中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.23 / 掲載日:2016.06.24
日産 ティアナ(2015年2月~2016年4月)中古車購入チェックポイント
日産 ティアナ (2015年2月~2016年4月) 中古車購入チェックポイント
参考車両:XL[DBA-L33]
初度登録:2015年2月
追加装備:〈メーカーオプション〉メモリーナビ+アラウンドビューモニター+クルーズコントロール+ステアリングスイッチ+6 スピーカー+車線逸脱警報+後側方車両検知警報、サンルーフ
■全体のチェックポイント
2014年2月に発売した3代目L33型が、2015年2月の一部改良で安全装備(エマージェンシーブレーキ&踏み間違い衝突防止アシスト)を標準装備したモデル。参考車両は、追加装備しているメーカーオプションのナビゲーションシステム(アラウンドビューモニターや車線逸脱警報&後側方車両検知警報などもセットで同時装着)の機能も必ずチェックする。
走行機能への影響にも注意しながらチェックする
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、歪みや塗装の色艶などにも注意しながら外装に異常がないか観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、フォグランプカバー、上下グリル、下側のディフレクター(タイヤの前にある空気整流板)などに損傷がないか見て、立て付けもチェック。同時に、ボンネットやヘッドランプもチェック。フェンダーは、膨らんでいるホイールアーチの縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけ)などもチェック。
3.関連部も慎重にチェック
3.関連部も慎重にチェック
ドアは、外面だけでなく、内側のパネル接合部あたりも修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。さらに、ドアキャッチ(ロックの受け金具)やピラー(柱)などもチェックする。
4.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーは、カバーで覆われているが、錆や修理跡などがないかチェック。同時に、車体パネルもチェック。最前部で車体に繋がっているラジエターサポートおよび関連部品なども、異常がないか必ずチェックする。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラー、ルーフなどに異常がないかチェック。下側のマフラーなども、損傷がないか見る。 トランクリッドは、開閉具合や立て付けをチェックし、内側やヒンジ部も調べる。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラーなどに注意しながら修理/交換跡がないかチェック。さらに、スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、歪みや修理跡などがないかチェック。
6.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に損傷、腐食(錆)、修理跡などがないかチェック。特に下に突き出ているパネル接合部の交換跡に注意。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)も、フェンダーやピラーとの接合部あたりの異常に注意しながらチェックする。
7.損傷の程度も確認する
ドア開口部は、乗り降りによる擦り傷や打ち傷、簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確かめる。 左リアフェンダーは、フューエルリッドや給油口周辺も、修理跡などがないか見る。
8.足まわりの状態にも注意
8.足まわりの状態にも注意
「XL」は、215/60Rタイヤ&16x7Jアルミホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や亀裂などがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体の歪みにも要注意。アルミホイールは、塗装の傷みや剥げ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃による変形や破損などに注意しながらチェックする。 タイヤ/ホイールの状態によっては、直進性や操縦性が悪化するほか、車両安定制御VDC/TCSなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバー類など車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。水漏れや油脂漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食状態を確かめる。
★損傷や修理/交換歴の有無を確認
「ティアナ」の作りは、オーソドックスなFF4ドアセダン。フロントフォグランプ、LEDサイドターンランプ付電動格納式ドアミラー・ヒーター付、LEDテール/ブレーキリアコンビネーションランプ、デュアルエキゾースト、外板塗装スクラッチシールドなどを全車標準装備。
「XL/XV」は、キセノンヘッドランプやエマージェンシーブレーキ&踏み間違い衝突防止アシスト(フロントガラス上部にマルチセンシングカメラ、フロントバンパー/グリルとリアバンパーにソナーがある)を標準装備。
参考車両「XL」は、16インチアルミホイールを標準装備。アラウンドビューモニター+車線逸脱警報+後側方車両検知警報*1を追加しているので、リアナンバープレート上側にバックカメラが付いている。
車体の衝撃吸収構造も注意ポイントといえるが、車体構造はともかく、外装だけでなく、走行機能のダメージにも注意したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換箇所がないか販売店に聞いてみよう。
*1:メーカーオプションの日産コネクトナビゲーションシステムを装着すると、アラウンドビューモニター・移動物検知MOD機能、車線逸脱警報LDW、後側方車両検知警報BSW・警告表示灯・BSW[ON・OFF]スイッチ、クルーズコントロール・ステアリングスイッチなどもセットで同時装着する。
室内の傷み具合と装備機器の機能動作をチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷などがないかチェック。ボックスやポケットなどは、内部も見る。シート表皮の染み、破れ。装飾パネルの割れ、浮き。本革部分の擦れ、剥げ。ボックスの蓋やエアコン吹き出し口などの可動部破損などにも注意しながらチェック。
2.トランク室までチェック
後席も、シートからドア、床、天井まわりまでチェック。センターアームレストの出し入れや6:4分割可倒式リアシートのトランクスルー機能なども試しながら周辺の様子をチェック。後部トランクルーム内も、傷みなどがないかチェックする。
3.装備機器の具合をチェック
ヘッドライトやウインカー、ワイパー、ミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備。インテリジェントキーの機能およびドア/トランクリッドの解錠・施錠具合などもチェック。オートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、自動調整機能や調整・設定機能の作動具合や制御具合をチェック。
4.追加装備の機能も確認
日産コネクトナビ装備車は、ナビ・AV機能や通信・接続機能のほか、付随・連携機能なども正常か確認。参考車両は、ガラスサンルーフの電動スライド&フロントチルトアップ、サンシェード開閉などの機能動作もチェックする。
★細部は販売店で調べてもらう
インテリジェントキー・運転席/助手席/トランク感知、左右独立温度調整オートエアコン・後席用吹き出し口、6:4分割可倒式リアシート・リアトランクスルーなどを全車標準装備。「XL」は、本革巻ステアリングホイール&シフトノブ、プラズマクラスター(空気清浄機能)搭載オートエアコン、運転席/助手席パワーシート、助手席パワーオットマン、オーディオレス・カバーレス・6スピーカーなどを標準装備。参考車両は、日産コネクトナビシステム(TV・AM/FM・DVD/CD・Bluetooth・ハンズフリーフォン・USB、外部接続端子、ETCユニット)+ステアリングスイッチや電動サンルーフを追加している。
いずれにしても、車両をチェックする際は、現車の装備内容を販売店でまず確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。特に電装機器のトラブルに注意したい。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、インテリジェントキーとエンジンスイッチの機能も確認。表示灯・警告灯、メーター・インジケーター・ディスプレイの表示なども見る。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック

CV Tは、[P・R・N・D・Ds]各レンジへのシフト操作具合をチェック。可能なら、走行時の自動無段変速動作、[SPORT]モード(シフトノブの右にスイッチ)時の制御機能、省燃費走行機能[ECO]モード時のエンジン/CVT 制御などの具合をチェック。 ブレーキ、ステアリング、サスペンションなど各装置のほか、ABS/EBD/ブレーキアシストや車両安定制御VDC/TCSなどの作動具合もチェック。衝突回避支援自動ブレーキ機能(グレード別設定)や駐車/運転支援機能(オプション設定)は、連携機能なども異常がないか確認したい。 とはいっても、正常かどうかを判断するのはまず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう

「ティアナ」は、2.5L[QR25DE型]エンジン、CVT・[SPORT]モードスイッチ付、2WD(FF前輪駆動)、ECO モード・[ECOOFF]スイッチ、車速感応式電動油圧パワーステアリング、EBD付ABS&ブレーキアシスト、車両安定制御VDC(横滑り抑止VDC/空転防止TCS・ブレーキLSD)・[VDC OFF]スイッチ、アドバンスドドライブアシストディスプレイ、インテリジェントキー&プッシュエンジンスターター+エンジンイモビライザーなどを搭載。「XL/XV」は、エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)&踏み間違い衝突防止アシスト(低速加速抑制/低速衝突軽減ブレーキ)・[ON/OFF]スイッチを標準装備。参考車両は、駐車/運転支援機能*1も付いている。
各機構の構造はともかく、それぞれの機能が正常か確認したい。できれば点検整備記録も探ってみたいところだが、とりあえずエンジンルーム内の様子だけでも見て、走行関連各部の整備状況は販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、すべての走行機能をきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
*1:メーカーオプションの日産コネクトナビゲーションシステムを装着すると、アラウンドビューモニター・移動物検知MOD機能、車線逸脱警報LDW、後側方車両検知警報BSW・警告表示灯・BSW[ON・OFF]スイッチ、クルーズコントロール・ステアリングスイッチなどもセットで同時装着する。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際は、溶接部を剥がすことがあるので、パネルの接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして2014年2月5日に発売した3代目L33型「ティアナ」。内外装にスポーティ感を加えるとともに、車体やサスペンションなどを改良し、改良型2.5Lエンジン・新型CV T・2WD(FF前輪駆動)を搭載。仕様グレードには、ベーシック「XE」、スタンダード「XL」、上級「XV」の3タイプを設定。●2015年2月に一部改良し、装備を一部変更。「XL」と「XV」に、[エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)]+[踏み間違い衝突防止アシスト]を標準装備した。フォグランプ、オートライトシステム、インテリジェントキー&プッシュエンジンスターター、ステアリングスイッチ(アドバンスドドライブアシストディスプレイ操作)、左右独立温度調整オートエアコン+後席用吹き出し口、6:4分割可倒式リアシート(トランクスルー)などを全車標準装備。「XE」は、ハロゲンヘッドランプ(マニュアルレベライザー付、プロジェクタータイプ)、ウレタンステアリングホイール&シフトノブ、オーディオレス・カバーレス・4スピーカー、スエード調クロス運転席シートリフター(ラチェット式)、16インチアルミホイールなどを標準装備。「XL」は、キセノンヘッドランプ(オートレベライザー付、プロジェクタータイプ)、本革巻ステアリングホイール&シフトノブ、プラズマクラスター搭載オートエアコン、運転席/助手席パワーシート、助手席パワーオットマン、オーディオレス・カバーレス・6スピーカーなどを標準装備。「KV」は、XEの装備のほか、リバース連動下向ドアミラー、本革シート地、前席エアコンディショニングシート、17インチアルミホイールなどを標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
XE | DBA-L33 | CVT | FF |
XL | DBA-L33 | CVT | FF |
XV | DBA-L33 | CVT | FF |