中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.27 / 掲載日:2015.07.10
トヨタ bB 中古車購入チェックポイント(2015年07月)
トヨタ bB(2014年9月~) 中古車購入チェックポイント
参考車両:S(DBA-QNC20)
初度登録:2014年9月
追加装備:〈メーカーオプション〉HDDナビゲーションシステム〈ディーラーオプション〉専用フロアマット
■全体のチェックポイント
2代目QNC型が、2008年10月にマイナーチェンジした後の2014年9月に一部改良した時期の標準モデル。“妖しい・いかつい”スタイルのボディ形状にも考慮しながら車体まわりをチェック。走行関連機能のコンディションと整備状況も必ず確認するが、一部改良で車両安定制御機構を標準装備したことにも注意したい。
関連部のダメージにも注意しながらチェックする
1.外見の様子から探っていく
1.外見の様子から探っていく
まずは、外装に異常がないか観察する。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、先端部やフロントガラスの飛び石傷などにも注意したい。
2.隣接部も同時にチェック
2.隣接部も同時にチェック
バンパーは、角や下部、フォグランプカバー、バンパーグリルなどに損傷がないか見て、立て付けもチェック。下側にあるエアスパッツの破損にも注意。アッパーグリルやヘッドランプもチェック。フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけ)なども調べる。
3.周辺部の状態にも注意
3.周辺部の状態にも注意
ドアは、外面だけでなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部も見る。同時に、車体側のピラー(柱)やサイドシル(梁)など関連部も調べる。
4.車体の内側もチェック
ボンネットは、内側やヒンジ部もチェック。フェンダーも、内側に腐食(錆)や修理跡などがないかチェックし、ブラケット(支え金具)も見て、固定状態を調べる。同時に、車体パネルもチェック。最前部にあるラジエターサポートおよび関連部品なども、必ずチェックする。
5.後部のチェック
後面も、バンパー、バックドア、コンビネーションランプ、フェンダー、ピラーなどを慎重にチェック。
バックドアは、開閉の動きと開閉を補助するロッドダンパーの効き具合をチェック。バックドアの内側やヒンジ部もチェック。溶接やシーラーの状態に注意しながら開口部もチェック。さらに、スペアタイヤ収納部周辺のパネルも、歪みや修理/交換跡などがないか見る。
6.下側に要チェックポイント
車体側面下部は、サイドシル(車体の梁)に損傷、腐食、修理/交換跡などがないかチェック。判断するのは難しいかもしれないが、床下側のパネル接合部(下に突き出ている部分)の修理/交換跡には特に注意したい。
同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も、フェンダーやピラーとの接合部あたりの状態にも注意しながらチェックする。
7.損傷の程度も確かめる
ドア開口部は、乗り降りによる擦り傷や打ち傷、簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認する。
左リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口周辺も修理跡などがないかチェックする。
8.タイヤとホイールをチェック
8.タイヤとホイールをチェック
「S」と「Z」は、185/55Rタイヤ&15×6JJアルミホイールを標準装備。タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷、亀裂、欠けなどがないか見る。異常摩耗を起こしていれば、サスペンション不良や車体の歪みなどにも要注意。タイヤの状態によっては、車両安定制御機構VSC&TRCなどが正常に作動しないことがあるので注意したい。
アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じることがある歪みや割れなどにも注意してチェックする。
9.床下も覗いてチェック
9.床下も覗いてチェック
車体パネルや補強部材、カバーなど車体部品。マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、歪み、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。水漏れ、油脂汚れ(オイルやグリスなどの漏れ)、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。錆があれば、範囲と腐食の状態を調べる。
★損傷や修理/交換の有無を確認する
「bB」は、箱形ボディのコンパクト2ボックス・2列シートトールワゴン。独特なデザインのフロントまわり、出っ張っているバンパーやフェンダー、凹面状のサイドドア、下端部を折り込んだサイドドア/バックドア、リアバンパー直上のリアフェンダー後端部にリアコンビネーションランプがある、といったところが特徴。標準スタイルの「S」「Z」は、ディスチャージヘッドランプ&LEDクリアランスランプ、車体同色のサイドターンランプ付電動格納式ドアミラー/ドアハンドル、可倒式ルーフアンテナ、リアドア/バックドアUVカット機能付プライバシーガラス、15インチアルミホイールなどを標準装備。床下には、エアスパッツ(タイヤの前にある整流板)やエンジンアンダーカバーを設置している。
衝突安全ボディの衝撃吸収構造なども注意ポイントといえるが、車体構造はともかく、外装だけでなく、車体骨格や走行機能のダメージにも注意したい。車体の骨格部を事故修理しているのは修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換している箇所がないか販売店に聞いてみよう。
室内の状態と装備機器の機能を細かくチェック
1.隅まで丹念にチェック
1.隅まで丹念にチェック
室内は、内装材に汚れ、傷、穴、損壊などがないかチェック。ボックスやポケット、トレーなどは、内部の状態も見る。
シート表皮の染みや破れ。フック類の破損。ボックスの蓋やエアコン吹き出し口、収納式カップホルダーなどの可動部破損などにも注意しながらチェックする。
2.室内後部も慎重に調べる
前席周辺だけでなく、後席も、シート、ドア、床、天井まわりまでチェック。6:4分割可倒式リアシートのリクライニングや背もたれ前倒しなども試しながら周辺を探る。
ラゲッジスペースも、傷みがないかチェック。車体まわりのチェックで後部パネルを調べる時に、デッキボード(床板)やデッキアンダートレーの状態も見ておく。

3.電装機器の作動を確認
3.電装機器の作動を確認
ヘッドライトやウインカー、ワイパー、ミラー、ブレーキ/バック/テールランプなど保安装置のほか、パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な装備の作動状態をチェック。
エアコンは、特に冷房の効き具合に注意して、調整・設定機能をチェックする。
4.追加装備の機能も確認
参考車両には、メーカー装着オプションのHDDナビが付いているので、ナビ機能やAV機能が正常かチェック。ディーラーオプションの地デジTVチューナーやBluetooth用マイク&スイッチを追加していないので、TV機能はなく、G-BOOKオンラインサービスを利用できないことにも注意したい。
★販売店で細部まで調べてもらう
「S」はマニュアルエアコン、「Z」はオートエアコンなどが標準装備となっているが、イルミネーション(ヘッドランプスイッチ連動ON/OFF)フロントカップホルダー2個やオーディオレス・4スピーカーなど、基本装備は同等。目玉装備の[CD・AM/FM+11スピーカー+11イルミネーション+アームレストコントローラー]などは、パッケージオプション「煌」で装着する装備に含まれている。
参考車両は、メーカーオプションのHDDナビゲーションシステム[DVD/CD・MD・AM/FM・タッチ式ディスプレイ・VICS+G-BOOK mX対応]を追加しているが、TVやG-BOOKを使うには別途ディーラーオプション機器を装着する必要がある。
いずれにしても、中古車をチェックする際は、販売店で車両の装備内容をまず確認。装備機器類は、とりあえずわかるところだけでもチェックし、どこかに異常がないかは販売店で点検してもらおう。特に電装機器の作動具合に注意したい。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけて、始動具合をチェック。始動時には、スターターモーターの勢いやエンジンのかかり具合に注意し、表示灯や警告灯、メーター・インジケーター・ディスプレイの表示なども見る。エンジンがかかったら、アイドリング回転や排気ガスの色などもチェック。わからないことは、販売店スタッフに聞いてみよう。
2.制御機能の具合も確認
2.制御機能の具合も確認
4速ATは、[P・R・N・D・2・L]各レンジへのシフト操作具合をチェック。可能なら、走行時のオートマチック動作、登坂変速制御、フレックスロックアップ(Dレンジ時の省燃費機能)、オーバードライブ(シフトレバー右面に[O/D]スイッチ)などの具合もチェック。
ブレーキ、ステアリング、サスペンションなどの状態と制御機能。VSC(横滑り抑制VSC・空転抑制TRC)の作動と[VSC/TRCOFF]スイッチ機能などもチェック。
とはいっても、正常かどうか判断するのは非常に難しいので、販売店で厳密に点検してもらおう。
★正しく点検・整備してもらう
★正しく点検・整備してもらう
4速AT(登坂変速制御+フレックスロックアップ付)、2WD(FF前輪駆動)、制動力配分制御EBD付ABS+ブレーキアシスト、車両安定制御機構VSC(横滑り抑制VSC&駆動輪空転抑制TRC)、電動パワーステアリングなどを全車に搭載。「S」は、1.3L直列4気筒VVT-i(可変バルブタイミング)エンジンを搭載している。
各機構の構造などはともかく、各機能が正常か確認したい。点検整備記録も探ってみたいが、とりあえずオイル漏れなどにも注意しながらエンジン周辺だけでも見て、走行関連各部の整備状況を販売店に聞く。車両の購入を決めるなら、制御機能なども含めたすべての走行機構をきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確かめる
中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカーオプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際は、溶接部を剥がすことがあるので、パネルの接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして2005年12月に発売した2代目QNC型「bB」は、仕様グレードに、「S」と「Z」を設定。Sは1.3Lエンジン・4速AT・2WD(FF前輪駆動)/4WD、Zには1.5L・4速AT・2WDと1.3L・4速AT・4WDを設定。パッケージオプションとして「X バージョン」を設定し、Z X バージョンには「Q バージョン」を設定。2006年5月:SにもQ バージョンを設定。その後、2007年1月:特別仕様車 S「ガーネットエディション」を設定。2007年8月:一部改良し、装備設定を一部変更。特別仕様車 S「ガーネットエディションII」を設定。2008年10月:マイナーチェンジ。外装・内装および装備設定を一部変更。従来のX/Q バージョンに替わる「エアロパッケージ」と「エアロ-G パッケージ」をS/Zに設定。Zには「L パッケージ」を新設定。2009年8月:特別仕様車 S「HID セレクション」を設定。2010年7月:一部改良。装備設定を一部変更。メーカーオプションのDVDナビを廃止。2011年11月:一部改良。新パッケージ「煌(きらめき)」を追加設定。2013年2月:一部改良。「煌-G」を追加し、エアロパッケージ/エアロ-G パッケージを廃止。Zに設定したL パッケージは継続。
●2014年9月に一部改良。1.3Lエンジン・4WDを廃止。車両安定制御機構VSC&TRCを全車に搭載。装備設定を一部変更。パッケージの設定は「煌」のみとなっている。
1.3「S」は、ウレタンステアリングホイール、イルミネーションフロントカップホルダー2個、シルバー&ブラック装飾、ファブリックシート表皮、オーディオレス・4スピーカー、マニュアルエアコンなどを標準装備。1.5「Z」は、オートエアコンとミスト機構付・ウォッシャー連動フロントワイパーを標準装備し、キーフリーシステムをメーカー装着オプションに加えている以外は、Sの装備に準じる。
「煌」は、“エアロスタイル”パッケージ。エアロバンパー、フロントフォグランプ、サイドマットガード&メッキ調モール、リアスポイラー、専用リアコンビネーションランプ、メッキパーツ(フロントグリル/ドアハンドル/ドアミラー/バックドアガーニッシュ)を装着し、本革巻ステアリングホイール、ファブリック&合成皮革シート表皮、リアシートスライド機構、ピアノブラック&メッキ装飾、11イルミネーション、CD・AM/FM・11スピーカー・AUX端子、アームレストコントローラーなどを装着する。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
1.3 S | CBA-QNC20 | 4AT | FF |
1.3 S “煌” | CBA-QNC20 | 4AT | FF |
1.5 Z | CBA-QNC21 | 4AT | FF |
1.5 Z “煌” | CBA-QNC21 | 4AT | FF |