中古車購入チェックポイント
掲載日:2022.03.22 / 更新日:2022.03.22

修復歴ありの中古車は危険?見極め方のポイントについて解説

新車と比較してお得な価格で購入できるとして、中古車をマイカーとして買おうと思っている方もいるかもしれません。

中古車を購入するにあたって、できるだけ安いものを探している方もいるでしょう。

しかし、あまりに低価格で販売している中古車の購入は、慎重になるべきです。その理由は、修復歴車が含まれている可能性があるからです。

この記事では、修復歴車とはどのような車なのかについて見ていきます。

なぜ修復歴車が危険なのかも併せて紹介するので、参考にしてください。

修復歴車の基礎知識について

そもそも修復歴車とはどのような車両なのか、正確に理解できていない方も多いです。

そこで、ここからは修復歴車とはどのような車両かについて説明していきます。

よく修復歴車と事故車を同じ意味でとらえている方がいます。両者はかぶるところもありますが、厳密には異なりますので、その違いについても紹介します。

修復歴車とは?

修復歴車とは、事故などの影響で自動車の骨格部分を修理したことのある車両を指します。

では、骨格部分とはどの部分を指すのでしょうか?

日本自動車査定協会によると、8つのパーツに修理が加わっている車両が修復歴車とされています。その8つのパーツは以下になります。

・フレーム
・クロスメンバー
・インサイドパネル
・ピラー
・ダッシュパネル
・ルーフパネル
・フロア
・トランクフロア

ただし、ねじ止め部分だけの修理や交換であれば、修復歴車には該当しません。ねじ止め部分は骨格には当たらないと考えられています。

修復歴と修理歴の違い

修復歴車とは、車の骨格部分に当たるところに修理など手が加わった車両のことです。つまり、それ以外の部分を修理したとしても修復歴車とは判定されません。

骨格部分以外の修理経験のある車両のことを「修理歴車」と言います。例えば、フロントフェンダーやトランク、ボンネットが壊れて修理した場合には修理歴車という扱いになるわけです。

ガードレールや塀にぶつけて、バンパーを修理したり交換したりするケースは多いでしょう。バンパーはフレームとは切り離されたパーツなので、この場合も修理歴車に分類されます。

修復歴車の場合、査定では大きなマイナスになります。ただし修理歴だけの車両であれば、そこまで大きく査定でマイナスにされる心配はありません。

修復歴車と事故車の違い

よく勘違いされやすいのが修復歴車と事故車です。この2つは全くの別物なので、きちんと理解しておきましょう。

事故車とはその名の通り、交通事故を起こして損傷してしまった車両を指します。事故を起こしてどこを修理したかで修復歴車になるかどうかが決まります。

もし事故を起こして車の骨格部分に手を加えているのであれば、修復歴車です。しかし、たとえ事故を起こしても、骨格部分には何のダメージがなければただの事故車扱いです。

事故車でも修復歴車でなければ、そこまで査定はマイナスになりません。

事故車の中にはほとんどダメージもなく、普通に運転できるような車種もあります。

修復歴ありの中古車を購入するメリットとデメリット

修復歴のある中古車がお店で販売されていることもあります。修復歴のある中古車を購入するのは不安に思う方もいるかもしれません。

修復歴車を購入するのにはメリットもありますが、デメリットのほうが大きいです。そのため、修復歴のある中古車を購入するのは控えたほうがいいでしょう。

ここからは、修復歴車を購入するメリットとデメリットについて詳しく紹介します。

メリットは安く購入できること

修復歴のある中古車を購入するメリットは、価格の安さでしょう。

修復歴がある、いわゆる訳ありの中古車なので、同じ車種・年式の車と比較すると低価格で販売されているものが多いです。

車種によって違いがありますが、修復歴のない車よりも少なく見積もって数万円程度は安く売られています。場合によっては何十万円単位でディスカウントされているものもあるかもしれません。

修復歴といっても骨格に手が加わっているだけで、その程度は様々です。骨格を修理しているけれども軽微な整備で、さほど性能に問題がない車もあるかもしれません。

もしどうしても修復歴のある車が気になるのなら、具体的にどのような整備や修理をしたのか、担当者に聞いてみるといいでしょう。

修復歴ありの中古車を購入するデメリットは4つ

修復歴のある中古車は、通常よりもかなりの低価格で販売されています。あまりお金をかけることなく車を買えるのは最大のメリットでしょう。

しかし、修復歴ありの中古車はいろいろとリスクがあります。具体的にどのようなデメリットがあるのか説明します。

①安全性の問題

車はどんなに大きな事故でグチャグチャになっても、きれいに修理できます。

インターネットを見ても、一見すると修復歴のある車とは思えないくらいに綺麗に直されている車両の画像も見られます。しかし、骨格にダメージが加わっている車なので、何かしらの問題を抱えている可能性は大きいです。

場合によっては、走行性能に何らかの問題を抱えている可能性も否定できません。最初のうちは問題なく走行できたとしても、のちに不具合が発生する危険性も十分考えられます。

走行中にトラブルが起きた場合、事故に遭遇する危険性もあるでしょう。安全に運転したければ、修復歴のある車を購入するのは控えることをおすすめします。

②耐久性の問題

修復歴のある車は、耐久性も劣化している可能性があるという点もデメリットの一つです。

車の骨格は、中の人を守る重要な役割を果たしています。その骨格部分に何らかのダメージを受けていると、いざというときに中の人命を十分守れない恐れがあります。

フレームが壊れた場合、軽微なものであれば元に戻します。ただ、あまりに損傷がひどければ交換することになるでしょう。

この時、損傷を受けている部分だけを切り取って、溶接するのが一般的です。

しかし、この骨格を修理する時に色々と動かすことになります。すると金属疲労と言い、動かすほどに強度が低下してしまう現象が起きます。

そのため、修復歴のある車で事故に遭うと、中の人が大きなダメージを受ける危険性があるのです。

③リセールバリューの問題

中古車を購入しても、いずれまた乗り換えようと思っている方もいるでしょう。この場合、持っている中古車を売却しますが、できるだけ高い値段で売りたいところです。しかし、修復歴車はリセールバリューがかなり低くなります。

修復歴車は危険性が高く、走行性能に問題のある危険性が高いので、大幅なマイナス査定になります。

車を売りに出した場合でも、二束三文の金額しかつかない可能性もあります。状態が悪ければ、買い取りそのものを拒否されることも考えられます。

運転している時に不具合が起きる、故障する可能性もゼロではありません。そうなると修理しなければならず、修理費がかさむこともあります。

このように修復歴車は安く購入できるけれども、メンテナンスコストがかかり、リセールバリューも低いので結局損する可能性が高いです。

④故障発生リスクの問題

修復歴の有無は、車の性能面でも違いが出てきます。

見た目では分からないレベルにまで修理できていたとしても、修復歴車は購入後故障するリスクは高いです。

大手の中古車買取業者が、修復歴車の事故発生率について調査したデータがあります。それによると過去4,700台近く修復歴車を販売し、故障申請数は1,800以上に達しました。

この数をベースにすると、故障発生率は実に39.4%になります。5台に2台の修復歴車が何らかのトラブルを抱えるという結果です。この故障発生率は、かなり高いことが分かります。

安心して日々運転するためには、修復歴車は避けたほうが賢明でしょう。骨格部分が歪んでいるため、まっすぐ走行できない可能性もありますので、購入は慎重に判断してください。

修復歴ありの中古車を見分けるポイント

修復歴車はたとえ価格が安くても、安全面や性能面でリスクが高いです。できることなら、修復歴車は避けたほうがいいでしょう。

修復歴を避けると言っても、見た限りでは分からないことも多いです。そんな時、修復歴車を見極めることは可能なのでしょうか?

素人が見極めるのは難しいですが、どこをチェックすればいいのかについてここでは9つのポイントを紹介します。

①外見だけでは分からないことが多い

中古車販売店で取り扱っている修復歴車を素人が見分けるのは、かなり困難と言えます。

近年では車の修理技術はかなり高いので、ほぼ元通りに復元できます。

激しい交通事故を起こして、原形をとどめないくらいに骨格がめちゃくちゃに歪んだ車でも、そうとは分からないくらいまでに修理は可能です。そのため、見分けるのはかなり難しいでしょう。

車両状態評価書のように車両情報について書かれている資料もあります。しかし、このような評価書を見ても素人が理解するのは困難と言われています。

このようにそう簡単に見分けがつかないことを認識して、慎重に中古車選びを進めてください。

②店員さんに直接確認する

修復歴車かどうか見極める最も手っ取り早い方法は、店員さんに聞いてみることです。

修復歴車であれば、お店は表示義務があります。

自動車公正取引協議会は修復歴の有無について、販売する車両に関して明記するよう義務付けています。

これは、景品表示法などの法律や消費者庁及び公正取引委員会などのルールに基づく措置です。

自動車公正取引協議会の会員であれば、修復歴の有無を伝える義務があります。

その他にも、チラシやホームページには修復歴についての記載があるので、修復歴車かどうかを確認することができます。

③外観にずれがないか?

自分で修復歴車かどうか見極める方法は、まず外観のチェックをすることです。

一見すると綺麗な状態の車両でも、ボディパーツの一部にずれが見られるかもしれません。

車体の前方や後方、サイドと色色な角度から見てみてください。すると、隙間が一定ではない車両が見つかることもあります。

本来車の各パーツには隙間がありますが、これは均一になるように作られています。もしその隙間にムラがあれば、何らかの手が加わっている可能性があると判断していいでしょう。

しかし、よく見ないと分からないようなずれなので、見逃す可能性があります。

パッと見ですぐにずれに気付くようないい加減な整備をしている車両はほとんどないでしょう。

④修理後の有無をチェックする

外観は綺麗でも、中古車の内部をくまなくチェックすると修理の痕跡が残っている場合があります。その場合、修復歴車の可能性が高いと考えられます。

例えば、ボンネットを開けた時のボルトの状態を確認してみてください。ボルトの塗料が剥がれている場合、工具でいじった可能性があります。

また、ボンネットやトランクのところにシーラーが使われています。この部分に修理をした車は、何らかの痕跡が残っているはずです。

さらに、ボンネットやフェンダーの取り付け部分もチェックしてほしいです。この部分の塗料が剥がれている場合も、手が加えられた証拠になりえます。

⑤クリアランスのずれの有無

タイヤのクリアランスを確認すると、修復歴の有無が分かる可能性があります。

クリアランスとは、車とボディの隙間のことです。

ホイールハウスの前後のクリアランスをチェックした時に、前後のバランスがおかしくないか見てください。もし、おかしい場合は事故などの異常があってずれた可能性が高いです。

ただし、上下で隙間にずれがある場合には、あまり気にする必要はありません。ばねが劣化することで均一にならないこともあります。

前後のクリアランスがずれている場合、走行性能にマイナスの影響を与える可能性があります。安全運転の側面からも、前後のクリアランスがおかしい中古車は購入を避けたほうがいいでしょう。

⑥点検整備記録簿を確認する

中古車を購入する時は、定期点検整備記録簿のある車の中から選ぶことをおすすめします。

定期点検整備記録簿はカルテのようなもので、車をいつ点検し、どんな整備をしたかが記録されている書類です。

もし定期点検整備記録簿があれば、骨格部分の修理をしたらその旨が明記されているはずです。記録簿を見れば、修復歴の有無もはっきりするでしょう。

中古車の中でも低年式のような古い車になると、前のオーナーが点検整備記録簿を紛失している可能性があります。その場合、過去にどのようなメンテナンスを実施していたかが分かりません。

修復歴の有無とは別に点検整備記録簿が残っていない中古車は、あまり購入しないほうが賢明です。

⑦同じ車種の中古車と比較する

大規模な中古車販売店やディーラーであれば、取り扱っている中古車のバリエーションも豊富でしょう。

もしかすると気になっている中古車と同じ車種が他にも販売しているかもしれません。その場合、同じ車種と見比べてみるという方法もあります。

通常であれば、同じ生産の過程を経て作られているので全く同じ車体になっているはずです。もし2台を見比べてみて、どこか違うなと思ったら修復歴があるかもしれません。

修理は各業者がオリジナルの方法で行うので、違いが出てしまいます。一方、複数の同じ車種を見比べて、全く差がなければ修理は施されていないと推測できます。

気になる中古車があれば、「同じ車種で別の車はありますか?」と店員さんに尋ねるのも一考です。

⑧実際に試乗してみる

もし気になる中古車があって、修復歴があるかどうか気になるのなら試乗できないか相談してみましょう。

実際に修復歴車を運転した場合、走行性能でおかしいと思うようなことが出てくるかもしれません。

特にやってほしいのは、まっすぐの道路でハンドルを離すテストです。車の性能に問題がなければ、まっすぐに走行しますが、もし左右どちらかに車がずれる場合には修復歴車の可能性が出てきます。フレームやフロアの歪みがきちんと修理されていないかもしれません。

業者の中には見てくれだけ元に戻して、細かなところの修理を怠っている場合があります。

運転している時にハンドルを左右に取られそうになった場合も要注意です。

⑨冠水車にも注意が必要

修復歴車の他にも気を付けたほうがいい中古車として、冠水車があります。

冠水車は、水没車と呼ばれることもあり、台風や洪水などで車の内部まで浸水してしまった車のことです。

冠水車の場合、内装にもダメージが及んでいる可能性が高いです。特に電気系統が深刻なダメージを受け、運転していると不具合が発生したり故障で動かなくなったりするかもしれません。

冠水車の厄介なところは、修復歴車と違って表示が義務付けられていない点です。そのため、全く気付かずに冠水車を購入してしまうことも十分起こりえます。

冠水車を見分けるには、まずはシートベルトを引っ張ってみましょう。変色している場合は水に浸かっていた可能性が疑われます。

もしくはボンネットを開けてみてください。泥汚れや錆がある場合、水に浸かった可能性があるので注意が必要です。

まとめ

①修復歴ありの車は骨格部分を修理したことのある車

②事故車でも骨格部分に手が加わっていなければ修復歴車にはならない

③修復歴車は他と比較して価格が安い

④ただ、走行や安全性能に問題があるので注意が必要

グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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