中古車購入チェックポイント
更新日:2020.04.03 / 掲載日:2013.05.24
スズキ MR ワゴン (2012年5月~) 中古車購入チェックポイント
スズキ MR ワゴン (2012年5月~) 中古車購入チェックポイント
DBA-MF33S
参考車両 : X
初年度登録2012年9月
追加装備:<メーカーオプション>オーディオレス仕様 (2012年5月)
■全体のチェックポイント
“若年層向け”へと衣替えした3代目。外装は、小さな傷や凹みなどがあると気になるが、大きなダメージにも注意。内装も、使い方による傷みや破損などに注意。定期点検整備を受けていないとか、不具合に気が付かないで乗っているといった車両もあるので、エンジンや走行機構の整備状況を必ず確認したい。
外装の小傷だけでなく車体側のダメージにも注意

1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは、どこかに不自然に見える部分がないか探ってみる。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどのバランスを見る。細部では、バンパーのずれ、角や下部の損傷、修理跡などに注意。ボンネットやフロントガラスの飛び石傷にも注意しよう。
2.縁と奥も覗いてチェック
2.縁と奥も覗いてチェック
フェンダーは、膨らんでいるホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁あたりも、損傷や修理跡がないか調べる。奥を覗いて、タイヤハウス内もチェック。内側に設置しているライナー(泥よけカバー)の状態にも注意しよう。
3.周辺も詳しく調べる
3.周辺も詳しく調べる
ドアは、外して修理/交換することもあるので、ヒンジのネジもチェック。ネジは立て付け調整などで回すこともあるので、ドアの内側に修理跡などがないか見るほか、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、周辺も慎重にチェックする。
4.車体の内側もチェック
4.車体の内側もチェック
フロントフェンダーは、エンジンルーム側も腐食(錆)や修理跡がないかチェック。固定ネジやブラケット(支え金具)も調べて、取り付け状態を確認。念のため車体内側のフレーム(骨格)なども、歪みや修理/交換跡がないか見る。
5.損傷の度合いにも注意
5.損傷の度合いにも注意
ドア開口部は、乗り降りによる擦り傷や打ち傷、補修跡などがないかチェック。マスキング跡があれば、フェンダー部も調べてダメージの程度と範囲を確かめる。
6.下側に要チェックポイント
6.下側に要チェックポイント
車体側面は、下部のサイドシル(車体の梁)に損傷、腐食、修理跡がないか。床下側も覗いて、下に突き出ている部分も見る。判断は難しいが、交換の形跡に要注意。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)周辺も調べよう。
7.テールゲートを開けてみる
後部も、バンパー、テールゲート、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態を慎重にチェック。
テールゲートは、解錠・施錠、開閉の動き、全開状態で落ちてこないかチェック。テールゲートを修理していないか内側も見て、取り付けネジ、ヒンジおよびヒンジ固定部周辺に歪みや修理跡がないかチェック。開口部も、修理/交換跡がないか見る。
内装の状態と装備機器類の機能を確かめる
1.装備機器の作動を確認
1.装備機器の作動を確認
パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な部分のほか、電波式キーレスエントリーによる各部作動状態もチェック。エアコンは、特に冷房の効きに注意し、風量なども調整操作してみる。
標準装備ではバックモニター付タッチパネルオーディオが付いているが、本格的なカーナビを追加したい場合は、参考車両のようにメーカーオプションの「オーディオレス仕様」を選んでAV 一体ナビなどを組み込むようになっている。車両の装備内容も確かめよう。
2.隅まで細かくチェック
2.隅まで細かくチェック
ホワイト&ブラックのパネルがお洒落な「MS ワゴン」のインテリア。室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないか丹念にチェック。
シートは、頑固な染み、盛り上がっているサポート部の擦り切れや破れ、縫い目のほころびなどにも注意しよう。
3.シートアレンジもチェック
後席周辺も、シート、床、ドア、天井などをチェック。前席の背もたれ部を倒してフルフラット。後席の左右独立スライドや分割可倒の折り畳み具合なども試してみる。後部ラゲッジスペースは、フロア下のアンダーボックスもチェック。
4.収納部の状態もチェック
4.収納部の状態もチェック
ボックスやポケットなどは、内部の状態もチェック。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損などにも注意。「MSワゴン」は、助手席シートアンダーボックスも、シート座面の開閉具合をチェックし、ボックスに傷や破損などがないか見る。
5.細部は販売店で点検してもらう
装備類などは、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合などがないかは販売店で調べてもらうようにしよう。
走行機能のコンディションと整備状況を確認する
1.エンジンをかけてみる
1.エンジンをかけてみる
エンジンをかけてもらうか自分でかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、キーレスプッシュスタートシステムの具合も確認。表示灯や警告灯類の点灯などにも注意。わからないことは販売店スタッフに聞いてみよう。
2.正しく点検・整備して納車してもらう
2.正しく点検・整備して納車してもらう
エンジンは、とりあえずオイル漏れなどがないか見て、整備状況を販売店に聞いて確認。車両を購入するなら、CVT、ブレーキ、サスペンションなどもきちんと点検・整備してもらうようにしよう。
3.走行機能も必ずチェック
3.走行機能も必ずチェック
ハイ/ロー2段の副変速機構付CVT。エンジンをかけたら、セレクトレバーのシフト操作具合をチェック。可能なら試乗して、走行中のオートマチック動作をチェックしたい。変速ショックなどを感じたら不具合があるが、異常を判断するのは難しい。エンジンなども含めて、販売店で調べてもらうほうがいい。
4.床下の様子もチェックする
4.床下の様子もチェックする
念のために、床下の様子も見てみよう。車体のフレーム(骨格)やメンバー(補強部材)など鉄板部、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理や交換の形跡などがないかチェック。油汚れ(オイルなどの漏れ)、樹脂やゴム部品の破損などにも注意。錆は、表面に浮いている程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態を調べよう。
5.タイヤとホイールを調べる
5.タイヤとホイールを調べる
タイヤは、残り溝の深さを点検。傷や異物の刺さり、ひび割れなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗を起こしていれば、車体やサスペンションの異常も考えられるので要注意。 ホイールキャップ付スチールホイールは、ホイールキャップに傷や破損などがないかチェックし、ガタがないか取り付け状態を調べる。ホイールも、リムの縁(タイヤと接している部分)に曲がりなどがないかチェックする。
■最初に車両の現状を確認する
●中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡は、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか、詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があるのはマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするカバーを粘着テープなどで留める)跡。ドア開口部などにマスキング跡があれば、なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。
■今回の車両のプロフィール
●“ママと子どものためのワゴン”から“若年層向け”へと一新して2011年1月に発売した3代目「MR ワゴン」。660cc エンジンは、自然吸気(NA)とターボ。トランスミッションは、副変速機構付CVT。仕様グレードは、スタンダード「G」、上級「X」、ターボ「T」。全車にFF(前輪駆動)と4WDを設定。2011年3月に「X アイドリングストップ」を追加。2011年11月にMR ワゴン10周年特別仕様車「10th アニバーサリーリミテッド」を設定。2012年2月に新アイドリングストップ車「ECO(エコ)」を追加。
● 2012年5月に一部改良。NA エンジンFF車の燃費を改善。後席チャイルドシート固定用アンカーを全車に採用している。電波式キーレスエントリーやバックモニター付タッチパネルオーディオなどは全車標準装備。「G」は、マニュアルエアコン、ウレタンステアリングホイール、固定式リアシートなどが標準装備。「X」は、キーレスプッシュスタート、フルオートエアコン、分割可倒式リアシートなどを装備。「T」は、Xに準じる装備に本革巻ステアリングホイール、6スピーカー、14インチアルミホイールなどが加わる。「ECO」は、ヒルホールドコントロールやエコタイヤなどを装備。「ECO-L」は、Gの装備にキーレスプッシュスタートなどを追加。「ECO-X」の基本装備は、Xと同等になっている。
■参考車両と同時期の仕様グレード設定
グレード | 型式 | シフト | 駆動 |
G | DBA-MF33S | CVT | FF |
DBA-MF33S | CVT | 4WD | |
X | DBA-MF33S | CVT | FF |
DBA-MF33S | CVT | 4WD | |
T | DBA-MF33S | CVT | FF |
DBA-MF33S | CVT | 4WD | |
ECO-L | DBA-MF33S | CVT | FF |
ECO-X | DBA-MF33S | CVT | FF |