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更新日:2020.01.07 / 掲載日:2018.10.26
【ホンダ】エンジンとタイヤの性能をフルに生かすアダプティブ・ダンパー・システムとは

ホンダのフロントエンジン・フロントドライブ(以下FF)スポーツカー「シビックタイプR」は、FF量産車最速の走りと、日常の走りを両立させた、4輪独立電子制御ダンパー「アダプティブ・ダンパー・システム」を採用しました。
ドライバー操作や車両状態を素早く検知し、各ダンパーの減衰力を独立して電子制御するのが、アダプティブ・ダンパー・システムです。
アダプティブ・ダンパー・システムは、減衰力を伸び・縮みともに広い可変幅を有し、四輪の減衰力を1/500秒単位で制御します。
従来のバネ上制振制御に加えて、四輪の接地荷重変動を抑制する新制御を開発しました。
今回は、FF量産車最速の走りと、抜群のロードホールディング性をさらに進化させた、シビックタイプRのアダプティブ・ダンパー・システムについて解説します。
アダプティブ・ダンパー・システムの減衰特性とは
アダプティブ・ダンパー・システムは、サーキット走行からラグジュアリーカー並みの快適な乗り心地まで、減衰力を広範囲に連続可変できる特性を持ち、以下の3つの特性があります。
・路面を確実に捉えるフラットな車両姿勢コントロール
路面状態の悪い状況下での走行でも、高いタイヤ接地性を保つように、バネ上挙動に応じて四輪の各ダンパーの減衰力を調整します。
このことから、スポーツカーでありながらしなやかで快適な乗り味を実現しました。
また、加速時には、各輪の荷重が適切な配分になるよう調整し、加速時のホイールスピンを抑制することにより、2.0L VTECターボエンジンのパワーを余すことなく路面に伝え、FF量産車最速の加速性能に貢献しています(2015年10月時点)。
・ハンドリングの一体感とハイレスポンス
ドライバーのステアリング操作に対し、車両が遅れなく追従し、一体感ある車両挙動となるように、各ダンパーの減衰力を調整します。
また、ハイパフォーマンスタイヤの性能を最大限に活かすための、適切な荷重移動を実現しました。
・トップスピードまで安定した車両挙動
アウトバーンで徹底的にセッティングを煮詰め、200km/hを超える速度域でもドライバーへ不安を与えません。
車速に応じて減衰力の可変幅を最適化しますので、街乗り、高速、サーキットまで安定した走行安定性を提供します。
アダプティブ・ダンパー・システムの+Rモードとは
ドイツ北西部にあるニュルブルクリンクは山岳地域の中を巡る高速のワインディングロードと言われるサーキットです。
そのニュルブルクリンクにおいて、FF量産車最速を実現するためには、高い路面接地性と車両姿勢コントロールが重要です。
+Rモードでは、アダプティブ・ダンパー・システムの制御パラメーターを高減衰域にシフトさせることで、高い路面追従性を発揮できます。