中古車購入チェックポイント
更新日:2018.10.24 / 掲載日:2014.10.17

レクサス LS600hL(2012年10月~) 中古車購入チェックポイント

  • レクサス LS600hL(2012年10月~)中古車購入チェックポイント

    レクサス LS600hL

    DAA-UVF46
    参考車両:LS600hL エクスクルーシブパッケージ 4人乗り
    初度登録:2013年9月
    追加装備:<メーカーオプション>245/45R19タイヤ&ノイズリダクションアルミホイール、歩行者検知機能付ナイトビュー、セキュリティカメラ

  • レクサス LS600hL

■全体のチェックポイント

参考車両は、2012年10月に内外装を刷新した後のモデル。ロングボディの「LS600hL」は、ショーファー(運転手付)カーとして後席の快適性を高めているところに注目。外装・内装を丹念にチェックするほか、電動装備の機能も確認。ハイブリッドシステムはもちろん、安全機能や運転支援機能なども重要なチェック項目だ。走行関連機構を正しく点検・整備しているかどうか必ず確認したい。

関連部や車体骨格への影響にも注意してチェック

  • 1.車体のバランスを見る

    レクサス LS600hL(車体のバランス)

  • 1.車体のバランスを見る

     まずは、外装の異常に注意しながら車体まわりを探る。前面は、バンパー、グリル、ボンネット、ヘッドランプ、フェンダーなどの状態をチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷などにも注意。

  • 2.周辺部も同時にチェック

    レクサス LS600hL(周辺部)

  • 2.周辺部も同時にチェック

     バンパーは、角や下部の損傷にも注意し、立て付けも見る。グリルやブレーキダクト、下側のエアスパッツ(空気整流板)やアンダーカバー破損などにも注意。
     バンパーに連なるフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁、奥のタイヤハウス内、内側のフェンダーライナー(泥よけ)なども慎重にチェックする。

  • 3.ドアと関連部をチェック

    レクサス LS600hL(ドアと関連部)

  • 3.ドアと関連部をチェック

     ドアは、外面だけなく、内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジ部もチェック。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(車体の梁)など周辺の状態も調べる。

4.車体の内側をチェックする

 ボンネットも、修理や交換していないかチェック。フェンダーの内側や車体パネル、最前部にあるラジエターサポートもチェックしたいが、遮音カバーがあるので細部は見えない。このあたりは、販売店スタッフに聞いてみる。

  • レクサス LS600hL(車体の内側1)

  • レクサス LS600hL(車体の内側2)

5.後部のチェック

 後面も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダーなどをチェック。ガーニッシュ、ナンバープレート、マフラーエンドなどの損傷にも注意。トランクリッドは、開閉動作をチェック。開口部のパネル接合部も調べたいが、カバーで覆われているので、とりあえずカバーを交換しているなど不審な部分がないかチェック。トランク下のスペアタイヤ収納部(スペアタイヤレス)周辺も見る。

  • レクサス LS600hL(後部1)

  • レクサス LS600hL(後部2)

6.下側に要チェックポイント

 車体側面下部は、サイドマッドガードに損傷や修理/交換の形跡がないかチェック。床下側を覗いて、サイドマッドガードで覆われているサイドシル(車体の梁)に損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。同様に、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も慎重にチェックする。

  • レクサス LS600hL(下側1)

  • レクサス LS600hL(下側2)

7.損傷の程度も確認する

 ドア開口部は、乗り降りによる傷や簡易塗装補修跡などにも注意してチェック。マスキング跡があれば、周辺を詳しく調べて、損傷の程度と範囲を確認。左リアフェンダーは、フューエルリッドおよび給油口あたりもチェック。

  • レクサス LS600hL(損傷の程度1)

  • レクサス LS600hL(損傷の程度2)

★損傷の有無と修理・修復歴を確認

 「LS600hL」の“L”はロングホイールベース(ロングボディ)を表しており、「LS600h」よりも全長/ホイールベース/室内長が120mm長くなっている。2012年10月のマイナーチェンジで、台形ロアグリルと逆台形アッパーグリルを合わせたスピンドル(糸巻き型)グリルを採用し、アローヘッド(やじり形状)デザインのクリアランスランプやL字型テールランプを強調するなど、外観イメージを変更。車体の強化や吸音材の見直しも行っている。
 車体まわりのチェックでは、“衝撃吸収構造ボディは他の部分に衝撃が波及する”、“当たりどころによっては運転支援機構などにも影響がおよぶ”、“車体パネル接合部は遮音カバーなどで覆われているので目視確認できない”などといった注意点も考慮する必要がある。車体の骨格部を事故修理している車両は修復歴車だが、たとえ修復歴に該当しなくても、損傷や修理/交換した箇所がないか販売店に聞いて確認したい。

内装の状態と装備機器類の機能・作動をチェック

  • 1.隅まで細かく調べる

    レクサス LS600hL(内装1)

  • 1.隅まで細かく調べる

     室内は、上質仕立ての内装材に汚れや染み、傷、破損などがないかチェック。ボックスなどは、リッドの開閉具合をチェックし、内部の状態も見る。本革部分やシート表皮の擦れ、染み、破れ。本木目トリムの傷や破損などにも注意。
     前席だけでなく、後席周辺も、シートからドア、床、天井まで、丹念にチェック。室内全体としては、使用感(頻繁に使う部分の傷み)に注意したい。

  • レクサス LS600hL(内装2)

  • レクサス LS600hL(内装3)

  • レクサス LS600hL(内装4)

  • レクサス LS600hL(内装5)

  • 2.装備機能の作動を確認

    レクサス LS600hL(装備機能1)

  • 2.装備機能の作動を確認

     ヘッドランプ(アダプティブハイビームシステム/インテリジェントAFS/オートライト)、ウインカー、雨滴感知式ワイパー、ドアミラー(電動格納/リバース連動/ヒーター)、テール/ブレーキ/バックランプなど保安装置関係。パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な装備機器。電動調整シート&ポジションメモリー、4席独立温度調整オートエアコン(エアコンは走行制御と関わっていることにも注意)、速暖速冷機能付コンフォタブルエアシート、スマートエントリーシステムなども、機能と作動状態をチェック。

  • レクサス LS600hL(装備機能2)

  • レクサス LS600hL(装備機能3)

  • レクサス LS600hL(装備機能4)

  • レクサス LS600hL(装備機能5)

3.関連機能の状態も確認

 HDDナビシステム+マークレビンソン リファレンスサラウンドサウンドシステムは標準装備。参考車両には、天井9インチディスプレイ・リアシートエンターテインメントシステムも付いている。それぞれの機能および付随機能、ステアリングスイッチ、コンソールスイッチ、リモコンなどのコントロール機能も正常か確認したい。

  • レクサス LS600hL(関連機能1)

  • レクサス LS600hL(関連機能2)

  • レクサス LS600hL(関連機能3)

★販売店で細部まで調べてもらう

「LS600hL」は、もともとショーファー(運転手付)カーなので、後席の居心地を重視して装備も充実しているが、参考車両はセットオプションの「エグゼクティブパッケージ4人乗り」で仕立てている。車両をチェックする際は、販売店で装備内容を確認し、操作方法などを聞きながら装備機器の機能を試してみる。とりあえずわかるところだけでもチェックし、細部は販売店で点検してもらう。特に電装機器や電動装備の作動が正常か確認したい。

ハイブリッドシステムと走行機能の調子を確認

1.システムを始動してみる

 ハイブリッドシステムの始動時は、スマートエントリー&スタートシステムの機能を確認。表示灯・警告灯、メーター、インジケーター、ディスプレイ表示、警告ブザーなどにも注意したい。条件によってエンジンも始動することがある。わからないことや疑問は、販売店スタッフに聞いてみよう。

  • レクサス LS600hL(エンジン)

  • レクサス LS600hL(システム始動)

2.運転支援機能もチェック

 ハイブリッドシステムの[モーター走行・エンジン+モーター走行・回生ブレーキ]などの制御。CVTの自動無段階変速動作と8速マニュアルモード機能。ドライブモードの[ノーマル・エコ・コンフォート・スポーツS/S+]、[EV][スノー][車高][VDIM OFF]などの機能。車両安定制御関連機構の作動状態と車両の挙動をチェック。安全&運転支援機能なども正常か確認したい。
 とはいえ異常を判断するのは無理なので、走行関連機能は販売店で厳密にチェックしてもらおう。

  • レクサス LS600hL(運転支援機能1)

  • レクサス LS600hL(運転支援機能2)

  • レクサス LS600hL(運転支援機能3)

★正しく点検・整備してもらう

「LS600hL」は、5.0Lエンジン+高出力モーター、フルタイムAWD、8速マニュアルモード付電気式CVTなどを組み合わせたハイブリッド。AVS、VGRS、EPS、ECB、VDIM、VSC/TRCなどといった走行制御機構を搭載。全車速追従機能付レーダークルーズコントロール、バックガイドモニター/クリアランスソナーなども標準装備。「エグゼクティブパッケージ」は、レーンキーピングアシストや衝突回避支援型ミリ波レーダー・ステレオカメラフュージョン方式プリクラッシュセーフティシステムを装備。とまどうほど多数の走行関連機能を備えているが、とにかく各機能に異常がないことを確認したい。車両の購入を決めるなら、販売店がすべての機構を正しく点検・整備できるかどうかも確認したい。

タイヤとホイールをチェック

  • レクサス LS600hL(タイヤとホイール)

  •  タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷やひび割れなどがないかチェック。接地面に異常摩耗を起こしていれば、サスペンションの異常や車体の歪みなどにも要注意。
     アルミホイールは、塗装の傷みや剥がれ、リムの縁(タイヤと接している部分)の欠損や曲がり、過度な衝撃を受けると生じることがある歪み(変形)や割れなどにも注意しながらチェックする。

床下の様子もチェック

  • レクサス LS600hL(床下)

  •  床下は、空力パーツを設けるとともに、フラット化しているが、車体パネルや補強部材、カバー類、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理/交換跡などがないかチェック。オイルやグリスなどの漏れや水漏れ、樹脂やゴム部品の劣化・破損などにも注意。金属部の錆は、広がり範囲と腐食状態をチェック。

★足まわりに異常がないか確認

参考車両は、メーカーオプションの245/45R19タイヤ&超金属調塗装ノイズリダクションアルミホイールを装着。ホイールは、空洞部を設けてロードノイズを低減する構造。タイヤには、タイヤ空気圧警報システムの圧力センサーがある。タイヤ・ホイールだけでなく、ブレーキやサスペンションなども含めた足まわりの状態は、関連する車両安定制御や運転支援機構などにも影響するので注意する必要がある。

■最初に車両の現状を確かめる

 中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(登録年月日)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー/ディーラーオプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。走行機構の整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。

目利きはココを見る!

  • レクサス LS600hL(「車両の情報」を見る)

    「車両の情報」を見る
    ●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。

  • レクサス LS600hL(「車両の情報」を見る)

レクサス LS600hL(立て付け)

「立て付け」を見る
●外板パネルは、合わせ(隙間)が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。

「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。

レクサス LS600hL(取り付け状態)

「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。

「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。

■今回の車両のプロフィール

●2006年9月に「レクサス」の新しいフラッグシップモデルとして「LS460」を発売した後、頂点モデルとなるハイブリッドセダン「LS600h/LS600hL」を2007年5月に発売。2008年9月に一部改良。2009年11月にマイナーチェンジし、外装・内装および装備設定などを一部変更。
●2012年10月にLS全車をマイナーチェンジ。外装と内装を一部変更したほか、車体補強なども含めた大幅な改良を実施。装備を充実するとともに、機能を強化した安全&運転支援システムを採用。「F スポーツ」や歩行者検知機能付ナイトビューなども新たに設定している。
「LS600h/LS600hL」は、ナノイー機能付フルオートエアコン、HDDナビシステム、運転席/助手席パワーシート、電動サンシェードなどを標準装備。「LS600h」は、本木目/バンブー+ヒーター付本革ステアリングホイール、ファブリックシート、前席左右独立温度調整エアコン、LSプレミアムサウンドシステムなどを装備し、メーカーセットオプションとして「バージョンC」「バージョンC Iパッケージ」「F スポーツ」「バージョンL」を設定。
「LS600hL」は、マークレビンソンサウンドシステム、助手席電動ロングスライド制御、後席パワーシート/コンフォタブルエアシート/コントロールスイッチ付センターアームレストなどを装備。セットオプションの「エグゼクティブパッケージ5人乗り/4人乗り)」は、リアシートエンターテインメントシステム、後左席リラクゼーションシステム/電動オットマンなどを装備。「5人乗り」は、センターコンソール/9インチディスプレイなどを装備。「4人乗り」は、格納式テーブル付後席センターコンソール、天井9インチディスプレイなどを装備する。
●2013年9月には、LS全車にLEDクリアランスランプにデイライト機能を追加するなど装備を若干変更している。

■参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
LS600hDAA-UVF45CVT-8M4WD
LS600h
バージョンC/バージョンC Iパッケージ/F スポーツ/バージョンL
DAA-UVF45CVT-8M4WD
LS600hLDAA-UVF46CVT-8M4WD
LS600hL
エグゼクティブパッケージ 5人乗り/4人乗り
DAA-UVF46CVT-8M4WD

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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