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更新日:2019.09.04 / 掲載日:2019.08.01
【レンジローバー イヴォーク】買い時到来!200万円台から探せるコンパクト・レンジローバー

レンジローバーと言えば、砂漠のロールス・ロイスという異名を持つほど高級高額なSUV。以前「レンジローバー」は単一モデルを指していたが、ここ最近はバリエーションが増え、ランドローバーの上級ブランド的なポジションを意味する言葉となった。いずれも大柄かつ高額なモデルが中心となるが、なかでも異彩を放つのが「イヴォーク」だろう。レンジローバーの小型なエントリーモデルでありながら、若々しいデザインと軽快な走りは、それまでレンジローバーをターゲットとしていなかった新しいユーザーをも取り入れ、デビュー以降ブランドの人気株となっている。
そんなイヴォークは、先日フルモデルチェンジを受けて2代目に進化した。そのため、今後は初代イヴォークの中古車相場が動くことが予想される。今回は、物件数が豊富で手頃な価格のイヴォークに注目し、お買い得の年式、グレードを考察していこう。
レンジローバー イヴォークってどんなクルマ?
2011年11月に国内発表され、翌年3月より発売されたレンジローバー イヴォーク。SUVと言えば4ドアが一般的だが、3ドア(クーペ)を設定したのも特徴である。ボディサイズは全長4355mm、全幅1900mm、全高1635mmとロー&ワイドなプロポーション(2012年モデルの5ドア)。4.4mを切る全長は、5m級の元来の「レンジローバー」と比べてかなり小ぶりで、取りまわしも楽。また低めの車高も、クロスオーバー系SUVブームに便乗する形でユーザーニーズをしっかり捕らえ、一躍人気者となった。さらに新車価格が、450万円~578万円(デビュー時)というリーズナブルなゾーンにあったことも、イヴォークの人気を支えた要因だろう。
パワートレーンは、2.0L 直4ターボを搭載。当初はガソリンのみの設定だったが、後にディーゼルも登場している。トランスミッションは、デビュー当時は6速ATだったが、後の改良で9速AT化。全車4WDを採用し、オフロード走行も十分こなせるポテンシャルを秘めていることもイヴォークの魅力のひとつだろう。
レンジローバー イヴォークの年式別中古車相場は?

年式別中古車平均価格を見る前に、初代イヴォークの改良変遷を振り返ってみたい。正式発表されたのは2011年11月(2012年3月発売)、東京モーターショーでジャパンプレミアされた。当初のラインアップは、5ドアが「ピュア」と「プレステージ」、3ドア(クーペ)が「ピュア」と「ダイナミック」。前述のとおり全車ガソリンで、最高出力は240馬力である。2012年6月には2013年モデルが発表され、ボディカラーの差し替えなどが行われた。2013年8月発表の2014年モデルでは、6速ATが新開発9速ATに換装されたほか、縦列駐車した場所からクルマを出せる「パークエグジット」をはじめとする運転支援装置の充実、安定走行時は前輪のみで走行する「4WDアクティブ・ドライブライン」、コーナー時の安定性を高める「トルクベクタリング」の導入など、機能面の改良も多かった。
2014年8月発表の2015年モデルでは、5ドアに「ダイナミック」と「オートバイオグラフィー」を追加。後者は装備が充実した最上級モデルとなり、ジャガーやレンジローバーではおなじみのグレード。さらに2015年9月発表の2016年モデルではフェイスリフトが行われ、フロントグリル、前後ランプ、テールゲートスポイラーの形状を一新。グレード表記も「SE」、「SEプラス」、「HSE」、「HSEダイナミック」に改められた。2016年9月発表の2017年モデルでは、ペダル操作をせずに一定速度で前進および後退ができる「オールテレイン・プログレス・コントロール・システム(ATPC)」を設定。これに加えてコンバーチブルモデルも選べるようになった。2017年11月発表の2018年モデルでは、全車に新設計の「インジニウム」エンジンを採用。従来はガソリンのみだったが、このタイミングでディーゼルも選べるようになっている。
年式 | 中古車平均価格 |
2012年式 | 286万円 |
2013年式 | 300万円 |
2014年式 | 348万円 |
2015年式 | 400万円 |
2016年式 | 433万円 |
2017年式 | 514万円 |
2018年式 | 503万円 |
200万円台の予算で探すなら2013年式以前
上の表はモデルイヤー別ではなく、登録年式別のデータであることに注意。それを踏まえて表を見ると、9速AT化された2014年以降の物件は現在でもまだ高め。200万円台の低予算で探すなら、2012年~2013年式が中心となるだろう。最低ラインは220万円となっており、この年式でも低走行車が目立つ。ただし、物件のボリュームは高年式のほうが多い傾向にあることも覚えておこう。とくに未使用車が豊富な2018年式は、もっとも物件が豊富。新車と比較検討するひとなら、あえて高年式を探すのも手。保証や車検が残るこれらの物件は、結果的にお買い得になるケースもあるからだ。
レンジローバー イヴォークのグレード別中古車相場は?

先代イヴォークは、ガソリン、ディーゼルの2つのエンジンバリエーションを持ち、ともに2.0L 直4ターボが搭載される。これに加え5ドア、3ドア(クーペ)、さらにコンバーチブルという3つのボディを設定。そして、装備内容の違いで複数のグレードが設定されるから、仕様の組み合わせは非常に多い。ここではグレード別の中古車平均価格をチェックしてみたい。
グレード | 中古車平均価格 |
ピュア | 293万円 |
プレステージ | 320万円 |
ダイナミック | 399万円 |
SE/SEプラス | 484万円 |
HSE/HSE ダイナミック | 508万円 |
※データは5ドア。
レザーシートが標準装備の「プレステージ」が狙い目
2012年~2013年式で豊富なグレードは、エントリーモデル「ピュア」と上級モデル「プレステージ」の2つ。メカニズムの差はないが、後者にはオックスフォード・レザーシートが標準装備されるなど、内装は一段と豪華になっている。両者の価格差はそれほど大きくないから、より贅沢な「プレステージ」も積極的に狙っていけそうだ。また、2014年8月に設定された「オートバイオグラフィー」は、物件数が少ないため表から割愛している。
ボディタイプ別の相場の違いは?
平均価格を調査したところ、5ドアが443万円、3ドアが349万円、コンバーチブルが634万円という結果となった。物件数は圧倒的に5ドアが多く、全体の9割近くを占める。3ドアとコンバーチブルは同程度の物件数だが、高年式が中心のコンバーチブルは、あまり値落ちしていない状況だ。一方3ドアは価格が安いこともあり、パーソナルカーとして使うなら、こちらをあえて探してみるのもおもしろい。
レンジローバー イヴォーク中古車のまとめ

今回の調査をまとめると、初代イヴォークが安いのは2012年~2013年式。物件の大半は5ドアが中心で、最低限用意したい予算の目安は250万円。「ピュア」と「プレステージ」が主流だが、相場に大きな差はないから後者も積極的に狙える。SUVのなかでもとりわけプレミアムなレンジローバーがこの価格帯なら、十分お買い得と言える。コンパクトなボディとダウンサイズされたエンジンも、購入後の負担が少なく、維持しやすい。フルモデルチェンジにより、今後ますます注目したい1台である。