輸入車
更新日:2019.09.04 / 掲載日:2018.04.13
【メルセデス・ベンツ Bクラス】ゴルフよりお買い得!? コンパクトメルセデスが驚きの価格

Bクラスが持つ魅力とは?
現在、メルセデスの乗用車系ラインアップは、下からA、B、C、E、S…という順にサイズが大きくなる。今回注目するのは、下から二つ目のBクラスだ。メルセデスと言えば、CクラスやEクラスが話題になりがちだが、コンパクトなAクラス、Bクラスも最近は大きな魅力を備えている。
とくに、2012年に登場した3代目Aクラスは、それまでのサンドイッチ構造と呼ばれる高床式のフロアを廃止し、一般的なコンパクトハッチバックの設計となった。そのおかげでスタイリッシュなフォルムとスポーティなハンドリングを身につけ、メルセデスのエントリーカーとして明確なポジションを確立している。Bクラスは、そんなAクラスの兄弟モデルとして、同じく2012年に国内販売がスタート。Aクラスよりも広い居住性を実現し、一般的なハッチバック以上ミニバン未満という多用途性を身につけたモデルである。なお車高が高く見えるが、立体駐車場に収まるサイズだから、都市部での利用もOK。
そんなBクラスに今回は大注目。その理由は、なんと言っても中古車の買いやすさに尽きる。物件豊富な上、なんとAクラスよりも相場が低い。デザイン性や運動性能は車高の低いAクラスに譲るものの、実用性重視のファミリー層にはちょっと注目の価値ありなのだ。
どんなクルマがライバル?

5ドアの実用ハッチバックとして、もっとも強力なライバルとなるのはVWゴルフだろう。車高はBクラスよりも低いが、後席でも十分快適に過ごせる居住性を持つ。また、1.6Lターボ/2.0LターボエンジンのBクラスに対し、スポーツ系の「GTI」や「R」を除けば1.2Lターボや1.4Lターボと、排気量が小さくてランニングコストも有利(現行モデル)。それでも、後席の頭上空間にあるゆとりがBクラスのメリットだから、どちらも優劣つけ難いライバル関係にあると言えそうだ。
また、車高の高い5ドアといえば、BMW 2シリーズ アクティブツアラーも忘れてはならない存在。2列シートの5名乗りで、ボディサイズはBクラスにとても近い。こちらには2.0Lターボディーゼル(218d)が設定されるのも大きな特徴。ユーティリティ重視のモデルながら、BMWらしいスポーティな走りも大きな特徴となっている。
そのほか、シトロエンC4ピカソという選択肢もある。2列シートの5名乗りというのはBクラスと同じだが、ボディサイズはやや大きめ。とくに全高が1630mmと、立体駐車場に入らないケースが多いため、どちらかと言えば2列シートのミニバンという趣のクルマである。エンジンは、2014年10月の発売当初は1.6Lターボが搭載されていたが、2017年には2.0Lターボディーゼルも選べるようになった。
それでは、Bクラスとそのライバルの中古車平均価格を見ていこう。
モデル名 | 中古車平均価格 |
メルセデス・ベンツ Bクラス | 210万円 |
VW ゴルフ | 186万円 |
BMW2シリーズアクティブツアラー | 256万円 |
シトロエン C4ピカソ | 272万円 |
※データはすべて現行モデルで集計。
2013年4月登場の現行型ゴルフは、相場がもっとも低く、そして物件数が豊富。このタイプのクルマ選びでは、もはや説明不要なほど鉄板の選択肢となっている。それに対し、2014年10月登場のC4ピカソは、この4台のなかでもっとも高値をキープ。ただし物件をくまなく調べてみると、流通する物件の大半は2017年式かつ極端な低走行だった。つまり登録済み未使用車が大半で、しかも物件自体が少ないから、平均価格が高くなっている。
Bクラスとよく似たポジションの2シリーズ アクティブツアラー(2014年10月登場)は、Bクラスよりも高年式のが揃うため、相場はやや高め。ただし物件はかなり充実していて、100万円台後半の予算からねらえるので、こちらも魅力的な候補となるはず。しかし、価格重視ならやっぱりBクラス。現行型にも関わらず、100万円を切る物件もあるほど相場が下がっている。100万円台の予算で乗れるプレミアムブランドとして考えると、上の4台のなかでお買い得感がもっとも光る1台と言っていいだろう。
フォルクスワーゲン ゴルフ(2013年4月発売)
BMW アクティブツアラー(2014年10月発売)
シトロエン C4ピカソ(2014年10月発売)
グレード別の中古車平均価格は?

2012年4月発売時、グレードは「B180 ブルーエフィシェンシー」と「B180 ブルーエフィシェンシー スポーツ」というラインアップだった。ホイールサイズは前者が16インチ、後者が17インチとなるなど、「スポーツ」はより上位の装備が与えられるが、1.6L直噴ターボエンジンなどのメカニズムは同じである。2013年2月には2.0L直噴ターボを搭載する「B250 ブルーエフィシェンシー」が登場。
途中、グレード名から「ブルーエフィシェンシー」という表記が消えたが、ここでは同一グレードとして取り扱う。2015年1月には2.0Lターボが4WD化され、新たに「B250 4MATIC スポーツ」として販売。しかし、2017年にはラインアップが大きく整理され、「B180」のみに集約されている。
グレード | 中古車平均価格 |
B180 | 249万円 |
B180スポーツ | 234万円 |
B250 | 196万円 |
B250 4MATIC スポーツ | 309万円 |
中古車の9割以上は1.6Lターボの「B180」シリーズとなり、2.0Lターボは非常に少ない。また、「スポーツ」の割合は標準車の3割ほど。上の表を見ると上級グレードの「B250」が一見お買い得感があるが、低年式の物件がごくわずかに流通する程度なので、平均価格が安くなっている。となると、ねらい目のグレードは、17インチ装着車の「B180スポーツ」あたり。物件はやや少ないものの、標準車と変わらない相場なのがポイントだ。
年式別の中古車平均価格をチェック

グレード変遷に続き、改良のヒストリーを振り返ってみよう。現行Bクラスは2015年1月にマイナーチェンジが行われた。内外装デザインがリフレッシュされたほか、インフォテイメントのCOMANDシステムが最新世代のものになり、利便性が上がっている。また前述のとおり、このタイミングで2.0Lターボが4WD化された。2017年7月にはグレード体系が見直され、「B180」に従来オプションだったベーシックパッケージが標準装備となった。
年式 | 中古車平均価格 |
2012年式 | 132万円 |
2013年式 | 151万円 |
2014年式 | 177万円 |
2015年式 | 226万円 |
2016年式 | 246万円 |
2017年式 | 278万円 |
後期型に切り替わる2015年式を境に相場が大きく異なっている。前期型は200万円を下まわる相場となるから、価格重視の選び方ならオススメは前期型だ。機関系に大きな変更がないので、走りに差がないのもポイント。また、物件数も前期型が中心となっているので、よりお買い得感が高い。なお、Bクラスで検索すると、2017年式の物件が数多くヒットする。登録済未使用車が数多く出まわっていることも、購入する際は覚えておきたい。
まとめると、メルセデスのエントリーモデルとして考えると、AクラスよりもBクラスがお買い得。また、他ブランドのライバルと比べてリーズナブルなことも魅力のひとつとなっている。前期型なら100万円台前半の予算でねらえるから、実用的なハッチバックがほしいなら、購入候補の1台にぜひ入れて見てはいかがだろう?