中古車購入チェックポイント
更新日:2022.05.27 / 掲載日:2022.05.27
中古車の売却時に法定整備を行うとお得になる?車検との違いについて解説
車の所有者は、2年もしくは3年に1回のペースで車検を受ける義務があります。その他にもう一つ「法定整備」を受けることも義務付けられています。
車検と比較して、マイカーを持っていても法定整備について詳しく知らないという方は多いかもしれません。
そこで、この記事では法定整備の内容について詳しく見ていきます。
また、車を売却する際は少しでも高値で買い取ってもらいたいところです。法定整備をすると車の査定額がどうなるのかについても見ていきますので、売却する際の参考にしてみてください。
本来、法定整備は車の所有者に対して法律で義務付けられているものです。車検と何が違うのか、法定整備の内容などについてここで紹介します。
法定整備では点検項目が定められています。もし点検の結果、不備など問題が発見された場合には整備しなければなりません。
法定整備は12カ月点検と24カ月点検の2種類があり、それぞれ点検項目が異なります。
自分で行える日常点検とは別で、法定点検の中には専門的な知識や技術を要求される項目も少なくありません。そのため、国の認証を受けた整備工場に依頼することが多いです。
しかし、この2つは内容とペナルティの有無が異なります。
車検の場合は国の定める保安基準をクリアしているかどうかを検査するだけです。一方、法定整備の場合は点検の結果、不備があれば整備が実施されます。
そして、法定整備は義務ではありますが、やらなかったとしても自家用車の場合はペナルティがありません。しかし、車検の場合は車検を受けていない車検切れの車を公道で走行すれば違反行為となり一定の罰則が科されます。
車検が切れてしまった車は、どのような理由でも公道は走行できません。改めて車検を受ける場合でも移動するには、レッカー車などを使って整備工場に入れる必要があります。
ここでは、12カ月点検と24カ月点検でどのようなことが検査されるのかについてまとめました。
パワステ関係の装備の状態、ブレーキペダルを踏み込んだ時の遊びの程度、ブレーキの利き具合などが検査項目です。
その他には、タイヤの状態やホイールナットの緩み具合、エンジンの排気状況、バッテリーのターミナル部分の接続状態もチェックされます。
いずれも、車の走行性能と密接な関係のある部分ばかりです。
この他にも部品の緩みの有無や、オイルなどの漏れが発生していないかなども検査されます。
何か問題が発見されたら部品の修理や交換など、必要な整備が行われます。
車を安全に走らせたいのであれば、12カ月点検は受けたほうがいいでしょう。
12カ月点検の7カテゴリー・26項目の点検は引き続き実施されます。追加される検査はハンドルの操作状態、ブレーキドラムやパッドの摩耗状況、燃料装置からの漏れの有無などです。
近年では、エコカーをはじめとした環境に配慮した車種も増えてきました。24カ月点検では、環境への影響に関わる部分の検査項目も含まれます。具体的には、ばい煙や有害ガスの発散防止装置の状態などが検査されます。
より細かく、広範囲にわたって検査が実施されるので、24カ月点検を受けることでより安心して車を運転できるでしょう。
整備工場によって価格差はあるかもしれませんが、12カ月点検の場合10,000円~15,000円が相場です。24カ月点検の場合、20,000円が相場になります。
より細かく点検整備を実施するので、24カ月点検のほうがやや高めです。しかし、そこまで高額という価格でもないでしょう。安全を担保するための費用と考えて、定期的に点検や整備を受けることをおすすめします。
法定整備に含まれる点検項目はいずれも、走行性能に大きく関わる部分です。定期的に点検・整備をすることで、車を一定のコンディションに保てます。
また、法定整備を受けている車両の場合、メーカー保証が受けられるのもメリットです。万が一何かあった場合でも、保証で整備や修理が受けられます。
法定整備を受けている車両は、車のコンディションが良好と推測できます。そのため、車を売却する際には点検を受けたことによる加点がつき、整備を受けていない車両よりも査定価格が高くなる可能性が高いです。
また、法定整備を受けると1日では済まない可能性があります。いったんマイカーを預けて、後日受け取りに行く必要が出てくるかもしれません。
仕事などで日常的に運転する場合、1日でもマイカーが手元にないと支障があるでしょう。その場合、代車を用意してくれるかどうか整備工場に確認しなければなりません。もし代車を用意してくれたとしても、その費用がさらに上乗せされる可能性もあるので注意しましょう。
整備工場は大きく分けて「認証工場」と「指定工場」に分類されます。それぞれどのような工場なのか詳しく見ていきますので、預け先選びの参考にしてください。
法定整備の検査項目の中にブレーキやエンジンも含まれます。点検をするためには、ブレーキの分解やエンジンの脱着が必要です。このような専門的な作業を行えるのが、認証工場です。
ただし、車検用の検査ラインは持っていません。法定整備は行えますが、車検は陸運支局に持っていって検査を受ける必要があります。
別項で紹介する指定工場とは、在籍する整備士の人数が異なります。そのため、整備技術や品質で認証工場と指定工場の違いだけで差が生じることはありません。
車検を実施できる工場ですから、認証工場よりも厳しい基準をクリアしなければなりません。認証工場の中でも設備や技術、人員などが一定の基準に達していることが条件です。国家資格整備士資格を保有しているスタッフがいるのはもちろん、自動車検査員も在籍していなければなりません。
指定工場は認証工場と比較して、かなり設備が充実しています。多くのディーラーには整備工場が敷地内に設置され、指定工場となっています。
24カ月点検の場合は、特殊な工具を使って検査する項目があり、専門的な知識も要求されます。そのため、整備工場などの専門業者に依頼するのが懸命です。
12カ月点検の場合は、理論上では自分で行うこともできますが、素人の点検なので限界があります。安全を担保でき、安心して運転したければ整備工場に依頼するのが無難です。
点検の時期が来たら、購入したディーラーなどに相談してみるといいでしょう。
では、車を売却するにあたって、買取価格を上げるために法定整備に出すべきなのでしょうか?詳しく説明していきます。
各買取業者は、日本自動車査定協会の基準に基づき査定をしています。日本自動車査定協会の基準によると、法定整備を受けている車両は15,000円査定額がアップします。
しかし、一律で15,000円買取価格がアップするわけではありません。基準はあくまでも目安で、買取業者によって評価も若干違ってきます。
しかし、一般的に考えると法定整備を行っていれば買取価格はアップするでしょう。
中古車を購入する側としても、運転中に故障するリスクがあるような車は避けたいところです。定期的に法定整備を受けている車であれば、必要な整備が行われているので安心して購入できるでしょう。
法定整備を受けていて、なおかつ記録簿が残っている車両は査定で高評価を受けやすいとされています。それは、記録簿が残っていれば、どこをどのように整備したかが分かるからです。
法定整備を受けたのであれば、記録簿をなくさずに保管しておきましょう。
法律的に罰則規定がないだけでなく、査定でもマイナス評価されることはありません。もちろん法定整備を受けていればプラス査定になりますが、受けていないからと言ってマイナスにはなりません。
ただし、法定整備は受けなくても、必要最低限のメンテナンスは行いましょう。例えば、エンジンオイルは長年使い続けると劣化しますので、定期的な交換が推奨されています。
このような必要なメンテナンスを行っていないと、マイナス査定になる恐れが出てきます。
しかし、査定価格を上げるためだけに直前に法定整備に出す必要はありません。法定整備に出していなくてもマイナス査定にはならないからです。
法定整備に出すと費用がかかります。だいたい10,000~20,000円といったところが相場で、整備や修理する箇所が多ければ追加で費用がかかります。
法定整備を受けた場合のプラス査定は、15,000円程度が相場なので、法定整備に出す費用のほうが高くついてしまう恐れがあります。買い取りに出す前に慌てて法定整備に出すのはやめたほうがいいでしょう。
中古車を購入するなら、法定整備がされているメンテナンスの行き届いている車が欲しいと思う方もいるでしょう。
購入する際に法定整備がされているかどうかの見分け方について、ここで見ていきます。
「法定整備付」と書かれている車両は、整備を追加料金なしで行ってくれるという意味です。
一方、「法定整備別」と書かれている車両は、法定整備そのものはやってくれますが、車両本体の価格とは別に法定整備費用が発生します。
法定整備別の場合は、費用がどの程度かかるのか店員さんに確認しておきましょう。
もし相場よりもかなり高くなるがその車をどうしても購入したいという場合には、法定整備なしで車を買うこともできます。法定整備費用が安い別の整備工場に車両を持ち込んで、そこで法定整備を受けるのもという方法も一考です。
法定整備なしの中古車は、できることなら避けることをおすすめします。お店によっては何も整備しないままで、難燃も放置している可能性もあるからです。
そうなると、部品の劣化が進んでいる恐れも十分考えられます。購入したはいいけれど、すぐに不具合が起きて修理に出さないといけなくなるかもしれません。
もし整備なしの中古車でほしい車があれば、購入してすぐに整備工場に出しましょう。必要な整備をすべて行ってから運転したほうが安心です。
近年では、いきなりお店に行くのではなく、中古車情報サイトで検索する方も多いです。ネットでほしい車を探せるので、お店に行く手間を省けますし、24時間好きな時にチェックできるのが魅力です。
中古車情報サイトには検索エンジンがあるので、法定整備された中古車を絞り込んでみましょう。中古車情報サイトの中には「法定整備込み」の条件で検索できるものもあります。
また、法定整備の条件がなかった場合でも、フリーワード検索で「法定整備あり」などのキーワードで検索をしてみると、すぐに探すことができます。
車検と比較して、マイカーを持っていても法定整備について詳しく知らないという方は多いかもしれません。
そこで、この記事では法定整備の内容について詳しく見ていきます。
また、車を売却する際は少しでも高値で買い取ってもらいたいところです。法定整備をすると車の査定額がどうなるのかについても見ていきますので、売却する際の参考にしてみてください。
この記事の目次
そもそも法定整備とは?
マイカーを持っていても、法定整備について詳しく知らないという方もいるでしょう。そこで、まずは法定整備についてみていきます。本来、法定整備は車の所有者に対して法律で義務付けられているものです。車検と何が違うのか、法定整備の内容などについてここで紹介します。
道路運送車両法によって義務付けられている
法定整備とは、定期点検整備のことです。こちらの整備は道路運送車両法によって定められていることなので「法定」整備と呼ばれます。法定整備では点検項目が定められています。もし点検の結果、不備など問題が発見された場合には整備しなければなりません。
法定整備は12カ月点検と24カ月点検の2種類があり、それぞれ点検項目が異なります。
自分で行える日常点検とは別で、法定点検の中には専門的な知識や技術を要求される項目も少なくありません。そのため、国の認証を受けた整備工場に依頼することが多いです。
車検との違い
法律で定められた整備として車検を連想する方も多いでしょう。車検も法定整備も、法律により車の所有者に義務付けられています。しかし、この2つは内容とペナルティの有無が異なります。
車検の場合は国の定める保安基準をクリアしているかどうかを検査するだけです。一方、法定整備の場合は点検の結果、不備があれば整備が実施されます。
そして、法定整備は義務ではありますが、やらなかったとしても自家用車の場合はペナルティがありません。しかし、車検の場合は車検を受けていない車検切れの車を公道で走行すれば違反行為となり一定の罰則が科されます。
車検が切れてしまった車は、どのような理由でも公道は走行できません。改めて車検を受ける場合でも移動するには、レッカー車などを使って整備工場に入れる必要があります。
法定整備の内容
法定整備は12カ月点検と24カ月点検の2種類があります。この2つの点検は、検査項目などの内容が異なります。ここでは、12カ月点検と24カ月点検でどのようなことが検査されるのかについてまとめました。
12カ月点検の内容
12カ月点検では、7つのカテゴリーで26項目の点検が実施されます。パワステ関係の装備の状態、ブレーキペダルを踏み込んだ時の遊びの程度、ブレーキの利き具合などが検査項目です。
その他には、タイヤの状態やホイールナットの緩み具合、エンジンの排気状況、バッテリーのターミナル部分の接続状態もチェックされます。
いずれも、車の走行性能と密接な関係のある部分ばかりです。
この他にも部品の緩みの有無や、オイルなどの漏れが発生していないかなども検査されます。
何か問題が発見されたら部品の修理や交換など、必要な整備が行われます。
車を安全に走らせたいのであれば、12カ月点検は受けたほうがいいでしょう。
24カ月点検の内容
24カ月点検では10のカテゴリー、56項目が点検整備の対象です。12カ月点検と比較して、詳細な検査が行われます。12カ月点検の7カテゴリー・26項目の点検は引き続き実施されます。追加される検査はハンドルの操作状態、ブレーキドラムやパッドの摩耗状況、燃料装置からの漏れの有無などです。
近年では、エコカーをはじめとした環境に配慮した車種も増えてきました。24カ月点検では、環境への影響に関わる部分の検査項目も含まれます。具体的には、ばい煙や有害ガスの発散防止装置の状態などが検査されます。
より細かく、広範囲にわたって検査が実施されるので、24カ月点検を受けることでより安心して車を運転できるでしょう。
法定整備にかかる費用
法定整備の中には、専門知識や技術が必要とされる項目も少なくありません。素人にできるものではないので、整備工場に依頼するのが一般的です。そのため、法定整備を受けるのであれば、それなりに費用を負担しなければなりません。整備工場によって価格差はあるかもしれませんが、12カ月点検の場合10,000円~15,000円が相場です。24カ月点検の場合、20,000円が相場になります。
より細かく点検整備を実施するので、24カ月点検のほうがやや高めです。しかし、そこまで高額という価格でもないでしょう。安全を担保するための費用と考えて、定期的に点検や整備を受けることをおすすめします。
法定整備を受けるメリット
法定整備を受けるメリットとして大きいのは、安全性が担保される点です。法律によって定められた項目をチェックし、必要に応じて整備まで行われます。法定整備に含まれる点検項目はいずれも、走行性能に大きく関わる部分です。定期的に点検・整備をすることで、車を一定のコンディションに保てます。
また、法定整備を受けている車両の場合、メーカー保証が受けられるのもメリットです。万が一何かあった場合でも、保証で整備や修理が受けられます。
法定整備を受けている車両は、車のコンディションが良好と推測できます。そのため、車を売却する際には点検を受けたことによる加点がつき、整備を受けていない車両よりも査定価格が高くなる可能性が高いです。
法定整備を受けるデメリット
法定整備を受けるためには、10,000~20,000円程度の点検費用を捻出しなければならないのがデメリットです。点検の結果、車の状態が悪ければ、修理をするための部品交換費用や工賃が上乗せされます。また、法定整備を受けると1日では済まない可能性があります。いったんマイカーを預けて、後日受け取りに行く必要が出てくるかもしれません。
仕事などで日常的に運転する場合、1日でもマイカーが手元にないと支障があるでしょう。その場合、代車を用意してくれるかどうか整備工場に確認しなければなりません。もし代車を用意してくれたとしても、その費用がさらに上乗せされる可能性もあるので注意しましょう。
法定整備のできる場所
法定整備は素人では全てできないので、整備工場に預ける必要があります。「整備工場」といっても色々なところがありますので、どこに預けるか検討しましょう。整備工場は大きく分けて「認証工場」と「指定工場」に分類されます。それぞれどのような工場なのか詳しく見ていきますので、預け先選びの参考にしてください。
認証工場
認証工場とは、地方運輸局長が自動車分解整備事業を認可した工場のことを指します。認証工場の認可を受けるためには、一定規模の作業場と設備、国家資格を有する整備士を配置しなければなりません。法定整備の検査項目の中にブレーキやエンジンも含まれます。点検をするためには、ブレーキの分解やエンジンの脱着が必要です。このような専門的な作業を行えるのが、認証工場です。
ただし、車検用の検査ラインは持っていません。法定整備は行えますが、車検は陸運支局に持っていって検査を受ける必要があります。
別項で紹介する指定工場とは、在籍する整備士の人数が異なります。そのため、整備技術や品質で認証工場と指定工場の違いだけで差が生じることはありません。
指定工場
指定工場とは、国から指定を受けている工場のことです。国から保安基準適合標章の発行を認可された工場になります。つまり、運輸支局の代わりに車検を行える工場です。車検を実施できる工場ですから、認証工場よりも厳しい基準をクリアしなければなりません。認証工場の中でも設備や技術、人員などが一定の基準に達していることが条件です。国家資格整備士資格を保有しているスタッフがいるのはもちろん、自動車検査員も在籍していなければなりません。
指定工場は認証工場と比較して、かなり設備が充実しています。多くのディーラーには整備工場が敷地内に設置され、指定工場となっています。
自分でやることは可能?
最近では「ユーザー車検」といって、車検ラインを自分で通して車検を合格させることができますが、法定整備は自分で行うのは難しいでしょう。24カ月点検の場合は、特殊な工具を使って検査する項目があり、専門的な知識も要求されます。そのため、整備工場などの専門業者に依頼するのが懸命です。
12カ月点検の場合は、理論上では自分で行うこともできますが、素人の点検なので限界があります。安全を担保でき、安心して運転したければ整備工場に依頼するのが無難です。
点検の時期が来たら、購入したディーラーなどに相談してみるといいでしょう。
車の買取価格を上げるために法定整備は受けたほうがいい?
車検の残期間がある場合、査定価格に反映されるような項目が設定されています。では、車を売却するにあたって、買取価格を上げるために法定整備に出すべきなのでしょうか?詳しく説明していきます。
査定額はアップする
法定整備を受けている車両は、買取査定でプラス評価されます。車の故障を未然に防ぐために必要な点検と整備を受けていることが評価されるからです。各買取業者は、日本自動車査定協会の基準に基づき査定をしています。日本自動車査定協会の基準によると、法定整備を受けている車両は15,000円査定額がアップします。
しかし、一律で15,000円買取価格がアップするわけではありません。基準はあくまでも目安で、買取業者によって評価も若干違ってきます。
しかし、一般的に考えると法定整備を行っていれば買取価格はアップするでしょう。
査定額がアップする理由
法定整備を受けている車両の査定額がアップするのは、メンテナンスがされている車だからです。買取業者として見れば、車両のコンディションの良好なものは高値で売り出せます。中古車を購入する側としても、運転中に故障するリスクがあるような車は避けたいところです。定期的に法定整備を受けている車であれば、必要な整備が行われているので安心して購入できるでしょう。
法定整備を受けていて、なおかつ記録簿が残っている車両は査定で高評価を受けやすいとされています。それは、記録簿が残っていれば、どこをどのように整備したかが分かるからです。
法定整備を受けたのであれば、記録簿をなくさずに保管しておきましょう。
法定整備を受けていなくても査定額はマイナスにならない
車検と違い、法定整備は受けていなくても罰則規定はありません。法定整備を受けていない車を公道で運転しても問題ないこととなっています。法律的に罰則規定がないだけでなく、査定でもマイナス評価されることはありません。もちろん法定整備を受けていればプラス査定になりますが、受けていないからと言ってマイナスにはなりません。
ただし、法定整備は受けなくても、必要最低限のメンテナンスは行いましょう。例えば、エンジンオイルは長年使い続けると劣化しますので、定期的な交換が推奨されています。
このような必要なメンテナンスを行っていないと、マイナス査定になる恐れが出てきます。
査定額を上げるためだけに法定整備を行う必要はなし
日頃のメンテナンスの延長線上として、定期的に法定整備を受けるのはおすすめです。安全に運転ができる上、売却する時はメンテナンスの行き届いた車としてプラス査定が期待できます。しかし、査定価格を上げるためだけに直前に法定整備に出す必要はありません。法定整備に出していなくてもマイナス査定にはならないからです。
法定整備に出すと費用がかかります。だいたい10,000~20,000円といったところが相場で、整備や修理する箇所が多ければ追加で費用がかかります。
法定整備を受けた場合のプラス査定は、15,000円程度が相場なので、法定整備に出す費用のほうが高くついてしまう恐れがあります。買い取りに出す前に慌てて法定整備に出すのはやめたほうがいいでしょう。
中古車を購入する際に法定整備がついているかどうか確認する方法
車の売却を検討している方の中には、新車よりも価格がリーズナブルな中古車に買い替えようと思っている方もいるかもしれません。中古車を購入するなら、法定整備がされているメンテナンスの行き届いている車が欲しいと思う方もいるでしょう。
購入する際に法定整備がされているかどうかの見分け方について、ここで見ていきます。
法定整備付と法定整備別
中古車をチェックしていると「法定整備付」や「法定整備別」と記載されている車も多く見られます。「法定整備付」と書かれている車両は、整備を追加料金なしで行ってくれるという意味です。
一方、「法定整備別」と書かれている車両は、法定整備そのものはやってくれますが、車両本体の価格とは別に法定整備費用が発生します。
法定整備別の場合は、費用がどの程度かかるのか店員さんに確認しておきましょう。
もし相場よりもかなり高くなるがその車をどうしても購入したいという場合には、法定整備なしで車を買うこともできます。法定整備費用が安い別の整備工場に車両を持ち込んで、そこで法定整備を受けるのもという方法も一考です。
整備なしの車には注意が必要
「法定整備なし」という中古車も存在します。これは文字通り法定整備を行っていない車両で、法定整備の費用ももちろん請求されません。法定整備なしの中古車は、できることなら避けることをおすすめします。お店によっては何も整備しないままで、難燃も放置している可能性もあるからです。
そうなると、部品の劣化が進んでいる恐れも十分考えられます。購入したはいいけれど、すぐに不具合が起きて修理に出さないといけなくなるかもしれません。
もし整備なしの中古車でほしい車があれば、購入してすぐに整備工場に出しましょう。必要な整備をすべて行ってから運転したほうが安心です。
整備の有無を調べる方法
法定整備のついている車かどうか分からない時は、お店に行った時にプライスボードを確認したり、店員さんに問い合わせたりしましょう。近年では、いきなりお店に行くのではなく、中古車情報サイトで検索する方も多いです。ネットでほしい車を探せるので、お店に行く手間を省けますし、24時間好きな時にチェックできるのが魅力です。
中古車情報サイトには検索エンジンがあるので、法定整備された中古車を絞り込んでみましょう。中古車情報サイトの中には「法定整備込み」の条件で検索できるものもあります。
また、法定整備の条件がなかった場合でも、フリーワード検索で「法定整備あり」などのキーワードで検索をしてみると、すぐに探すことができます。
まとめ
①法定整備は法律に則って車の保有者には義務付けられている
②ただし車検のように罰則規定はなし
③法定整備を行っていると査定額はアップするが費用もかかるため、査定額を上げるためだけに整備するのはおすすめできない
④中古車を購入する際には法定整備のされた車を購入するのが安心
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