中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.24 / 掲載日:2013.04.01
ホンダ インスパイア(2007年12月~2009年8月)中古車購入チェックポイント
ホンダ インスパイア (2007年12月~2009年8月) 中古車購入チェックポイント
DBA-CP3
参考車両:35iL
初年度登録:2008年6月 (2008年6月)
■全体のチェックポイント
2007年12月に発売した後、2012年10月に新車販売を終了した5代目。参考車両は、いわゆる5代目の初期モデルで、2つのグレードがあるうちの上級タイプ。まずは、車体まわりをしっかりチェック。室内は、上質感を損なうような傷みがないか。充実した高機能装備や快適装備などが正しく機能しているか確認。エンジンやトランスミッションのほか、走行機能の状態も必ず確認したい。
外装だけでなく車体骨格もダメージがないか確認
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
車体のどこかに、ずれや不自然に見える部分などがないかチェック。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどのバランスを見る。細部では、バンパーの角や下部の損傷および修理跡。ボンネット先端部あたりやフロントガラスの飛び石傷にも注意しよう。
2.ドアと周辺を調べる
2.ドアと周辺を調べる
ドアは、修理跡などがないか、内側もチェック。ドアを外して修理/交換することもあるので、ヒンジのネジも見る。ネジは立て付け調整などで回すこともあるので、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、開口部周辺も詳しく調べる。
3.縁と奥も覗いてチェック
3.縁と奥も覗いてチェック
フェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁あたりも、損傷や修理跡などがないか慎重にチェック。奥を覗いて、タイヤハウス内もチェック。内側に設置しているライナー(泥よけカバー)の状態にも注意しよう。
4.車体の内側もチェック
4.車体の内側もチェック
フロントフェンダーは、エンジンルーム側も見る。カバーを設置しているが、錆や補修跡などがないかチェック。内側の車体パネルも、修理/交換の形跡がないか確認。
5.下側に要チェックポイント
5.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部のサイドシルガーニッシュに損傷や修理跡がないか見る。重要なのは、内側のサイドシル(車体の梁)。床下側を覗いて、傷、錆、修理跡がないかチェック。判断は難しいが、交換の形跡に要注意。ドアを開けて、サイドシルの上側も調べよう。
6.損傷の度合いにも注意
6.損傷の度合いにも注意
リアフェンダーは、ドア開口部も、擦り傷や打ち傷などがないか。簡易補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、フェンダー周辺を調べてダメージの程度と範囲を確かめる。
7.トランクリッドを開けてみる
後部も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。標準装備のトランクスポイラーの取り付け状態や2本出しマフラーエンドの位置などにも注意。トランクリッドは、解錠・施錠の具合と開閉の具合をチェック。トランクリッドを開けたら、開口部に錆や修理跡がないか見る。交換の形跡に要注意。
8.開口部も慎重にチェック
8.開口部も慎重にチェック
後部は、スペアタイヤ収納部も要チェックポイント。パネルに歪みがないか、修理や交換の形跡がないか慎重にチェック。水溜まりや水溜まり跡などにも注意しよう。
室内の状態と装備機器の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック
1.隅まで細かくチェック
「インスパイア」は、木目調パネルなどを採り入れた上質仕立てのインテリアも大切にしたいところ。シートや内装材に汚れ、傷、破損などがないか丹念にチェック。床や天井まわりの状態も調べるほか、ボックスやポケットなどは内部も見る。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損などにも注意しよう。
2.装備機器類の作動を確認
2.装備機器類の作動を確認
パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な部分の作動状態をチェック。「インスパイア」に標準装備のスマートキーシステム、電動シート、電動リアサンシェイド、リバース連動ミラーなども、正常に作動するかチェック。
3.高機能装備の具合も確認
3.高機能装備の具合も確認
「35iL」は、左右独立温度/GPS制御偏日射コントロール式フルオートエアコンやHDDインターナビ+プログレッシブコマンダー+リアカメラ+TV・AM/FM・DVD/CD+ETCを標準装備。それぞれの機能が正常か確かめたい。
4.後席やトランクも調べる
運転席周辺だけでなく、助手席や後席周辺も必ずチェック。後席は、センターアームレストも引き出してチェック。アームレストスルー機構もチェック。トランク内も、汚れや損傷がないか見て、トランクスルー機構の状態も確かめる。
★細部は販売店で点検
とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合がないかは販売店で調べてもらおう。
走行機構各部の現状と整備状況を確かめる
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけてもらうか自分でかけるなどして、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、エンジンスイッチやスマートキーによるエンジン始動機能もチェック。表示灯や警告灯類の点灯、警告音、ディスプレイなどにも注意。わからないことは販売店スタッフに聞いてみよう。
2.走行機能も必ずチェック
2.走行機能も必ずチェック
5速ATは、シフト操作の具合をチェック。可能なら試乗して、走行中のオートマチック動作をチェック。ほかにも、車両挙動安定化制御システムや可変ステアリングギアレシオ。「25iL」が装備している追突軽減ブレーキやミリ波レーダー式クルーズコントロールなどの具合も確かめたい。異常などがないかは、販売店で点検してもらおう。
3.正しく点検・整備して納車してもらう
3.正しく点検・整備して納車してもらう
エンジンは、とりあえずオイル漏れなどがないか見て、整備状況を販売店に聞いてみる。車両の購入を決めるなら、AT、ブレーキ、サスペンションなども含めて販売店で点検・整備してもらうようにしよう。
■最初に車両の現状を確認する
中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接しているパネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども確認できる。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っている部分やザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●隣接しているパネルの色艶も比べてみる。修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがある。●ドアの開口部などにマスキングした(塗装する部分の周辺にスプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような“直線状の段差”があれば、マスキング跡。なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ネジの頭を塗装していれば比較的容易に確認できるが、無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部や車体左右の同じ部分のネジと見比べてみる。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、取り付けネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部も、修正跡や修理跡などがないか見る。
「パネルの接合部」を見る
●車体部品を交換する際は、溶接部を剥がすことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット(丸い窪み)溶接を修理工場で打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれているなど、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●鉄板の合わせ目などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、盛り上がっていたり、窪んでいたり、ヒダがあるなど、パネルの接合状態や塗布方法によって形状が違っていることもあるので注意する。
■今回の車両のプロフィール
●フルモデルチェンジして5代目となった「インスパイア」。上級セダンとしての質を高めて2007年12月に発売した新型は、進化型可変シリンダーシステムを採用したV型6気筒3.5Lエンジンを軽量化した新骨格ボディに搭載。基本となる走行性能をはじめ、安全性能や環境性能を向上。先進機能を投入し、快適装備なども充実して上質感を高めている。
グレードは、2タイプを設定。スタンダードな「35TL」は、マルチセレクター付オーディオシステム、左右独立温度調整フルオートエアコン、クルーズコントロール、本革巻ステアリングホイール&ATセレクトレバーなどを装備。
上級の「35iL」は、追突軽減ブレーキ+E-プリテンショナー、アダプティブクルーズコントロール、ホンダHDDインターナビシステム+プログレッシブコマンダー、左右独立温度/GPS制御偏日射コントロール式デュアルフルオートエアコン、本革&木目調コンビステアリングホイールなどが標準装備となっている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
35TL | DBA-CP3 | 5AT | FF |
35iL | DBA-CP3 | 5AT | FF |
●その後、2009年8月に一部改良。静粛性を向上。オプション設定を一部変更。2010年8月にマイナーモデルチェンジし、内外装を一部変更。上級装備の一部を標準化してグレードを1タイプに集約。2011年6月にカラー設定を一部変更。2012年7月に「インスパイア」の生産を終了。10月には新車販売を終了している。