中古車購入チェックポイント
更新日:2018.11.20 / 掲載日:2013.12.20

トヨタ ヴィッツ (2012年5月~) 中古車購入チェックポイント

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    トヨタ ヴィッツ

    DBA-NSP130参考車両:1.3Fスマートストップパッケージ初年度登録:2012年4月追加装備:<メーカーセットオプション>【スーパーUVカットセット】フロントドアスーパーUVカット+スタンダードフロントシート+助手席買い物アシストシート+助手席アンダートレイ 【HIDセット】ディスチャージヘッドランプ+コンライト 【Naviセット】HDDシンプルナビシステム&カラーバックモニター+ステアリングスイッチ 【スマートエントリーセット】スマートエントリー&スタートシステム+盗難防止システム+イルミネーテッドエントリーシステム+ドアキー連動電気式ドアロック (2012年5月)

  • トヨタ ヴィッツ

全体のチェックポイント

2010年12月に発売した3代目「ヴィッツ」が2012年5月に一部改良した時期のモデル。車体まわりから室内、装備類まで慎重にチェック。エンジンやCVTはもちろん、走行機構各部の整備状況も必ず確認。参考車両は、追加装備しているパッケージやセットオプションの機能も正常か確認したい。

外装だけでなく車体骨格のダメージにも注意する

  • 1.車体のバランスをチェック

    トヨタ ヴィッツ(正面)

  • 1.車体のバランスをチェック

     まずは、外装の状態に注意しながら車体まわりを観察する。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどに異常がないかチェック。細部では、フロントガラスの飛び石傷にも注意。

  • 2.縁や奥も覗いてチェック

    トヨタ ヴィッツ(縁や奥も覗いてチェック)

  • 2.縁や奥も覗いてチェック

     バンパーは、角や下部に損傷がないか見て、ずれていないか立て付けも調べる。下にあるスパッツ(空気整流板)の破損にも注意。 バンパーと連なっているフェンダーは、ホイールアーチ(タイヤを囲っている部分)の縁や奥のタイヤハウス内も、損傷や修理跡がないかチェック。内側にあるライナー(泥よけカバー)の状態にも注意。

3.周辺も慎重にチェック

 ドアは、外面だけでなく内側も修理跡などがないかチェック。ドアを外して修理/交換していないか、ヒンジのネジも調べる。同時に、ピラー(柱)やサイドシル(梁)など、関連部や周辺の車体側も異常がないかチェック。

  • トヨタ ヴィッツ(ドア周辺)

  • トヨタ ヴィッツ(周辺も慎重にチェック)

4.下側にチェックポイント

 車体側面は、下部のサイドシル(車体の梁)を必ず調べる。床下側も覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないかチェック。ドアを開けて、ステップ部(サイドシルの上側)もチェックする。

  • トヨタ ヴィッツ(下側1)

  • トヨタ ヴィッツ(下側2)

  • 5.損傷の度合いも調べる

    トヨタ ヴィッツ(損傷の度合いも調べる)

  • 5.損傷の度合いも調べる

     ドア開口部は、乗り降りによる擦り傷や打ち傷、補修跡などがないかもチェック。マスキング跡があれば、フェンダー部を修理しているはずなので、周辺を調べてダメージの程度と範囲を確かめる。

6.後部のチェック

 後面も、バンパー、テールゲート(バックドア)、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。マフラーのパイプ損傷などにも注意。 テールゲートは、開閉具合をチェック。内側も見て、取り付けネジ、ヒンジおよびヒンジ固定部周辺もチェック。開口部も、溶接やシーラーの状態に注意しながら修理/交換跡がないかチェック。 できれば、スペアタイヤ収納部周辺も、歪みや修理跡がないか調べたい。

  • トヨタ ヴィッツ(後部)

  • トヨタ ヴィッツ(後部2)

  • トヨタ ヴィッツ(後部3)

7.車体内側の状態にも注意

 フロントフェンダーは、錆や修理跡がないかエンジンルーム側も見る。フェンダーの取り付け状態もチェック。同時に、車体内側のパネルも調べる。最前部で車体の左右に繋がっているラジエターサポートも、車体前部の要チェックポイントだ。

  • トヨタ ヴィッツ(車体内側の状態にも注意1)

  • トヨタ ヴィッツ(車体内側の状態にも注意2)

★ダメージの有無を確認

 車体の骨格部に損傷を負って修理している車両は“修復歴車”だが、たとえ修復歴に該当しなくても、修理や交換している部分がないか販売店に聞いてみよう。傷や修理箇所などを記載した評価表を備えている車両なら不安は少ないといえる。

室内の状態と装備機器類の機能をチェックする

  • 1.隅まで細かくチェック

    トヨタ ヴィッツ(隅まで細かくチェック1)

  • 1.隅まで細かくチェック

     室内は、シートや内装材に汚れや傷、破損などがないかチェック。床や天井の状態もチェック。ボックスやポケットなどは内部もチェック。シート表皮は、染み、擦れ、破れなどにも注意。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損にも注意する。

  • トヨタ ヴィッツ(隅まで細かくチェック2)

  • トヨタ ヴィッツ(隅まで細かくチェック3)

  • トヨタ ヴィッツ(隅まで細かくチェック4)

2.装備機器の作動を確認

 ヘッドライトやウインカーなど保安装置のほか、パワーウインドウ、ドアロック、室内ランプなど基本的な部分の作動状態をチェック。エアコンは、特に冷房の効きに注意して調整具合をチェック。

  • トヨタ ヴィッツ(装備機器の作動を確認1)

  • トヨタ ヴィッツ(装備機器の作動を確認2)

3.追加装備の機能も確認

 参考車両は、オプション装備のスマートエントリーシステムによる関連各部の作動状態をチェック。同様に、ナビゲーションシステム、バックモニター、オーディオステアリングスイッチなども、それぞれの機能および関連機能がすべて正常か確認したい。

  • 4.後席周辺もチェック

    トヨタ ヴィッツ(後席周辺もチェック)

  • 4.後席周辺もチェック

     参考車両は、オプションで追加装備している助手席の買い物アシストシートやアンダートレイの状態もチェック。「1.3F」は、6:4分割可倒式リアシートの折り畳み具合なども試してみる。後部ラゲッジスペース周辺も、傷みなどがないか忘れずにチェックしよう。

★細部の具合は販売店で点検

 装備機器類の状態は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合などがないかは、販売店で細部まで調べてもらおう。

室内の状態と装備機器類の機能をチェックする

  • 1.エンジンをかけてみる

    トヨタ ヴィッツ(エンジンをかけてみる)

  • 1.エンジンをかけてみる

     エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示・警告灯類の点灯や警告音などにも注意。参考車両は、オプション装備のスマートエントリー&スタートシステムやエンジンスイッチの具合も確認。わからないことは、販売店スタッフに聞いてみよう。

  • 2.自動変速動作をチェック

    トヨタ ヴィッツ(ギア)

  • 2.自動変速動作をチェック

     CVT(無段変速機)は、エンジンをかけて各ポジションに切り替えながらシフト操作の具合をチェック。可能なら試乗して、無段変速のオートマチック動作をチェック。通常走行[D]・坂道走行[S]・急な下り坂走行[B]なども、走行中にチェックしたい。とはいっても、異常を判断するのは難しいので、不具合がないかは販売店で点検してもらうほうがいい。

  • 3.整備状態を確かめる

    トヨタ ヴィッツ(エンジンルーム)

  • 3.整備状態を確かめる

     できれば点検整備記録と突き合わせて、エンジン周辺をチェックしたいが、とりあえずオイル漏れなどにも注意してエンジンルーム内の様子を見る。詳しい整備状況は、販売店に聞いて確認しよう。

  • 4.タイヤの減り方にも注意

    トヨタ ヴィッツ(タイヤの減り方にも注意)

  • 4.タイヤの減り方にも注意

     タイヤは、スリップサインを目安に、残り溝の深さを点検。傷、ひび割れ、欠けなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗など異常摩耗を起こしていれば、不適切なエア圧やアライメント(ホイール取り付け角)の狂いなども考えられるが、車体の歪みやサスペンションの不具合などが原因となっている可能性もあるので要注意。

5.ホイールもチェック

 ベーシックな「F」グレードは、樹脂フルキャップ付14インチスチールホイールを標準装備。ホイールキャップに傷や破損がないかチェックし、ガタや緩みなどがないか取り付け状態も確認。ホイールも、キャップの隙間から錆や傷などがないか見て、リムの縁(タイヤと接している部分)に損傷や曲がりがないかチェックする。

★正しく点検・整備してもらう

トヨタ ヴィッツ(正しく点検・整備してもらう)

 参考車両が装備している「スマートストップ」パッケージは、アイドリングストップとVSC(横滑り抑制)&TRC(タイヤ空転抑制)を組み込み、どちらも[OFF]スイッチを備えている。各機能に不具合などがないか確認したい。車両の購入を決めるなら、エンジンやCVTはもちろん、ブレーキ、ステアリング、サスペンションなど走行機構をすべてきちんと点検・整備してもらうようにしよう。

最初に車両の現状を確かめる

 中古車両をチェックする際は、現物を見て「年式(モデル年)・仕様・グレード」を確認。標準装備のほかに、メーカー装着オプションや販売店オプション、市販機器、カスタムパーツなどを追加していないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。

目利きはココを見る!

「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初年度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。

  • トヨタ ヴィッツ(目利きはココを見る1)

    「立て付け」を見る
    ●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)などが連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。

  • トヨタ ヴィッツ(目利きはココを見る1)

「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(周辺に塗装スプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内やスペアタイヤ収納部などは、外装色とは違っていることもあるので注意する。

  • トヨタ ヴィッツ(目利きはココを見る2)

    「取り付け状態」を見る
    ●ネジ(ボルトやナット)で固定している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよびヒンジ固定部周辺も修理跡などがないか調べる。

  • トヨタ ヴィッツ(目利きはココを見る2)

  • トヨタ ヴィッツ(目利きはココを見る3)

    「接合部」を見る
    ●車体部品を交換する際に溶接部を剥がすことがある。●スポット溶接(接合部の丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●接合部に塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。

  • トヨタ ヴィッツ(目利きはココを見る3)

今回の車両のプロフィール

●2010年12月にフルモデルチェンジして3代目となった「ヴィッツ」。エンジンは1.0L、1.3L、1.5Lの3種を用意し、グレードには、価格や燃費を優先したベーシックな「F」、内外装を専用加飾でドレスアップした「ジュエラ(Jewela)」、質感と快適性を高めた上級「U」、専用の内外装と走行機構を組み込んだスポーティタイプの「RS」を設定。Fはアイドリングストップを追加する「スマートストップ」と装備をシンプルにする「M」、RSには一部装備を低級にした「C」パッケージを設定。メーカーセットオプションとして【スーパーUVカットセット】【HIDセット】【Naviセット】【スマートエントリーセット】などを設定。ジュエラには、専用オプションの【シルバーデコレーション】を設定。その後、2011年9月に一部改良し、スマートストップパッケージをUとジュエラの1.3L・2WD車に追加設定した。
●2012年5月に一部改良。メッキやシルバー加飾を採用するなど一部装備を変更している。

参考車両と同時期の仕様グレード設定

グレード型式シフト駆動
1.0FDBA-KSP130CVTFF
1.0F MパッケージDBA-KSP130CVTFF
1.0 ジュエラDBA-KSP130CVTFF

グレード型式シフト
1.3FDBA-NSP130CVTFF
DBA-NSP135CVT4WD
1.3F スマートストップパッケージDBA-NSP130CVTFF
1.3UDBA-NSP130CVTFF
DBA-NSP135CVT4WD
1.3U スマートストップパッケージDBA-NSP130CVTFF
1.3 ジュエラDBA-NSP130CVTFF
DBA-NSP135CVT4WD
1.3 ジュエラ スマートストップパッケージDBA-KSP130CVTFF

グレード型式シフト駆動
1.5UDBA-NCP131CVTFF
1.5RSDBA-NCP1315MTFF
DBA-NCP131CVT-7MFF
1.5RS CパッケージDBA-NCP131CVT-7MFF

●2011年10月にスポーツコンバージョン車「RSG’s」、2012年5月にメーカーオプションの一部を加えた特別仕様車「スマイルエディション」を発売。その後、2012年12月に内外装を特別装備であつらえた特別仕様車「シエル(Ciel)」、2013年9月にはWeb商談200台限定でGAZOOチューニング車「GRMNターボ」を販売している。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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