中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.21 / 掲載日:2016.02.05
マツダ デミオ(2014年10月~2016年1月)中古車購入チェックポイント
マツダ デミオ(2014年10月~2016年1月) 中古車購入チェックポイント
参考車両:XD ツーリング L パッケージ(LDADJ5FS)
初度登録:2014年10月
追加装備:〈メーカーセットオプション〉セーフティパッケージ(ブラインドスポットモニタリング/リアクロストラフィックアラート/ハイビームコントロールシステム/レーンデパーチャーウォーニングシステム)+CD/DVD+TV+減速エネルギー回生i-ELOOP〈ディーラーオプション〉ナビゲーション用SDカード
■全体のチェックポイント
2014年9月に発売した4代目「デミオ」ガソリン車。続いて10月に発売したディーゼル車は、ガソリン車よりも装備が充実しているのが特徴。参考車両は、安全装備オプションを追加装備しているのも注目ポイントだ。車体まわり・室内・装備機器の状態はもちろん、走行機能や運転支援機能などの整備状況もしっかりチェックしたい。
走行機能のダメージにも注意しながらチェックする
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、外装に異常がないか、車体まわりを観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部・フォグランプベゼル・ロアグリル、アッパーグリルやガーニッシュなどに損傷がないか見て、立て付けも調べる。下側にあるタイヤディフレクター(空気整流板)の損傷にも注意。同時に、ヘッドランプやボンネットもチェック。フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のマッドガード(泥よけ)なども、修理跡などがないか見る。
3.関連部も慎重にチェック
3.関連部も慎重にチェック
ドアは、外面だけでなく、内側(特にパネル接合部)も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。車体側のピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部も異常がないか調べる。
4.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡などがないか見て、取り付け状態を調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部にあるシュラウド(ラジエターサポート)および関連部品なども、要チェック。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、リアゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。ナンバープレートやマフラーの損傷などにも注意。
リアゲートは、開閉具合やロッドダンパーの効き具合をチェックし、内側やヒンジ部も見る。開口部も、パネル接合部の溶接やシーラーなどの異常に注意しながら修理/交換跡などがないかチェック。
ピラー、ルーフ、リアフェンダーなども、後方からの衝撃が波及した形跡がないか注意したい。
6.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に損傷、腐食、修理/交換跡などがないかチェック。判断するのは難しいかもしれないが、床下側にあるパネル接合部(黒い塗装)の異常には特に注意したい。
同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も、フェンダーやピラーとの接合部あたりの状態にも注意しながらチェックする。
7.損傷の程度もチェック
ドア開口部は、修理跡のほか、乗り降りによる傷や簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確かめる。
左リアフェンダーは、フューエルリッドや給油口周辺も、修理跡などがないかチェックする。
8.タイヤとホイールをチェック

「XD ツーリング」は、185/60Rタイヤ&16インチアルミホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷や亀裂などがないかチェック。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良のほか、車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、車両安定制御DSC/TCSなどが正常に作動しなくなることにも注意したい。
アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、縁石などに接触することがあるリムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃による歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。
9.床下の様子もチェック
9.床下の様子もチェック
車体パネルや補強部材、カバーなど車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、破損、修理/交換跡などがないかチェック。水漏れ、オイルやグリスの漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、広がり範囲と腐食状態を調べる。
★損傷や修理/交換の有無を確認する
「デミオ」の作りは、コンパクト5ドアハッチバック。クロームメッキシグネチャーウィング(フロントグリル縁の翼形状ガーニッシュ)、LEDウインカー付ドアミラー、LEDブレーキ/テールリアコンビネーションランプ&シグネチャーLEDランプ(リアゲート側にバックランプ)などを全車装備。AT車(13Cを除く)には、フロントガラス上部にレーザーセンサー(スマートシティブレーキサポートSCBS/AT誤発進抑制制御機能共用)がある。
「13S L パッケージ/XD ツーリング」は、LED4灯ヘッドランプ+シグネチャーLEDランプ(車幅灯)、フロントガラス上部オートライトセンサー/雨滴感知式ワイパーレインセンサー。「XD」は、ソウルレッドプレミアムメタリック塗装フロントグリルガーニッシュ。「XD ツーリング」は、フロントフォグランプ、切削加工・ガンメタリック塗装16インチアルミホイールなどを装着している。
参考車両は、セーフティパッケージを追加しているので、フロントガラス上部にカメラ(ハイビームコントロールシステムHBC/車線逸脱警報システムLDWS共用)、リアバンパー内側左右にリアレーダーセンサー(ブラインドスポットモニタリングBSM/リアクロストラフィックアラートRCTA共用)なども付いている。
車体構造などはさておき、走行機能にもダメージがないか確認したい。車体の骨格部を事故修理している修復歴車でなくても、損傷や修理や交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能動作をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
室内は、内装材に汚れや傷み、損壊などがないかチェック。ボックスやトレーなどは、内部も見る。シート表皮の染み、破れ。本革部分の擦れ、剥げ。加飾パネルなどの傷、浮き。ボックスリッドやエアコン吹き出し口の可動部破損などにも注意しながらチェック。
2.後室も丹念にチェック
後席も、6:4分割可倒式シートの折り畳みなども試しながら周辺をチェック。後部ラゲッジスペースも、傷みなどがないかチェック。トノカバー(グレード別設定)や床下収納ボックスの状態も見る。
3.装備機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ワイパー、ミラー、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器。キーレスエントリーシステムの機能も確認。オートエアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、自動制御や調整・設定機能をチェック。
4.追加装備の機能も確認
標準装備のAM/FMラジオのほか、[マツダコネクト]機能およびディスプレイ、コマンダーコントロール、ステアリングスイッチなど、付随・連携機能の具合もチェック。参考車両は、CD/DVD・TVとナビ用SDカードを装着しているので、追加されたAV機能やナビ機能なども正常か確認したい。
★細部は販売店で点検してもらう
AM/FMラジオを全車に装備し、「13C」以外は、[マツダコネクト〔Bluetooth/ハンズフリー/SMS/ナビ(別途ナビゲーション用SDカードが必要)機能など〕]、ワイド液晶ディスプレイ&コマンダーコントロール、ステアリングオーディオスイッチ、ハンズフリーマイクなどを標準装備。「XD ツーリング L パッケージ」は、フルオートエアコン、アドバンストキーレスエントリーシステム、本革巻ステアリングホイール&シフトノブ&パーキングブレーキレバー、合成皮革オフホワイト/グロスブラック/サテンクロームメッキ内装、クロス/レザーオフホワイトシート表皮、トノカバーなどを装備。参考車両は、メーカーオプションのCD/DVDプレーヤー+TVチューナー、ディーラーオプションのナビゲーション用SDカードも追加装備している。
いずれにしても、車両をチェックする際は、現車の仕様グレードや装備内容を販売店でまず確認する。便利装備などは、販売店スタッフに聞いて、機能を試してみる。特に電装機器類は、異常がないか販売店で調べてもらおう。
走行機構・制御機能の具合と整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、エンジンスイッチの機能も確認。表示灯・警告灯、メーターやディスプレイの表示なども見る。不明なことは、販売店に聞いてみよう。
2.運転支援機能もチェック
マニュアルモード付6速ATは、各レンジへのシフト操作具合をチェック。可能なら、走行時の変速・制御・[D]時自動シフトポイント制御、マニュアルモード[+・ー]・[D]時ダイレクトモードなどの機能動作。アイドリングストップや上り坂発進時後退防止のほか、EBD・4W-ABS、DSC・TCS、SCBS・AT誤発進抑制制御など運転補助/支援機能も、作動具合をチェック。
参考車両は、メーカーセットオプションで追加している省燃費機能i-ELOOPや安全装備(BSM/RCTA、HBC、LDWS)機能なども、異常がないか確認したい。
とはいっても、正常かどうかを判断するのはまず無理。販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう

「XD」2WD AT車は、1.5Lディーゼル(コモンレール高圧噴射)ターボエンジン・予熱表示灯、ディーゼルパティキュレートフィルターDPF(粒子状物質捕集・除去)・DPF表示灯などを搭載。アイドリングストップi-stop・[OFF]スイッチ、上り坂発進時後退防止HLA、マニュアルモード付6速AT、衝突回避ブレーキ制御SCBS・[OFF]スイッチ&AT誤発進抑制制御、運転状況判定機能i-DM、制動力配分EBD付ABS、電動パワーステアリング、車両安定制御DSC(横滑り抑止DSC/駆動輪空転抑止TCS・[OFF]スイッチなどは全車に装備。「XD ツーリング L パッケージ」は、アクティブドライビングディスプレイ、クルーズコントロール、ステアリングシフトスイッチなどを標準装備。参考車両は、減速エネルギー回生システムi-ELOOP、車線変更時後方確認支援BSM/後退時後方確認支援RCTA・[OFF]スイッチ、ヘッドランプ自動ハイ/ロービーム切り替えHBC、車線逸脱警報システム・[LDWS]スイッチなども追加装備している。
各機構の構造などはともかく、それぞれの機能が正常か確認したい。できれば点検整備記録も探ってみたいが、とりあえずオイル漏れなどに注意しながらエンジンルーム内だけでも見て、走行系全般の詳しい整備状況は販売店に聞いて確認。車両の購入を決めるなら、すべての走行機構および連携・制御機能などをきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て、年式(登録年月日)・仕様・グレードを確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、パネル接合部を慎重に調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時とは異なる特徴があることに注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●4代目「デミオ」は、2014年9月に、1.3Lガソリンエンジン(G1.3)・2WD(FF前輪駆動)・マニュアルモード付6速AT(6AT-M)/5速MTを搭載した「13C/13S/13S L パッケージ」を発売。
●翌10月に、1.5Lディーゼルエンジン(D1.5)・2WD・6AT-M/6MT搭載車「XD/XD ツーリング/XD ツーリング L パッケージ」を発売した。
アイドリングストップi-stop、運転状況判定機能i-DMを全車に装備。13Cを除くAT車は自動ブレーキシステムSCBS&AT誤発進抑制制御(MT車はSCBSのみ)、G1.3AT車はドライブセレクションスイッチを装備。AM/FMラジオ+外部接続ハブを全車装備し、13C以外は、インターネット接続[マツダコネクト]+WVGAセンターディスプレイ&コマンダーコントロール+ステアリングオーディオスイッチなどを標準装備。
「13C」は、液晶オーディオディスプレイ、4スピーカーなどを装備し、13Sの一部装備を省略。「13S」は、ハロゲンヘッドランプ、電波式キーレスエントリー、6スピーカー、マニュアルエアコンなどを標準装備。「13S L パッケージ」は、LEDヘッドランプ、アクティブドライビングディスプレイ、フルオートエアコン、アドバンストキーレスエントリー、本革巻ステアリングホイール/シフトノブなどを装備。
「XD」は、レッド塗装フロントグリルガーニッシュ、マニュアルエアコン、トノカバーなどを装備し、一部13S L パッケージの装備も標準装備。「XD ツーリング」は、XDに、フロントフォグランプ、クルーズコントロール、ステアリングシフトスイッチ(AT車)などを追加。「XD ツーリング L パッケージ」は、ツーリングとL パッケージを合わせた装備だが、内装は13S L パッケージの合成皮革オフホワイト/グロスブラックを装着している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | シフト |
・G1.3 FF(型式 DBA-DJ3FS) | |
13C | 6AT-M |
13S | 6AT-M・5MT |
13S L パッケージ | 6AT-M・5MT |
・D1.5 FF(型式 LDA-DJ5FS) | |
XD | 6AT-M・6MT |
XD ツーリング | 6AT-M・6MT |
XD ツーリング L パッケージ | 6AT-M・6MT |