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更新日:2019.10.11 / 掲載日:2019.10.11
【VWパサート】買い時到来!? ワーゲンの最上級セダンの相場が200万円台に突入

巷ではSUVブームと言われ、各メーカーが大小さまざまなSUVをリリースしている。しかし、新車販売台数を見るとSUVが必ずしも上位にランキングするとはかぎらない。そんな今こそ乗りたいのがセダン。車高制限のある立体駐車場にも気にせず入庫できるし、外観だってずんぐりとしたSUVと比べてスタイリッシュ。乗降性のよさ、クルマの運動性能、燃費もセダンのほうが基本的には優秀である。そこで注目したいのがVWパサートだ。VWと言えばポロやゴルフに注目が集まるが、現行型パサートもVWの人気株なことをご存知だろうか。ロングドライブの機会が多く、後席も頻繁に使うユーザーは、ゴルフよりもパサートを推したい。上級モデルだから価格が高いのでは……? と思われがちだが、中古車ならば現行型でも200万円台の予算(つまり新車の国産コンパクトカー程度)で購入可能となっている。今回は、VWパサートの魅力と中古車平均価格をご紹介しよう。
VWパサートってどんなクルマ?
意外に思われるかもしれないが、VWの歴史において、ゴルフよりもパサートのほうが古株だ。ゴルフは1974年に本国発表だが、パサートは1973年に登場している。アウディ80の兄弟モデルとして生まれた初代パサートは、今とは異なりファストバックボディの設定が特徴的。エンジンは縦置きの前輪駆動となっており、メカニズムはアウディ80を踏襲していた。その後モデルチェンジを重ね、欧州ミドルセダン(ワゴンボディも設定)の代表格として人気を高めて行った。
8代目となる現行型が日本に導入されたのが、2015年5月のこと。すでにゴルフVIIで導入されたMQBと呼ばれる新世代プラットフォーム戦略に則り、骨格から全面的に一新したのが特徴だ。セダンのボディサイズ(TSIトレンドライン)は全長4785mm、全幅1830mm、全高1465mmとこのクラスとしては標準的で、ライバルのプジョー508とほぼ同程度。エンジンは先代と同じく1.4L 直4ターボ+7速DSGが搭載されるが、こちらは新設計されたもので、最高出力は150馬力(先代は122馬力)を発揮する。さらに注目すべきは、安全性能の大幅強化。VWとしては初の歩行者認識機能を備えたプリクラッシュセーフティ「Front Assist」をはじめ、9エアバッグ、事故の際に自動ブレーキを発動して2次衝突の危険を低減する「ポストコリジョンブレーキシステム」などが標準装備される。
VWパサートの年式別中古車価格相場は?

現行型パサートの改良遍歴を振り返ってみたい。2015年7月発表時におけるグレード構成は「TSIトレンドライン」、「TSIコンフォートライン」、「TSIハイライン」、「Rライン」の4つ。セダンに加え、ステーションワゴン(パサートヴァリアント)も同じ構成となっている。2016年6月にはプラグインハイブリッドの「GTE」、9月には、ゴルフGTIと同じ2.0L 直4ターボを搭載した「2.0TSI Rライン」を追加。最高出力は220馬力を発揮する。 そして同年11月には、中間グレード「TSIコンフォートライン」が「TSIエレガンスライン」に名称変更され、一部装備が見直された。
2017年7月には純正インフォテイメントシステムが改良を受け、モニターサイズがアップ。ナビゲーション付きの「Discover Pro」ではタッチスクリーンやジェスチャーコントロールなどが採用され、利便性も高まった。2018年2月には、2.0L 直4ディーゼルターボの「TDI」が登場。こちらはセダンとワゴンともに「エレガンスライン」と上級グレード「ハイライン」が設定されている。最高出力190馬力、最大トルク40.8kgmとハイスペックなエンジンなのも見どころだ。それらを踏まえ、年式別中古車平均価格を見ていこう。
年式 | 中古車平均価格 |
2015年式 | 196万円 |
2016年式 | 214万円 |
2017年式 | 273万円 |
2018年式 | 333万円 |
物件豊富で価格が手頃な2016年式がオススメ
登場から丸4年以上が経過し、流通する物件数が増えている。もっともボリュームがあるのが2018年式。つまり、登録済未使用車が多い傾向。しかし、中古車としてお買い得感が高いのは2016年式だろう。こちらは2018年式に次いで物件が多く、平均価格は214万円と手頃なゾーンにある。なかには100万円台の個体も散見され、年式のわりに価格が下がっている印象が強い。ただし、2016年式だと車検なしの個体も多いので、その辺りに注意してクルマ選びをしたい。
VWパサートのグレード別中古車価格相場は?

前述のとおり、パサートのグレード体系はガソリンが「TSIトレンドライン」、「TSIコンフォートライン(エレガンスライン)」、「TSIハイライン」、「Rライン」、「2.0TSI Rライン」、「GTE」の6つ、ディーゼルが「TDI エレガンスライン」、「TDI ハイライン」の2つ、合計8グレードで構成される。安全装備は全グレード共通で、グレード間の違いは主に装備内容。たとえばナビ付きインフォテイメントシステム「Discover Pro」は「ハイライン」や「Rライン」に標準装備となるが、「コンフォートライン」ではオプションになる。ほかにもインテリアアンビエントライト、シートマッサージ機能、パワーテールゲートなどの快適&便利装備は「ハイライン」や「Rライン」で標準装備となることが多い。
グレード | 中古車平均価格 |
TSIコンフォートライン/エレガンスライン | 230万円 |
TSIハイライン | 253万円 |
Rライン | 249万円 |
2.0TSI Rライン | 310万円 |
TDIコンフォートライン/エレガンスライン | 302万円 |
TDIハイライン | 348万円 |
※データはセダン。「Rライン」は物件数が僅少のためリンクはなし。
上級グレード「TSIハイライン」を積極的に狙いたい
グレード選びの際、ガソリンかディーゼルかで迷ってしまうが、相場はガソリンのほうが50万円~100万円ほど低いので、こちらをオススメしたい。グレード別の相場は2.0TSIを除いてあまり大差がないから、積極的に上級グレード「ハイライン」や「Rライン」を狙っていこう。しかし、スポーツグレード「R」ラインは物件数がそれほど多くないから、ガソリンの「TSIハイライン」を探すとよいだろう。なお、エントリーグレード「TSIトレンドライン」やプラグインハイブリッドの「GTE」は、物件がほとんど流通しておらず、上の表からは割愛している。
VWパサートの中古車価格相場のまとめ

パサートが中古車としてオススメの理由は、なんと言っても「現行型」なのに、それなりに安価ということ。VWはMQBという次世代プラットフォーム・モジュールを導入して以降、品質や走りの性能が格段に向上し、パサートも先代からの進化の幅が大きいモデル。見た目の高級感、低排気量によるランニングコスト(税金、燃費)が優秀で、コストパフォーマンスに優れている。SUVに飽き飽きしている、ちょっぴり通な貴方にぜひオススメしたい1台である。