、主にだれを乗せるのかをしっかり明確化しておきたい。3列目までフル乗員の機会が多いなら、最低でもヴォクシー/ノアやステップワゴンに代表されるトールサイズミニバンのサイズが必要。逆に、年に数回程度しか3列目を使わないのであれば、プレマシーやウィッシュなどの低車高タイプも選択肢に入る。
全体的な相場傾向として、現在はトールサイズミニバンが高値、低車高タイプが安価だ。また、アルファード/ヴェルファイアやエルグランドなどの高級ミニバンも、相場はかなり高めながら、中古車市場では人気となっている。
一方トヨタ シエンタやホンダ フリードなどのコンパクトミニバンも100万円以下で購入できるが、3列目シートの使用頻度が高いユーザーには向いていない。しかし、コンパクトカーの利便性プラスアルファのスペースという感覚で使うなら有力候補となる。
ひと口にミニバンと言っても、さまざまなモデルが存在するから、自分のライフスタイルを鑑みてベストな1台を探し出そう。購入の際、可能ならば家族みんなで乗れるかチェックできたら、なお安心だ。