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更新日:2021.01.10 / 掲載日:2021.01.10

日産 セレナ/2016年~【ONE MAKE MARKET RESEARCH】

Profile 工藤貴宏:学生時代のアルバイトから数えると、自動車メディア歴が四半世紀を超えるスポーツカー好きの自動車ライター。2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス、日産
(掲載されている内容はグー本誌 2021年1月発売号掲載の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2020年12月調べ。


セレナは、ミニバンのなかでもトップを争う人気車種。その人気の理由ははたしてどこに? あらゆる角度から好まれるワケをチェックしてみよう。

2017年式 トヨタ セレナ ハイウェイスター Vセレクション(CVT) ●全長×全幅×全高:4770×1740×1865mm ●ホイールベース:2860mm ●トレッド前/後:1480/1485mm ●車両重量:1650kg ●排気量:1997cc ●エンジン:直4DOHC+モーター ●最高出力:150ps/6000rpm ●最大トルク:20.4kgm/4400rpm ●サスペンション前後:ストラット/トーションビーム ●ブレーキ前後:Vディスク/ディスク ●タイヤ前後:195/60R16 ●中古車参考価格帯:100万円~370万円(16年~20年 ※全グレード)

先進の技術を盛り込んだトールサイズミニバン

気の利いた装備がライバル以上に充実

編集部●今回注目するのは日産のミニバン「セレナ」となります。超人気車で、少し前まで「ミニバン売り上げナンバーワン」の称号を持っていました。
工藤●国産ミニバンには“大”“中”そして“小”があって、セレナは真ん中のサイズ。いわゆる「Mクラス」ミニバンで、今回の撮影車両は専用エクステリアを持つ人気グレード「ハイウェイスター」だから3ナンバー登録だけど、標準仕様の車体は5ナンバーサイズとなっている。
編集部●このクラスのミニバンのいいところはどんな部分ですか? 見た目はMクラスでも相当広く感じますが……。
工藤●1列目や2列目はもちろんのこと、3列目でも大人が窮屈に感じず座れて長時間移動できる室内の広さがあること。それでいて、車体が大きすぎないから運転しやすいこと。そのバランスがいいのが最大の長所。
編集部●だからライバルのトヨタ「ノア」「ヴォクシー」そしてホンダ「ステップワゴン」も含め売れていると考えればわかりやすいですね。
工藤●価格も比較的手が届きやすく、ファミリーカーとしてちょうどいい。
編集部●ライバルに比べて、セレナのいいところってどこですか?
工藤●気が利いていることじゃないかな。たとえばスライドドア。
編集部●何かありましたっけ?
工藤●おおよその乗降性や電動開閉式ドアの設定はライバルも同様だけど、足の動きでドアを開け閉めできるハンズフリー機能を標準で組み込んだ仕様があるのはセレナだけ。トヨタ系にはなく、ステップワゴンは販売店オプションだ。
編集部●なるほど。
工藤●さらに、1列目から3列目まですべての列に充電用USB端子があったり、2列目のシートアレンジが多彩だったりと快適アイデアでライバルを圧倒しているといっていい。

テールゲートは上半分に相当するガラス部分だけが開く構造になっている。だから、バッグや買い物袋を荷室へ入れる際に大きなテールゲートを開かなくてもいいのが便利。そして、クルマの後方に広いスペースがなくても荷室へアクセスできるのもメリットだ。ライバルのなかで、この仕掛けを採用しているのはセレナだけ!

[モデルヒストリー]

2016年8月:フルモデルチェンジ

 4世代目のセレナがデビュー。直線基調を強めたシャープなスタイリングとなり、外装はスポーティ仕様の「ハイウェイスター」と標準仕様の2タイプをラインアップする。マイルドハイブリッドも設定。

2017年10月:「NISMO」を追加

 日産のモータースポーツ部門である「NISMO(ニスモ)」が開発した「セレナNISMO」が登場。専用デザインのエクステリア、インテリアコーディネート、そして車体補強や専用サスペンションも採用。

2018年2月:「e-POWER」追加

 「e-POWER」はエンジンを発電専用とし、駆動力はそこで発電した電気を使ってモーターで生み出すハイブリッド。日常領域での優れた燃費と滑らかで鋭い加速、静粛性などが魅力だ。

2018年9月:一部改良

 安全装備が充実。「e-POWER」モデルに先行採用されていたハイビームアシスト、標識検知機能の機能拡大、そして踏み間違い衝突防止アシストに前方の歩行者を検出する機能などが追加された。

2019年8月:マイナーチェンジ

 外観のデザインをリフレッシュ。「ハイウェイスター」はフロントグリルが大型化され、「e-POWER」にも16インチタイヤを新設定。ヘッドライトは部分的にハイ/ローを自動切り換えする機構も採用。

2020年8月:一部改良

 先進安全装備をアップグレード。「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」と呼ぶ、レーダーを組み合わせて前方の状況を把握し、2台前を走る車両の動きを検知してブレーキを促す装備も搭載。

[インテリア]アレンジ幅が広い!多機能な2列目シートに注目

キーを携帯し、スライドドアの下で足を動かすとスライドドアが自動開閉する機能はなんと、量産車で世界初採用。赤ちゃんを抱いているときにも超便利だ。

 セレナほどの車体の大きさがあれば、1列目から2列目、そして3列目までどの列に座っても快適に移送できる。だから大人数での移動が多いユーザーにもオススメだ。注目は2列目シートのアレンジの幅広さ。ライバルで「7人乗り」に相当する2人掛け状態と、「8人乗り」に相当する3人掛け状態に変化する。
工藤’sコメント「2列目はもちろん、3列目にも快適に移動できる」

セレナ独自の仕掛けが2列目シートの横スライド機構。前席でスライドする中央部分との組み合わせにより、左右独立と3人掛けベンチ状態、そして2人掛けベンチ状態に切り替えできる。

  • ゆったり広々、とまではいかない3列目だけど、窮屈なく座れるだけの空間はしっかり用意されている。

  • 合計4本分のドリンクホルダーや充電用USBも用意。

[メカニズム]先進技術を採用 長時間移動も楽になる

 セレナの注目ポイントのひとつが、先進技術の積極投入。高速道路などでハンドル操作をアシストする「プロパイロット」は、ドライバーはハンドルに手を添えるだけで車線から外れないように走るので高速走行時の疲労を軽減。ハイブリッドの「e-POWER」は、燃費がいいだけでなく音が静かで加速感が爽快なのも魅力だ。
工藤’sコメント「先進技術が運転をサポートしドライブが快適に」

ProPILOT

 高速道路など走行時に、アクセル操作に加えてハンドル操作をサポート。前を走るクルマに一定の車間を開けて速度を調整しつつ、車線の中央を走るように制御する。

e-POWER

 ハイブリッドの一種で、エンジンは発電専用。そこで生み出した電気を使ってモーターをまわして駆動力とする日産独自のシステムだ。同じハイブリッドでも「S-HYBRID」はエンジンが駆動力の主体となるのに対し、e-POWERは完全にモーター駆動となる。

ウイークポイントが見当たらないのがさすが

編集部●ところで今回の撮影車両は違いますが、「e-POWER(イーパワー)」と呼ぶ日産お得意のハイブリッドシステム搭載車もあります。魅力的ですか?
工藤●間違いなくオススメ。街中での燃費はいいし、静かだし、モーター走行だから滑らかで快適だし、爽快感もある。だけど……価格はちょっと高めだね。
編集部●なるほど。いずれにしろ、セレナは人気車種だけに中古相場も高めに推移していますね。
工藤●ただ、中古車として流通している台数自体は多いから、予算に応じて選べる状況といえるかも。
編集部●確かにそうですね。

[マーケットデータ]

  • 年式
    中古車は高年式が中心。最も多いのが2019年式で、全体の3割以上を占めている。

  • グレード
    グレードに偏りがあり、ベース車よりもハイウェイスター系が豊富。e-POWERも十分に流通している。

  • 走行距離
    低走行距離の物件が豊富に流通しており、1万km未満が半数近く。状態のよい物件も揃っている

工藤貴宏が注目するセレナの「ココが○」

その1:車体サイズと室内広さのバランス
その2:3列目まで充実の快適装備
その3:e-POWERなど先進技術の搭載

取材協力:日産ステージ足立鹿浜

低価格かつ良質な日産車が揃う販売店
 東京都足立区にある「日産ステージ足立鹿浜」は、良質な物件を取り揃えているディーラー系中古車販売店。環状七号線沿いにあるため、アクセスも良好だ。今回紹介したセレナはもちろん、人気のノートなども展示されているので、足を運んでみよう。
住所:東京都足立区椿2-2-5 TEL:03-3899-1405 定休日:火曜日

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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