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更新日:2023.05.13 / 掲載日:2023.05.13

SUVはどのぐらいの走行距離で寿命になるの?少しでも長く乗る方法を解説!

車の寿命は、走行距離や使用年数などで判断されることが多いですが、車種によっても寿命に違いがあると考えられています。

では、SUVはどのくらいの距離を走行すると寿命になるのでしょう?

この記事では、一般的な車とSUVの寿命となる年数と走行距離について詳しく説明していきます。

また、SUVの寿命を少しでも延ばすために、どういったことに注意したらよいかについても言及していきます。

車の寿命の判断基準は年数と走行距離

以前は、車の寿命は「10年」もしくは「10万km」と言われていました。

しかし、技術の進歩によって必ずしもそうとは言えず、車の寿命は延びていると考えられているため、10年以上乗ることも、10万km以上の走行も可能であるという認識になってきています。

車は消耗品なので、ある程度の年数や距離を走行するとパーツが劣化していきます。つまり、使用年数と走行距離は、車の寿命を考える上での判断基準となっているということです。

一般的な車の寿命年数

車の使用年数に関しては、一般財団法人自動車検査登録情報協会の「車種別平均使用年数推移表」が参考になります。

この表によると、2000年初旬頃は平均使用年数は10年だったのが、その後少しずつ年数が長くなり、2018年以降は13年を超えてきています。

つまり、車の寿命は約13年を目安として、そのタイミングで乗り換えている方が多いということです。

使用年数から考えられる車を寿命だと判断する理由

車の使用年数から寿命だと判断される理由としては、重課となるタイミングが挙げられます。車は初年度登録から13年経過すると税額が高くなるためです。

さらに、部品の在庫がなくなるとメンテナンスができない、モデルが古くなると買い替えようと考える方もいます。

ここからは、使用年数から考えられる車を寿命だと判断する理由を3つ説明していきます。

①税金が上がる

使用年数が寿命として判断されるのは、税金が高くなるタイミングと重なるというのも一つの理由として考えられます。

初年度登録年から13年経過すると、自動車税(種別割)もしくは軽自動車税(種別割)が高くなります。また、車検時に支払う自動車重量税も重課となります。

そして、初年度登録年から18年を経過すると、さらに税額が上がります。

税金が高くなれば車の維持費もかさんでくるため、重課のタイミングを寿命として乗り換えを考える方は多いです。

②純正パーツの在庫がなくなる

車はある程度の年数乗り続けると、パーツが劣化、消耗するので交換の必要性が出てきます。

交換するためには、その車に合った純正パーツをメーカーから取り寄せなければなりません。

純正部品は車の製造、販売から10年は在庫としておかなければならないと法律で規定されています。そのため、10年が経過すると、法律で規定がないので在庫がなくても違法にはなりません。

車によっては純正パーツの製造が終了する場合もあるため、徐々に市場から純正パーツの在庫がなくなる可能性もあります。

そうなると、純正以外のパーツをとりつけるか、それさえも難しければメンテナンスができなくなり寿命だと判断されることになります。

③新しいモデルが発売される

車は発売されてから約2~3年でマイナーチェンジ、約6年でフルモデルチェンジが行われるのが一般的です。

マイナーチェンジとは、不具合の解消、内装の装備内容やデザインの変更など、車の仕様を一部改良することを意味します。

フルモデルチェンジとは、装備内容やカラーラインナップ、燃費の向上など車の仕様をガラリと変え、一新させることです。

特にフルモデルチェンジされると、従来のモデルはもう古い、流行に合っていないと感じる方も多いかもしれません。そのため、このタイミングで買い替えを検討するというケースもあります。

一般的な車の寿命となる走行距離

走行距離が10万kmを超えると、車は寿命に近いと長年言われ続けてきました。以前は車の寿命年数が10年と考えられていたと前述しましたが、平均走行距離は1年で約1万kmとされるので、10年で約10万kmとなるためです。

10万kmも走行すれば主要パーツも劣化し、大掛かりなメンテナンスが必要となってくる可能性は高いでしょう。ただし、近年は車の性能が向上しており、走行距離が10万kmを超えても、まだ乗れると考えられるようになってきています。

走行距離から考えられる車を寿命だと判断する理由

車は走行距離が多くなると、その分エンジンへの負荷が大きくなります。オイル交換などでは済まず、エンジン本体やタイミングベルトなどの主要部分の交換が必要となってくる可能性も高いです。

その他にも、走行距離から考えられる車を寿命だと判断する理由は、いくつかあるので説明していきます。

①エンジンに負荷がかかる

エンジンは車の心臓部であり、長年動かしていると負荷が徐々に蓄積していきます。

エンジンをスムーズに動かすための潤滑油であるエンジンオイルやオイルエレメントの交換を定期的に行っていても、走行距離が増えるとパーツの劣化が見られ、交換修理が必要となります。

しかし、パーツの交換や修理をしてもトラブルが解消できない場合は、エンジン本体を交換しなければなりません。そうなると高額な費用がかかるため、エンジンの交換を車の寿命と判断する場合もあります。

②タイミングベルトの劣化

タイミングベルトは、エンジンをスムーズに回転させるのに必要な部品をうまく連動させるためのパーツです。ゴムでできていて、グラスファイバーなどの繊維が含まれているので耐久性はありますが、消耗品なので劣化すると切れる可能性もあります。

エンジンにかかる負荷の程度、走行距離によって劣化速度は異なりますが、必ず交換しなければならないタイミングはやってくるでしょう。

タイミングベルトを交換しないと、切れてエンジンが停止し、内部に大きなダメージを与えることになってしまいます。

タイミングベルトの交換には約5万円はかかるとされています。

タイミングベルトが切れて、エンジンの他のパーツ交換も必要となれば10万円以上かかることもあるため、車の寿命だと考える方もいます。

③バッテリー交換頻度が高まる

車の寿命を考える上で、バッテリーの消耗も一つの目安となる場合があります。

バッテリーは、エンジンや車の電装部品を動かすのに必要なエネルギーです。バッテリーが消耗すると、エンジンがかからなくなったり、電装部品が故障したりといったリスクが高まります。

バッテリー交換は2~3年ごとに行いますが、交換のタイミングが他のパーツ交換と重なると、寿命だと判断する方もいます。

④修理費用がかなり高額になる

定期的に車のメンテナンスをきちんと行えば、走行距離が10万km以上になっても変わらず乗り続けることは可能です。

しかし、走行距離が10万kmを超えてくると、タイミングベルトやドライブシャフトブーツ、ファンベルトやラジエーターホースといった主要パーツの交換が順次必要となってきます。

その上、こういった主要パーツや工賃は価格が高めになっているので、メンテナンス費用が徐々にかさんできます。

修理費用が高額になる前に、買い替えを検討するという方もいるでしょう。

SUVの走行距離による寿命は?

SUVの走行距離による寿命は、アメリカの自動車検索エンジンの「潜在的に寿命が長い車ランキング」を見てみましょう。

このランキングでは、国産のSUVが数台上位に入っています。そして、大型サイズのクロカンSUVがベスト3にランクインしており、走行距離が多くても、他の車種より長く乗れることが分かります。

ランキングの1位と2位である国産の大型クロカンSUVは、走行距離45万km超えを達成しています。また、ベスト20位にランクインしている国産のSUVは走行距離が約40万kmに達しています。

もちろん、SUVの種類や大きさ、乗り方などによっても寿命に違いはあります。しかし、一般的な乗用車よりもSUVの走行距離における寿命は長いことが分かります。

街乗りメインのクロスオーバーSUV

クロスオーバーSUVは、セダンなどの他車種とSUVを融合させた車のことです。

大きなタイヤと重厚感のあるボディにより力強さがあります。また、セダンのような乗り心地のよさと、荷室が広いことからワゴンのような使い勝手のよさも魅力です。

外観がスタイリッシュでかっこいいもの、高級感のあるものなどデザインも様々です。

オンロードとオフロードの両方で走行することを前提としています。ただ、どちらかというと本格的なオフロード走行というよりは街乗りをメインとしているので、走行距離による寿命は一般的な車種と同等程度だと考えられています。

悪路も走行するクロスカントリーSUV

クロスカントリーSUVは、本格的なオフロード走行を目的としている車のことです。車体は一般的な乗用車とは違って、フレームをボディにかぶせたモノコック構造を採用しています。

四輪駆動式が多く、エンジンにも馬力があって砂地や岩場などの悪路での走破性が高いのが特徴です。悪路走行に耐えられるような作りになっているので、耐久性に優れています。

どの程度の悪路を走行するか、また悪路走行の頻度によっては寿命が違ってきますが、一般的にクロスカントリーSUVは、SUVの中でも寿命が長いとされています。つまり、一般的な乗用車よりは走行距離が多くても比較的長く乗れると考えられています。

走行距離による寿命は乗り方とメンテナンス次第

走行距離が長い車は、その分エンジンに負荷がかかっているので故障のリスクが高くなってきます。そのため、定期的にエンジンオイルを交換したりなどのメンテナンスが必要です。

しかし、メンテナンスを怠っていれば、SUVだとしても寿命とされる走行距離まで到達しない段階で故障するリスクが高くなります。

また、車は普段の乗り方一つでも、寿命に差が生じます。車を傷めるような乗り方を繰り返せば、SUVだとしても寿命は縮まります。

消耗度が高いと車の寿命は短くなる

クロスオーバーSUVは、普通車がベースとなった街乗りメインのSUVです。悪路走行も可能ですが、全走行距離の3割以上を悪路走行が占めると、さすがに車の消耗度が高いとされています。その上、走行距離が多ければエンジンへのダメージもあるので、寿命は短くなるでしょう。

一方、クロスカントリーSUVは、本格的なオフロードでの走行仕様なので普通車よりは頑丈な作りになっており、耐久性にも優れています。ただし、悪路走行が全走行距離の半分以上を占めるとさすがに車への負荷が大きく、走行距離による寿命は短くなるとされています。

メンテナンス不足は寿命を縮める

SUVは一般的な乗用車よりも耐久性に優れた車が多いとされています。しかし、どんなに高性能であっても、使っていくうちに車の各パーツには徐々に負担が蓄積していくものです。

オフロード走行をせず街乗りがメインでも、メンテナンスを怠れば走行距離が多くなるにつれて故障のリスクも高くなり、寿命が早まる可能性があります。

SUVタイヤは寿命が短くなりやすい

一般的なタイヤは、車の使用頻度にかかわらず、ゴムの劣化などから約3〜5年が寿命とされています。

しかし、SUVは他車種よりも走行性が高く、エンジンもパワフルです。タイヤにかかる負荷が大きいため、一般的なタイヤに比べると寿命が短い場合が多いとされています。

さらに、オフロード走行をする機会が多いと、その分エンジンやタイヤへの負荷が重くなり、タイヤの劣化速度が早まってしまうこともあります。

スリップサインが見えるか、タイヤに傷やひび割れがないかなどをこまめにチェックし、問題があれば早めに交換したほうがよいでしょう。

SUVの寿命を延ばすポイント

SUVの寿命をできる限り延ばすには、どうすればよいのでしょうか?

ここからは、SUVの寿命を延ばすポイントを4つ紹介していきます。

①エンジン回りと足回りは、こまめなメンテナンスが重要

SUVを長く乗るには特にエンジン回り、足回りのメンテナンスが欠かせません。

パーツの動きをスムーズにするエンジンオイルやエレメントオイルは、走行距離が多くなるとすぐに汚れるので、定期的な交換が必要です。

また、SUVタイヤは一般的なタイヤより消耗しやすいので、溝や傷などをこまめにチェックし、早めのメンテナンスを行いましょう。

②急発進、急ブレーキを控えるなど普段の運転方法に気を付ける

急発進や急ブレーキ、急ハンドルを頻繁に繰り返す運転の仕方も、車の寿命を縮めてしまうことになります。

急発進はエンジン、急ブレーキはブレーキ、急ハンドルはタイヤやステアリングに過度な負荷をかけます。その負荷が蓄積すると、パーツの摩耗や劣化を早めてしまうでしょう。

信号やカーブなどでは余裕をもって減速、停止、加速を行うように心がけましょう。

③適度に車を動かす

車をあまり運転しなければ、その分パーツの劣化や消耗なども少なくて済むと思うかもしれませんが、実際はそうではありません。

車を長期間運転しないで保管しておくと、逆に各パーツに悪影響を及ぼす可能性があります。

例えば、エンジンオイルが停留して腐敗する、ゴムパーツが硬くなって劣化する場合があります。また、エンジン内のオイルが乾いてしまうと、次に乗る時にエンジン内の部品がこすれて削れ、負荷がかかってしまうこともあります。

そのため、定期的にエンジンをかけて近距離であっても運転し、車を動かすことが大事です。

④定期的な洗車とワックスがけ

こまめに洗車し、ワックスがけを行うことも車の寿命を延ばすのに重要なことです。

車の塗装は紫外線に長期間さらされると、徐々に劣化していく可能性が高まります。そのため、ワックスでコーティングすることで、塗装の劣化を防止することができます。

また、海沿いに住んでいる方は塩害、寒い地方に住んでいる方は融雪剤が足周りに付着しやすく、放置すると錆の原因になります。洗車できれいに洗い流せば、錆予防にもつながります。

SUVはリセールバリューが高いので寿命前の乗り換えもおすすめ

リセールバリューとは、購入した車を売るときの価格のことです。

車のリセールバリューは、新車からの経過年数が長くなると価格が低くなります。新車から3年後で新車価格の約7割、5年後は約5割、7年後は約4~3割の価格になるのが一般的です。

ただし、リセールバリューは中古車市場における人気や需要の高さによっても決まります。SUVは中古車市場でも人気が高く、リセールバリューが他の車種よりも高い傾向にあります。

そのため、走行距離や使用年数の寿命を迎える前に売却し、買い替えるのも一つの手です。

維持費の金額や安全性を考慮して車の寿命は判断しよう

車は使用年数や走行距離が増えると、メンテナンス費用がかさんでいきます。車の維持費も年々高額になってしまうので、費用をかけてでも乗り続けたいのかを考える必要があります。

また、車が古くなると故障のリスクも高まるので、安全面で不安が残るという方もいるでしょう。

車の維持費や安全面を考慮し、乗り換えるか乗り続けるかを慎重に判断することが大事です。

まとめ

  • ①昔は走行距離10万km、使用年数10年が車の寿命だとされていたが、性能の向上により現在は明確な寿命は決まっていない
  • ②使用年数10年、走行距離が10万kmを超えると、エンジンなどが劣化して修理費用がかさむ、交換部品の在庫がなくなるなどの理由で寿命だと判断されている
  • ③SUVの中でもクロスカントリーSUVは、比較的寿命が長い車だとされている
  • ④他の車種よりも耐久性に優れているSUVでも、乗り方やメンテナンス次第では寿命年数に違いが生じる
  • ⑤SUVの寿命を延ばすには、こまめなメンテナンスやエンジンに優しい運転などがポイント
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グーネットマガジン編集部

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