徹底分析中古車相場
更新日:2019.04.23 / 掲載日:2019.04.23

【トヨタ スープラ】90年代スポーツカーの代表選手、先代スープラはまだ買える?

スープラ(A80系)

 2019年1月、次世代スープラがデトロイトモーターショー(NAIAS)でお披露目された。スープラは、知る人ぞ知るトヨタのスポーツモデルで、90年代のスポーツカーブームを象徴する1台だ。JGTCなどのモータースポーツでも大活躍するなど、クルマ好きなら一度は目にしたことがあるモデルだろう。しかし、スープラは2002年に生産終了し、その後幾度となく復活の噂が出ては消え……を繰り返し、ファンをやきもきさせていた。そんななか、昨年から新型車のスパイショットがインターネットで流れるなど、スープラ復活の噂は確定的となり、満を持して今年1月にワールドプレミアされた。

 新型スープラは、BMWとプラットフォームを共同開発して生まれたもので、BMWではZ4として発売されている。しかし、デザインもコンセプトも大きく異なり、スープラはギュッと絞られた筋肉質なボディラインが特徴的。トップモデルには3.0L 直列6気筒ターボを搭載するなど、スペック面でも申し分なさそうだ。そんなわけで、今回注目するのはトヨタ スープラ。生産終了から17年という月日が経過しているので、中古車そのものが流通しているかどうか気になるところだ。先代、さらには先々代の中古車事情の現状をお届けしたい。

トヨタ スープラってどんなクルマ?

 セリカXXの後継モデルとして、1986年に登場した高性能スポーツクーペがスープラ。セリカXXは、海外市場では「スープラ」という名称で販売されており、国内外で名称が異なるので紛らわしいが、日本において初代スープラ(A70系)が登場したのは1986年である。デビュー当初、トヨタは「ハイパフォーマンス・スペシャルティカー」という名目で発売し、セリカよりも上級のスポーツクーペというキャラクターが与えられていた。しかし、モータースポーツへの参戦や度重なる改良で年々戦闘力をアップ。日産フェアレディZと並ぶ国内トップクラスのスポーツカーへと進化していった。

 そんなスープラがモデルチェンジを受けたのが1993年3月のこと。90年代と言えば、日本がスポーツカーで賑わった時代である。2代目スープラ(A80系)はそれに合わせるかのように、さらなる高性能を身につけたのが特徴。直線基調の先代から一転し、グラマラスなボディライン、「2JZ」と呼ばれる高性能な3.0L 直列6気筒と同ターボエンジンを搭載するなど、大変贅沢なクルマに仕上げられた。車両価格は、290万円~472万円(東京地区、消費税抜)と、当時としてはかなり高額なクルマだったことも特筆すべき点。一方チューニングカーのベースモデルとしても人気で、多くのショップがデモカーをつくりあげた。

トヨタ スープラの中古車事情ってどうなの?

スープラ(A70系)

 初代も含め、市場には中古車が流通しているものの、数は決して多くない。また、海外からの買い手も多く、良質な中古車は激減している状況だ。ここでは、Q&A形式で2019年4月現在の中古車事情をお伝えしよう。

初代と2代目の物件比率は?

 4:6で2代目スープラのほうが豊富にある。なお、過度な改造車は2代目が多く、初代の方がオリジナルを保った個体の比率が高い。

価格帯はどのくらい?

 初代が50万円~300万円、2代目が130万円~500万円程度。2代目のほうが高値で取引されているようだ。

フルノーマルの中古車は現存する?

 2代目スープラは、2019年4月19日のグーネットによる調査では、フルノーマル車は2台登録されていた。いずれも自然吸気エンジンの「SZ」で、そのうち一台は走行距離0.3万kmの5速マニュアル車。この世代のスープラは、ターボモデルはハードなチューニングが行われていたり、サーキット走行で酷使されている個体がほとんどだが、自然吸気モデルは街乗りで使われた傾向が強い。そのため、コンディションのよい個体は、SZ系が中心となっている。というわけで、残念ながらRZ系のフルノーマル車は入手が極めて困難な状況と言える。

 それに対し初代スープラでは、年式が古いにも関わらずフルノーマルか、それに近い状態(ホイール交換程度)の割合が多い。2代目ほどサーキット走行などで酷使された形跡はなく、さらに状態の悪い個体は淘汰されたこともあり、比較的コンディションは良好なものが目立つ。それでも絶対数が少ないから、容易に入手できるというわけではない。

走行距離、コンディションはどう?

 前述のとおり、初代はコンディションがよいものが揃い、修復歴なしの個体が全体の81%となる。それに対し2代目は、修復歴なしが64%にまで下がってしまう。およそ4割近くもの車両が修復されたということは、それだけ過激な使われ方をしたものが多いことを示す。

 走行距離は、10万km以下の割合を調査したら、初代が58%、2代目が59%とほぼ同程度。しかし、年式を考えると後者の方が多走行で、状態があまりよくないものが多い。

トヨタ スープラ(2代目)のグレード別中古車相場は?

スープラ(A80系)

 2代目スープラのグレード構成は、自然吸気の「SZ」と「SZ-R」、ターボの「RZ-S」、「RZ」、「GZ」の全5グレードが存在する。なかでも「GZ」は本革シートを採用した高価なラグジュアリーグレードだが、1996年4月のマイナーチェンジで廃止されている。「SZ」は装備を厳選したエントリーグレード、「SZ-R」は自然吸気ながらもスポーティな装備を充実させたグレード、「RZ-S」はターボの廉価仕様、そしてスポーツ装備を充実させた「RZ」という布陣。2代目のグレード別の中古車平均価格は次のとおりとなっている。

グレード別中古車平均価格
グレード中古車平均価格
SZ179万円
SZ-R273万円
RZ-S430万円
RZ435万円
GZ252万円
※中古車平均価格はグーネット2019年4月19日現在のデータによる。

コンディション重視なら「SZ」を探そう

 2代目スープラでもっとも中古車が多いのは「SZ」で、全体の4割を占めている。一方、もっとも人気があると思われる「RZ」は3割くらいだが、自然吸気とターボの割合はほぼ同程度。なおラグジュアリーな「GZ」は極めてレアなグレードで、中古車ではなかなかお目にかかれない存在だ。コンディションがよく買いやすいのは「SZ」の一択となるだろう。ターボにこだわりたい人は、修復歴あり、多走行、改造済みを覚悟する必要がありそうだ。

トヨタ スープラ中古車のまとめ

スープラ(A80系)

 90年代の国産スポーツカーはどれも個性が強く魅力があるゆえ、近年価格が高騰している。とくに海外への流出が加速し、今後さらに価値が高まるはずだ。たとえば、ライバルの日産 スカイラインGT-Rも同じような状況で、フルノーマルの個体はなかなか探しにくい状態が続く。しかしスープラ(とくに2代目)は、GT-Rよりもその傾向が顕著で、トップグレード「RZ」のフルノーマルが皆無という残念な結果となった。

 中古車相場は、年式やグレードよりもコンディションに依るところが大きく、先に述べた「SZ」のフルノーマル車は360万円と新車時よりも高額。また、修復歴あり/多走行でもショップのデモカーなどは400万円以上のプライスタグを掲げるケースも多い。中古車としての難易度が極めて高いクルマだが、ほしいひとはウェブ検索だけでなく、専門店に問い合わせるなど能動的な情報収集が欠かせない。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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