徹底分析中古車相場
更新日:2018.11.26 / 掲載日:2018.07.31
【セダン特集】先代LSや先代クラウンが安い!? 今買うべきセダン5選

2018年はセダンの当たり年!?
今、自動車業界におけるブームの中心はSUV。しかし、新車販売の上位ランカーは必ずしもすべてSUVというわけではなく、コンパクトカーや5ナンバーミニバンのほうがより好調な印象を受ける。一方セダンに注目すると、データを見る限りかなり下火。2018年1月~6月の車名別登録ランキングを見ると、上位50モデルのなかで、セダンはプリウス(3位)、カローラ(12位/全ボディタイプの合計)、クラウン(33位)、カムリ(34位)、レガシィ(49位/B4とアウトバックの合計)、LS500h(50位)など数車種が辛うじてランクインするという状況。3位のプリウスは一応セダンに分類されるが、別にセダンボディだから好調というわけではなく、高性能なハイブリッドシステムが人気の理由だろう。
そうは言っても、セダンが今でも廃れず新型車が毎年出ているのは、プレミアムカーの基本形だからだ。ロールス・ロイスやマイバッハなどの超高級車はセダンだし、メルセデス、BMW、アウディのフラッグシップもやっぱりセダン。フォーマルなセダンスタイルは、実用一辺倒なクルマの価値観とは違うところにあるのだ。2018年はクラウンがフルモデルチェンジしたほか、トヨタの最高峰であるセンチュリーも一新された。ほかにも中古車で人気のアテンザがビッグマイナーチェンジを受けたほか、今年後半にはレクサスの新型上級セダン「ES」の登場を控えている。多くのモデルはブランドの顔となるもので、自動車メーカーとしてはセダンの出来不出来が今後の行く末を決めるものとして、決して手を抜けないジャンルなのである。
人気セダンの中古車相場は?

トヨタ クラウン(先代)
今回は、グーネット検索ランキング上位に入る人気セダン3モデルの中古車平均価格を見ていこう。
モデル名 | 中古車平均価格 |
トヨタ クラウン(先代) | 289万円 |
日産 スカイライン | 290万円 |
レクサス LS(先代) | 292万円 |
トヨタ クラウン(先代)の中古車相場は?
クラウンは、トヨタ車のなかでも特に歴史の長いモデルで、初代が登場したのは1955年だ。先日発売された新型は15代目に当たり、ニュルに持ち込むなど海外ブランドにも負けない先進かつスポーティなイメージを押し出したのが話題になった。しかし、今回注目するのは先代モデル。新型登場により、今後相場が下がっていくと予想されるから、ぜひとも注目しておきたい。クラウン中古車の大きな魅力のひとつはリセールバリューの高さ。メルセデスやBMWは経年で価値が大きく目減りしがちだが、クラウンは安定傾向にあると言える。上の表にあるとおり、現在の平均価格は289万円。デビュー当時(2012年12月)の新車価格帯が353万円~575万円だから、3割~4割減と言ったところだ。最安で100万円台後半の物件があるから、条件を絞れば低予算でも探せそうだ。オススメグレードは、物件数が豊富なハイブリッドのアスリート仕様。
日産 スカイラインの中古車相場は?
日産を代表する上級セダンと言えばスカイライン。クラウンと同じくこちらも歴史あるネーミングで、初代の登場は1957年。2014年2月に登場した13代目(V37型)は、ハイブリッドシステムを導入するなど多くの新機軸が盛り込まれている。新車販売は伸び悩んでいるものの、「スカイライン」というネームバリューは今でも高く評価され、検索ランキングは上位に位置する。中古車平均価格は290万円となっており、登場から丸4年が経過したものの高値安定が続いている。極端にコンディションの悪い個体を除けば100万円台の物件はほとんどなく、最低でも200万円前半の予算を用意したいところだ。とは言え物件のボリュームはそれなりにあり、リセールも悪くないからセダンの選択肢としては有力候補。オススメグレードは、維持費が安く物件が充実する2.0Lターボ「200GT-t」辺りだろう。
レクサス LS(先代)の中古車相場は?
レクサスブランドのフラッグシップセダンLSが最初に(国内で)発売されたのは2006年9月のこと。新生レクサスブランドを象徴するクルマとして、日本でも好調な売れ行きを達成している。先日新型が登場したが、中古車としてお買い得なのは先代モデル。デビュー当時の新車時価格は770万円~965万円と、国産車としてはかなり高額だったが、現在の平均価格は292万円とかなり下がっている。物件数が非常に多いことも特筆すべき点で、先代クラウンの4~5倍近くも流通している。ただし、コンディションの優劣が目立ち、特に初期型は多走行かつ修復歴ありの個体も珍しくない。とは言えそれなりの良コンディション車が200万円前後の予算から狙えるから、お買い得感は極めて大きいクルマである。
レクサス LS(先代)
日産 スカイライン
注目度が低いクルマをあえて選ぶという手も…
日産 ティアナ
スバル レガシィB4
日産 ティアナの中古車相場は?
現在の日本市場では、上級セダンは後輪駆動(FR)が人気。しかし、実用面では広い室内空間が確保できる前輪駆動(FF)タイプのほうが有利だ。ティアナは全長4880mmという大柄なボディを持つFFセダンで、知名度はそれほど高くないが、隠れた人気を誇るモデル。その魅力のひとつが、くつろぎ感あふれるインテリア。助手席オットマンやソファのようなフロントシートを採用するなど、乗員全員の快適性をとことん追求している。同じ日産のセダンであるスカイラインは走る楽しさに重きを置いたクルマだが、ティアナはそれとは真反対のキャラクターと言っていいだろう。今回紹介するのは2014年2月に登場した現行型ティアナとなるが、物件数は思いのほか充実している。それでいながら平均価格はアンダー200万円で、走行距離は3万km~5万kmという中程度のものを選べば、150万円前後の物件が多い。年式と車格を考えると、この価格帯はかなり魅力的。
スバル レガシィB4の中古車相場は?
レガシィB4は、かつては4WDスポーツセダンとして名を馳せたクルマだが、2014年10月に登場した現行型は、いまいち存在感が高くない。というのも、現行型は北米ミディアムセダンを意識した設計でボディタイプが大きくなり、かつてのスポーツイメージはかなり薄らいでいる。キャラクターはスポーツからプレミアム志向へとシフトした結果、販売面でも以前のような勢いはなくなった。それゆえ中古車市場に流通する物件は少なく、やや探しにくいのは否めない。ただし需要の低下により相場も下がっており、中古車としての魅力は高くなっている。平均価格は224万円だが、200万円を下まわる物件もそれなりに流通しており、以前と比べてかなり手が出しやすくなった。全体的に低走行&高年式で、アイサイトなどの安全装備も標準装備となるから、価格当たりの満足度は大きいだろう。
まとめ

今回は、今買いのセダン5モデルを紹介してみた。ミニバンやSUVというジャンルは、同クラスだと性能は横並びになりがちだが、セダンはブランドの個性が強く出る傾向にあるから、自分の好みや用途をしっかり考えたクルマ選びが必要になる。車高が低いのでほとんどの立体駐車場に対応するし、乗降性も優れている。6名以上の多人数乗車は適わないが、いまミニバンやSUVに乗っている人でも、セダンに乗り換えて不便さを感じるシーンはほとんどないはず。実用性、運動性能、そして各ブランド個性…それらが高くバランスするセダンは、今でもやっぱり自動車の基本スタイルと言えそうだ。