中古車購入チェックポイント
更新日:2015.11.12 / 掲載日:2011.12.02
マツダ RX-8 スピリットR (2011年11月~) 中古車購入チェックポイント
マツダ RX-8 スピリットR (2011年11月~2012年6月) 中古車購入チェックポイント
ABA-SE3P
参考車両:スピリットR 6MT 初年度登録2011年11月
特別装備:<スピリットR >ブロンズ塗装19インチアルミホイール、レッド塗装ブレーキキャリパー、ブラックベゼル・ヘッドランプ/フロントフォグランプ/リアコンビネーションランプ、専用RECARO 製バケットシート、ピアノブラックセンタートンネルトリム、カーテン&フロントサイドエアバッグ
追加装備:<メーカーオプション>アルパインHDD ナビゲーションシステム (2011年11月)
■全体のチェックポイント
2011年11月に設定した特別仕様車「スピリットR」を最後に、2012年6月に生産を終了した「R X-8」。車体まわりは、骨格や補強材にダメージがないか確認。室内の状態も慎重にチェック。特に注意したいのは、エンジンの不調や不具合だ。ブレーキやサスペンションなども、本来の性能を発揮できる状態か確かめる必要がある。
外装だけでなく骨格や補強材のダメージにも注意
1.車体のバランスを見る
1.車体のバランスを見る
まずは外見に違和感がないか探ってみる。車体の姿勢(傾き)にも注意。前面は、バンパー、ボンネット、ヘッドライト、フェンダーなどのバランスをチェック。細部では、バンパーの角やスポイラーあたりの損傷。ボンネットやフロントガラスの飛び石傷にも注意。
2.ドアと周辺をチェック
2.ドアと周辺をチェック
「RX-8」は、センターピラーレス(リアドア内にピラーを内蔵)の観音開き式ドア。ドアは、アルミのアウターパネルだけでなく、インナー側も修理跡などがないかチェック。修理・交換するためにドアを外していないか、ヒンジのネジも見る。開口部(開口部全体が補強材になっている)など、ドアの関連部も異常がないかチェック。
3.縁と奥も覗いてチェック
3.縁と奥も覗いてチェック
フェンダーは、ホイールアーチの縁あたりも、損傷や修理跡などがないか調べる。奥を覗いて、タイヤハウス内もチェック。内側にあるライナーの状態にも注意。
4.下側にもチェックポイント
車体側面は、下部に設置しているサイドアンダースポイラーも、傷や破損などがないかチェック。修理や交換にも注意し、取り付け状態もチェック。
要注意ポイントは、サイドアンダースポイラーで覆われているサイドシル(車体の梁)の部分。下側を覗いて、損傷、腐食(錆)、修理/交換跡などがないか調べたい。
5.車体の内側もチェック
エンジンルーム内を見て、フロントフェンダーの取り付け状態をチェック。前部のラジエターサポートも要チェック。下部にある衝撃吸収/分散材なども注意ポイント。
6.トランクリッドを開閉してみる
6.トランクリッドを開閉してみる
トランクリッドは、開閉具合をチェック。内側に修理跡がないかチェック。ダブルリンク式ヒンジの状態にも注意し、取り付け状態をチェック。開口部も、修理/交換跡がないか慎重にチェックする。
7.後部も細かくチェック
7.後部も細かくチェック
後部も、バンパー、トランクリッド、コンビネーションランプ、フェンダーなどの状態をチェック。マフラーエンドの位置や損傷にも注意。
走行機構各部の現状と整備状況を確かめる
1.的確な点検・整備のノウハウが必要
ロータリーエンジンは繊細なところがあり、日頃の整備不足で不調や不具合に陥っている車両も少なくない。ロータリーエンジンを正しく点検・整備できる整備工場を探してみることも考えておこう。
2.エンジンをかけてみる
エンジンは、とりあえずオイル漏れなどがないかエンジンルーム内を見て、詳しい整備状況は販売店に聞いて確認。エンジンをかけて、始動具合、アイドリング回転、排気ガスの色などをチェック。始動時には、表示灯や警告灯類の点灯などにも注意。
3.シフトの具合をチェック
3.シフトの具合をチェック
参考車両は、6 速MT。1・2・3 速には、手首のスナップで軽くシフトできる機構を採用。緩みや引っかかりなどがないか、シフトノブの動き具合をチェック。可能なら試乗して、クラッチの具合と合わせてスムーズにシフトできるかチェックしたい。
4.機能と制御をチェック
トルセンLSDなど駆動系も、走行時に異常が出ないかチェック。ABS、トラクションコントロール、エンジン出力などを統合制御する横滑り防止DSC も、不具合がないかチェックしたい。
5.タイヤの減り方も調べる
タイヤは、残り溝の深さを点検し、傷、異物の刺さり、ひび割れなどがないかチェック。接地面の一部が極端に減る偏摩耗を起こしていれば、車体の歪みやサスペンションの異常も考えられるので要注意。
6.ホイールをチェック
6.ホイールをチェック
「スピリットR」は、ブロンズ塗装19インチアルミホイールを装備。傷や歪み(変形)、破損(割れ)などがないかチェック。リムの縁(タイヤと接している部分)の傷や欠け、曲がりなどにも注意したい。
7.ブレーキの利きにも注意
レッドキャリパーも「スピリットR」の特徴だが、「RX-8」はブレーキ性能で高評価を得ている。パッド、ディスク、ブレーキ液など、点検整備状況を確かめたい。
8.床下の様子も探ってみる
床下を覗いて、車体の骨格となっているパネルや補強部材などのほか、マフラーやサスペンションなどの部品類も、傷、曲がり、破損、修理や交換の形跡などがないかチェック。
9.トラブルの前兆にも注意しながらチェック
9.トラブルの前兆にも注意しながらチェック
油汚れ(オイルやグリスの漏れ)、樹脂やゴム部品の破損などにも注意。錆は、表面の浮き錆程度なら心配ないといえるが、広がり範囲と腐食の進行状態を確かめる。
10.サスペンションも見てみる
「スピリットR」のベースとなっている「タイプRS」は、ハードサスペンション(ビルシュタインダンパー)を装備。オイル漏れなどがないかチェック。ダンパー機能が生きているかも確認したいところだ。
室内の状態と装備機器の機能をチェックする
1.隅まで細かくチェック
「スピリットR」は、専用バケットシートやピアノブラックトリムなどを装備した上質仕立てのインテリア。シートや内装材に汚れ、染み、傷、破損などがないかチェック。 床や天井まわりの状態も調べるほか、ボックスやポケットなどは内部も見る。シートはサポート部の傷みやステッチ部の破れなどにも注意。ボックスの蓋やエアコンルーバーなどは、可動部の破損などにも注意してチェックする。
2.装備機器類の作動を確認
2.装備機器類の作動を確認
ヘッドランプやウインカー、ワイパー、テール/ブレーキランプなど保安装置。パワーウインドウやドアロック、室内ランプなど基本的な部分の作動状態をチェック。
エアコンは、特に冷房の効き具合に注意して調整機能もチェック。
3.追加装備もチェック
3.追加装備もチェック
参考車両には、メーカーオプションのHDDナビゲーションシステムが付いている。ナビ・TV・AM/FM ラジオ・CD/DVDプレーヤなどの機能が正常か確かめたい。オーディオは、ステアリングスイッチも試してみる。ナビは、地図データの発行時期にも注意。
4.後席やトランクも調べる
4.後席やトランクも調べる
運転席周辺だけでなく、助手席や後席周辺も必ずチェック。後席は実際に座って、居住スペースも確認。センターコンソールのボックスやカップホルダーなどもチェック。トランク内も、汚れや損傷がないか見て、スペースサイズなど使い勝手もチェック。
5.細部は販売店で点検
装備機器類の作動状態は、とりあえずわかるところだけでもチェックして、どこかに不具合がないかは販売店で調べてもらおう。
■最初に車両の現状を確認する
中古車両の現物を見て「年式・仕様・グレード」を確認。標準装備の他に、メーカーオプション(新車時の注文装備)や後から加えた装備などが付いていないか確認。整備状態も含めた現状を販売店で確認しよう。
目利きはココを見る!
「車両の情報」を見る
●「車検証(自動車検査証)」で初度登録年月日や型式などを確認。「保証書」で期限や内容を確認。「車両取扱説明書」の他に、追加装備などの使用説明書が揃っていることも確認。●「定期点検整備記録簿」は、記載内容を必ず確認。定期点検や消耗部品交換などの時期と走行距離を把握しておけば、車両の状態を探る参考になる。
「立て付け」を見る
●隣接している外板パネルの隙間が均等でなかったり、位置がずれていれば、ダメージを受けているか、修理/交換している可能性がある。●プレスライン(外板パネルを折り曲げている角)やモール(飾り部品)など、外装部品が連なっている線のずれも、立て付けの狂いを見つけるヒント。●外装は、見る角度を変えながらチェックすれば、プレスラインのずれや崩れ、立て付けの微妙な狂いなども判断しやすい。パネル表面を斜め方向から透かして見るようにすると、小さな凹みや浅くて広い凹み、波打ち(しわ)なども見つけやすい。しわが寄っているのは、ダメージ痕か、板金修理跡だ。
「塗装の状態」を見る
●部分的に色艶が違っていたり、ザラザラした肌荒れ状態になっている箇所は、修理跡の疑いがある。●新しい塗装跡があれば、錆などの補修か、損傷を負って修理したのか詳しく調べる。●修理や交換で塗装していると、微妙に色調が違って見えることがあるので、隣接しているパネルの色艶も比べてみる。●ドアの開口部などにマスキング(塗装する部分の周辺にスプレーの飛沫が広がらないようにするためのカバーを粘着テープなどで留める)跡が残っていることがある。塗装表面を指や爪で撫でるように滑らせて、引っかかるような直線状の段差があれば、マスキング跡。なんらかの理由で周辺を塗装しているので、周辺を詳しく調べる。●エンジンルーム内は、外装色とは異なっていることがある。●スペアタイヤ収納部などは、塗装の飛沫が付着しているように見える場合もあるので、新車時の塗装か、新しく塗装したのか判断する必要がある。
「取り付け状態」を見る
●ネジ止め(ボルトやナットで固定)している車体部品を外す時には工具を使う。ネジの頭の塗装が剥がれていたり、角がくずれていれば、ネジを回している。●無塗装ネジの場合は判断しにくいので、関連部のネジと見比べる。●ボンネット、フロントフェンダー、ドア、テールゲート(またはトランクリッド)などは、外して修理、あるいは交換することがあるので、ネジを見て、ヒンジおよび車体側のヒンジ固定部周辺も修正跡や修理跡がないか調べる。
「接合部」を見る
●車体部品を交換する際に溶接部分を外すことがあるので、鉄板接合部を調べる。●スポット溶接(鉄板接合部にある丸い窪み)を打ち直している場合は、直径が小さい、窪みが深い、ずれている(2 度打ちした)など、新車組み立て時の状態とは異なる特徴があるので注意する。●鉄板の接合部などに塗布しているシーラー(隙間を埋める充填材)は、修理や交換で塗り直していると不自然に見える。●爪で押して、プチッと表面が割れる(表面が硬くても内部が柔らかい)ようなら新しいシーラーを盛っている。●シーラーは、パネルの接合状態や塗布する方法によって形状が違っていることにも注意する。