中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.29 / 掲載日:2010.08.13
ダイハツ ミラココア(2009年10月~)中古車購入チェックポイント
ダイハツ ミラココア(2009年10月から)中古車購入チェックポイント
DBA-L675S
参考車両:プラス G
初年度登録:2009年10月
■全体のチェックポイント
もともと若い女性向きだが、実際、ユーザーの大半が20から30歳代の女性。初期の新車はエコカー減税対象のCVT/2WD車が売れ筋だったので、中古車両のグレードは当然「X」が多い。まず、カワイイ外観に損傷などがないかチェック。室内も、隅まで慎重にチェック。もちろん、整備状態も確認。日常点検をしないうえに、中には不具合に気づかずに乗り続けている例もあるので注意しよう。新車時から“販売店にお任せ”でしっかり点検整備している車両を見つけたい。わからないことや気になる部分などがあれば、必ず販売店に聞いて確認しよう。
1.全体の雰囲気から探る
1.全体の雰囲気から探る
車体の全体が見えるやや遠目から、車両の様子を観察しよう。車両の周りをひと巡りして、外装部品の立て付けや塗装面の状態、などをチェック。違和感や不自然に見える部分などがあれば、近寄って詳しく調べよう。
前面は、バンパー/ボンネット/フェンダーなどのバランスをチェック。ナンバープレートは右(見た目は左)に寄っているが、全体的には左右対称になっていることがポイントだ。
左右ライトの片方だけが新しい場合(交換)は、その側の車体部を修理している可能性もある。ナンバープレートの変形や修整跡なども、車体部の修理を疑ってみる。バンパーの角や下部の傷や破損などにも注意しよう。
2.後部のチェックポイント
2.後部のチェックポイント
前部と同様に、バンパー/テールゲート/コンビネーションランプ(テールライト)/フェンダーなどのバランスをチェック。後部ナンバープレートは、封印の傷(ナンバープレートを外した形跡)に注意。
テールゲートの立て付けが全体に狂っていれば、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいる疑いもある。左右片方だけに隙間が狂っている箇所があれば、その部分の車体部を修理/交換していると考えられるので、慎重にチェックしよう。
3.整備状態を確かめる
3.整備状態を確かめる
定期点検整備記録と突き合わせて、エンジンと周辺をチェック。エンジンオイルの滲みや汚れ(オイル漏れの兆候)などにも注意。できれば、ブレーキやバッテリーなどの液量なども点検したい。
周囲と比べて新しい(交換)部品が付いていれば、消耗品か、故障など不具合があったか、それとも事故などで破損したのか、周辺はもちろん、整備記録も調べよう。
4.車体内側の鉄板を調べる
左右フェンダー側や室内側にあるパネルやフレーム、前部のメンバー(補強部材)など、エンジンルーム内の鉄板をチェックしよう。ダメージを負うと走行に支障が生じる重要な部分だ。修理している車両は“修復歴あり”と明示しているはずだが、念のために、歪みや修理/交換の形跡などがないか確認。特に、溶接、シーラー、塗装の状態に注意しよう。
5.前部の必須チェックポイント
エンジンルームの最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートを調べよう。車体部に強い衝撃を受けると影響が及びやすく、修理/交換する確率が高い。歪みなどがないか、交換の形跡などがないか確認。上部に設置しているカバー、前側のバンパー、左右のヘッドライトやフェンダーなど、関連部品や周辺も含めて慎重にチェックしよう。
6.ボンネットのチェック
6.ボンネットのチェック
外面を確認したら、内面側に修理跡などがないかチェック。特に、外と内のパネル接合部の状態(溶接やシーラー)に注意しよう。
ヒンジ部のネジを脱着していないかもチェック。ヒンジの取り付け状態も確認。ボンネットを交換していれば、ボンネット単独の修理も考えられるが、車体部を修理/交換していないかも念入りに調べる必要がある。
7.取り付け状態を確認
フロントフェンダーは、エンジンルーム側に腐食(錆)や修理跡などがないかもチェック。固定ネジをチェックをして、フェンダーの取り付け状態も確認。フロントドアを開けると、開口部のピラー(柱)部にもネジがある。
フロントフェンダーは、車体構成上は重要な車体補強部材とはなっていないので、傷や凹みなどを補修しても修復歴にはならないが、外して修理、あるいは交換していれば、車体内側の骨格部にダメージがないかを確かめる必要がある。
8.角度を変えると見える
8.角度を変えると見える
車体まわりをチェックする時は、見る角度を変えてみよう。プレスラインのずれや崩れ、微妙な立て付けの狂いなども確認できる。表面を斜めから透かして見ると、浅くて広い凹みや波打ち(しわ)なども見落とすことがない。
しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡。塗装面の艶が周囲と違っていたり、肌荒れ状態になっている箇所なども、修理跡の疑いがある。
9.隙間の幅と色調を比べる
9.隙間の幅と色調を比べる
立て付けを見る時は、例えば車体前部側面では、バンパー、ヘッドライト、ボンネット、フェンダー、ドア、ピラー(フロントガラス部の柱)などが隣接している。それぞれの隙間の幅が均等になっていなければ、ダメージを負ってずれているか、あるいは修理/交換している可能性がある。
隙間を境に、隣り合う外板パネルの色艶も比べてみよう。修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがある。
10.縁と奥も覗いてチェック
フェンダーは、膨らんでいるホイールアーチ部(タイヤを囲っている部分)を傷付けることも多い。傷があれば、凹みを伴っていないか、フェンダーに歪みが生じていないか確認。
鉄板を内側に折り込んでいる部分に修理跡などがないかもチェック。さらに奥を覗いて、タイヤハウス内の状態もチェック。
同時に、関連するバンパー側の状態もチェックしよう。
11.側面のチェックポイント
ドアに大きな損傷を負うと、外して修理、あるいは交換してしまうことも多い。ドアヒンジ部のネジをチェックしよう。ただし、立て付け調整などでネジを回すこともあるので、ネジ脱着の形跡だけではドアを修理/交換しているとは断定できない。ドア自体をはじめ、ピラー(柱)やサイドシル(ドア下にある梁)など、周辺も詳しく調べて判断する必要がある。
12.下側に注意ポイント
12.下側に注意ポイント
車体側面は、ドアの下にあるサイドアンダーモール(ガーニッシュとも呼ぶ、側面下部を覆って保護しているカバー部品)に傷や破損などがないか、側面部だけでなく、下側も覗いてチェック。ホイールアーチ部も含めて、取り付け状態も確認しよう。
もっと重要なのは、覆われている側のサイドシル(車体前後方向に通っている梁)のほうだ。下に突き出ている部分しか見えないが、損傷や歪み、腐食、修理跡などがないか、必ずチェック。ドアを開けて、ステップ部の状態も調べよう。
13.リアフェンダーのチェック
リアドアの開口部を調べよう。乗り降りなどで傷付けることも多い。擦り傷、引っ掻き傷、打ち傷、凹みなどがないかチェック。簡易補修(タッチペイントなどで応急手当)してないかも注意。
開口部にマスキング跡があれば、リアフェンダーを補修、あるいは修理している。周辺を詳しく調べて、修理状況を確認。
車体左側は、フューエルリッドを開けて、内部にマスキング跡や修理跡などがないかチェックしよう。
14.テールゲートのチェック
14.テールゲートのチェック
解錠/施錠の具合をまずチェック。開閉して、テールゲートの動きをチェック。上げた状態でしっかり止まっていることも確認。
閉まり具合がよくない(閉める時にカチッと収まらない)場合は、テールゲートがずれているか、あるいは車体が歪んでいることも考えられる。ずれているだけなら調整などで直ることもあるが、車体が歪んでいる車両には要注意。
15.床の中もチェック
15.床の中もチェック
ラゲッジスペースの床を開けて、スペアタイヤ収納部を調べよう。歪みや修理跡などがないかチェック。塗装跡があれば、錆などの補修か、修理跡か、詳しく調べよう。できれば、スペアタイヤを外して、底面の状態も確認したい。
16.取り付け部周辺を調べる
16.取り付け部周辺を調べる
テールゲートは、裏面側に修理跡などがないかチェック。取り付け状態も確認。ヒンジおよびルーフ部に歪みや修整/修理跡などがないかも調べよう。
17.開口部を慎重にチェック
開口部の左右を見ると、鉄板の接合部がある。溶接、シーラー、塗装の状態に注意して、修理/交換の形跡などがないかチェック。
開口部の下半分は鉄板部が見えないが、コンビネーションランプやバンパーの取り付け状態に注意しよう。
後方から強い衝撃を受けると、広範囲に波及することもある。修理/交換跡があれば、周辺だけでなく、ダメージが及んだ範囲にも注意する必要がある。
18.タイヤとホイールのチェック
18.タイヤとホイールのチェック
タイヤは、ウェアインジケーター(使用摩耗限界)を目安に、残り溝の深さを点検。傷、異物の刺さりや噛み込み、ひび割れなどがないかもチェック。
接地面の摩耗状態も調べよう。外側だけとか内側だけなど、一部が極端に減る偏摩耗を起こしていれば、アライメント(ホイールの取り付け角度)が狂っているか、あるいは車体が歪んでいるのか、異常摩耗の原因を確かめる必要がある。
ホイールは、ホイールキャップに傷や破損などがないかチェックして、取り付け状態を確認。同時に、ホイールのリム部(タイヤと接している縁の部分)に曲がりなどがないかも必ずチェックしたい。
19.床下を覗いて確認
19.床下を覗いて確認
フレームやメンバー(補強部材)など、鉄板部に損傷や歪み、修理跡などがないかチェック。前後バンパー裏側の奥も覗いて調べよう。
マフラーやサスペンションなど部品類、ブラケット(ステー)など金具類なども、損傷や曲がり、歪み、交換の形跡などがないかもチェック。
油汚れ(オイルやグリスなどの漏れの兆候)やゴム部品の劣化(ひび割れ)などにも注意。錆が発生していれば、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食状態を確かめよう。
20.不具合の兆候を探る
20.不具合の兆候を探る
エンジンをかけて、始動具合やアイドリング回転などをチェック。始動時には、各種表示/警告灯の点灯などにも注意。
容易にエンジンがかからなければ、バッテリーが弱っている場合もあるが、他の要因も調べる必要がある。不安定なアイドリング回転、異音、大きな振動などは、なんらかのトラブルを抱えていると考えられる。電子制御系の異常や不具合などを判断するのは難しいので、販売店で点検、確認してもらおう。
21.トランスミッションのチェック
21.トランスミッションのチェック
エンジンをかけてブレーキを踏んだまま各ポジションに切り替えて、緩みや引っかかりなどがないか、セレクトレバーの操作具合をチェック。
できれば試走して、オートマチックの動作も確かめたい。ATは、大きな変速ショックや滑っている感じなどが不具合の兆候。CVTは、変速ショックなどを感じたら不具合が起きている。
エンジン、トランスミッション、駆動系、サスペンションなど、走行に関わる部分の最終確認は販売店でやってもらおう。納車時の点検整備など、車両の販売条件も確かめたいところだ。
22.装備機器類の機能を確認
ヘッドライト、ウインカー、テール/ブレーキ/バックランプなど、保安機器類の作動状態をまず確認。電装機器や電動機構などは、スイッチを入れるだけでなく、操作して機能を確かめよう。エアコンは、冷暖房ともチェックするが、特に冷房の効き具合に注意。パワーウインドウの開閉、室内ランプの点灯、キーレスエントリーなども、忘れずにチェックすること。
グレードによって異なる装備。オプションや後付け装備の有無など、車両の装備は販売店で事前にチェックしておこう。
23.室内の隅まで細かくチェック
23.室内の隅まで細かくチェック
シートや内装材などに汚れや傷、染み、穴などがないか。運転席周辺だけでなく、後席やラゲッジスペースも慎重にチェックしよう。床や天井の状態も確認。シートは、縁の傷みやほつれなどにも注意。ボックスやポケットは、内部もチェック。ボックスの蓋やエアコンの吹き出し口など、可動部の破損にも注意。
車両の情報をチェック
「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で保証内容や期限を確認。「車両取扱説明書」の他に、オプションや後付け装備などの使用説明書が揃っていることも確かめよう。
「定期点検整備記録簿」は、必ず記載内容を調べよう。点検整備や消耗部品交換などの実施時期と、その時の走行距離を把握しておけば、車両各部の状態を探る参考になる。整備歴を見れば、車両がどのように扱われていたかも推測できる。
車両チェックの勘どころ
塗装
●部分的に色調や艶が違う場合は、周辺の状態を慎重にチェック。エンジンルームやスペアタイヤ収納部などは、新車時から外装とは塗色が異なってることがある。
●ドアの開口部など、外から見えない部分にマスキング(塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)した跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような“直線状の段差”があれば、何らかの理由で塗装している。
●部品などに塗料が付着している場合も、周辺を詳しく調べる必要がある。
●車種によっては、スペアタイヤ収納部などに、塗装の飛沫が付着しているように見える、新車時から仕上げが荒くなっている部分もある。
取り付けネジ
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体まわりの部品を交換する時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。
●ネジの頭が塗装されていれば比較的容易に確認できるが、無塗装ネジの場合は判断しにくい。傷や錆に注意して、関連する近隣のネジや、車体左右の同じ部品のネジと見比べる。
溶接とシーラー
●修理/交換で溶接している(熱を加えた)部分は、錆が発生しやすくなっている。特に床下は、溶接部の塗装の剥がれや浮きに注意する。
●鉄板の接合部分に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理/交換で再溶接すると塗り直すので、不自然に見える。
●爪で押して、表面が硬くても内部が柔らかい(プチッと表面が割れる)ようなら、新しいシーラーを盛っている。
●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、横方向にヒダがあるなど、鉄板の接合状態やシーラーを塗布する方法によって形状が違っている。不自然に見える部分を見つけたら、車体の左右同じ場所を比べてみる。
●スポット溶接(鉄板の接合部に小さな丸い窪みが並んでいる)は、修理工場でスポットを打ち直している場合は、直径が5mm以下(新車時は5mm以上が普通)、窪みが深い、2度打ちしたずれなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴がある。
●電気スポット溶接の電極が入らない奥まった部分などは、炭酸ガスアーク溶接に代えることがあるので、スポット溶接の窪みがなくなっていることもある。
立て付け
●外板パネルなどを修理/交換すると、組み付ける際に誤差が出ることがある。隣接するパネルの隙間(チリと呼ぶ)の幅が均等になっていなければ、修理/交換している可能性がある。
●バンパーなどは、ぶつけたり、押されてずれることもある。たとえ修理/交換していなくても、隙間が合っていなければ、なんらかのダメージを受けている。
●プレスライン(外板パネルが折れ曲がっている角の線)や、モール類(ドアなどに付いている飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。
■今回の車両のプロフィール
●2009年8月に新発売。軽自動車「ミラ」のバリエーションとして、若い女性向きに仕立てた「ココア」。外観は、丸型ヘッドランプに水平ボンネット、角を丸めた角形車体とサイドウインドウ。アイボリーとブラックを組み合わせたシンプルなインテリアも含めて、全体にレトロ調(若い人にとっては新しいイメージ)の雰囲気が漂っている。鼻先には、”ダイハツ”マークではなく、”Cocoa”バッジが付いているのも特徴となっている。
●エンジンは、660(658cc)。トランスミッションは、4速ATとCVT(無段変速機)。駆動方式は、4WDと2WD(FF前輪駆動)がある。仕様グレードは、標準「ココア」と専用装備を加えた「ココアプラス」の2タイプがあり、どちらもグレードによる装備内容はほぼ共通。「L」は、4AT、カラードドアアウターハンドル、マニュアルエアコン、大型1眼メーター、一体可倒式リアシート、キーレスエントリー、フロントドア2スピーカー、フルホイールキャップ13インチホイールなどのベーシックな装備。「X」は、CVT、ABS、オートエアコン、3眼メーター、瞬間燃費計、メッキ仕上げのインナードアハンドル/エアコンレジスターリング、イモビライザー機能付キーフリーシステム、4ドアスピーカーなどを装備。「ココアプラス」は、シルバーのバンパーコーナーモール/ドアアウターハンドル/ルーフレール、ハロゲンフォグランプ、ドアミラーターンランプ、分割可倒式リアシート、デオドラント機能/Cocoaエンブレム付スエード調シート表皮、Cocoaエンブレム付ツートーンカラーホイールキャップ14インチホイールなどを標準装備。ココアプラスに設定している「G」は、Xの装備に加えて、バックモニター内蔵ルームミラー、Cocoaエンブレム付革巻きステアリングホイール、リバース連動リアワイパー(2WD)なども標準装備している。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定(2009.08)
ココア
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
L | DBA-L675S | 4AT | FF |
DBA-L685S | 4AT | 4WD | |
X | DBA-L675S | CVT | FF |
DBA-L685S | CVT | 4WD |
ココアプラス
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
L | DBA-L675S | 4AT | FF |
DBA-L685S | 4AT | 4WD | |
X | DBA-L675S | CVT | FF |
DBA-L685S | CVT | 4WD | G | DBA-L675S | CVT | FF | DBA-L685S | CVT | 4WD |
●その後、2010年5月に、全車にCVTを採用し、仕様グレード設定を変更。充実装備のお買い得グレード「ココア X スペシャル」を加えている。